アーカイブ
 
 
 



南アフリカ大望遠鏡画像

2005.9.12

巨嘴鳥座(きょしちょうざ)

Image Credit: SALT
「巨嘴鳥座47」として知られる星団。この画像はUフィルター(トータル露出120秒)、Vフィルター(トータル露出20秒)、Iフィルター(トータル露出20秒)の3つのフィルター画像の合成である。巨嘴鳥座47は、地球から1万5000光年の距離の数百万の星(非常に小さな銀河と同じぐらいの星の数)でできた太古の星団で、幅は120光年ある。巨嘴鳥座47中の星は年齢が100〜120億歳で、天の川銀河(我々の太陽の年齢の2倍以上)中の最も年老いた星の部類に入る。巨嘴鳥座47の中心付近の星は非常に密度が高く、我々の太陽系のような惑星系は他の星の通過のために破壊されてしまっているかもしれず、そして、ひしめき合う星のために夜空は完全に暗くなることはない。この星団と同じぐらいの年齢の星でできた星団は、星の誕生から死までの生涯の研究の自然の実験室になる。

NGC 6152

Image Credit: SALT
NGC 6152 は、構成する全ての星が同時に、たぶん10億年前にできたと考えられる小さな「散開星団」である。これら数ダースの星は、互いに非常に近くで形成されたため、誕生して以来、我々の銀河中心周囲を重力で結びついて一緒に動いている。画像撮影時の SALT の主鏡を形成している91のミラーは最適状態に近い並び方をしていたために、この画像は写っている星が全体的に比較的シャープで、通常の SALT 画像がどのように写るのかを示した唯一の画像になっている。カメラは互いに狭い隙間で隔たった2つのCCDチップを使っているために、画像中央に細い隙間ができるが、今回発表された5枚の画像のうちの他の4枚は隙間がなくなるように2つのCCDチップの撮影部分が貼り合わされている。

NGC 6744

Image Credit: SALT
NGC 6744 は、星の豊富な南半球の星座のクジャク座中にある正面をこちらに向けた棒渦巻銀河である。この天体は約3000万光年の距離にあり、その幅はほとんど15万光年ある。この銀河の全体的な形と大きさは我々の天の川銀河と非常に似ており、この銀河から望遠鏡で我々の方向を見たら同じような光景が見えるはずである。NGC 6744 は我々の銀河のように数千億以上の星を含んでいる。我々の太陽のような星は取るに足りない星で、この画像で個々に特定することはできず、銀河全体の光の一部になっているにすぎない。

NGC 6744 の明るい核は他の渦巻銀河のように、年老いた赤っぽい星と黄色っぽい星で占められているが、薄く広く広がる渦巻腕には若くて青い星がある。渦巻腕に沿った電離水素ガスの「HII領域」と呼ばれる熱い星の形成領域には、ぼんやりした青いスポットがあり、ここで星が形成されていることが分かる。暗色の筋とパッチはチリが存在する部分で、ここでは星の光が遮られて暗くなっている。

この画像は SALT の強力な集光力を示している。紫外線、青色、赤外線の個々のカラーフィルター画像の露出時間はそれぞれ10秒しかなかったのだが、それでも、明度の低い(撮影時の明るさは月の明るさの40パーセントだった)正面を向けた銀河の渦巻腕には、複雑に入り組んだ構造がはっきりと写し出されている。

ラグーン星雲

Image Credit: SALT
ラグーン星雲は約3800光年の距離にあり、そこでは大質量の明るい星々が生まれており、紫外線放射が大量に放出されている。そして、この紫外線は周囲ガス雲中の原子を励起して光らせているのである。Uフィルター(120秒)、Vフィルター(20秒)、Iフィルター(40秒)の3つのフィルター画像を重ねて作ったこのカラフルなSALT画像には、「発光星雲」に典型的な不気味な光が写っている。画像の幅は約10秒角(満月の3分の1)で、これはラグーン星雲の距離で約10光年に相当する。この星雲全体の幅は300光年以上あるが、画像に写っている領域には若い星、それに、美しい「砂時計星雲」(画像中で最も明るい天体)がある。

SALTの強力な集光能力のおかげで、ガス雲中のガスの動きと、それ以外の詳細部分の調査ができるようになり、これにより星誕生に関する我々の考え方が変わるかもしれない。ラグーン星雲内のガス雲と、その中で生まれている星との相互作用、それに前の世代の星との相互作用がどのように行われているのかがより良く分かるかもしれないのである。

ラグーン星雲

NGC 6350 (ラグーン星雲)

Image Credit: SALT
NGC 6530 は、約200万年前にラグーン星雲(その一部が背景に見えている)のガス雲から形成された50〜100個の星の星団である。最も熱く最も大質量の星団は、我々の太陽の40〜50倍の質量、数十万倍の明るさがある。

注意深い復旧

オポチュニティ ソル566〜573日ステータス

2005.9.10

Credit: NASA/JPL/Cornell / Image arrangement: Mori Kanai
ソル569日にパノラマカメラで撮影した画像を3枚組み合わせて作ったパノラマ画像。地表にある白色部分は露出岩石である。

ソル563日の電源オフ事故からの復旧はうまくいっており、1日につき1つの新たな活動が計画されている。オポチュニティはソル570日(2005年8月31日)までに、パノラマカメラ、ナビゲーションカメラ、ミニ熱放射分光計による観測すでに行い、短時間のアルファ粒子X線分光計計測(ロボットアームは格納したまま)と6.5メートルの移動を行った。

各日の計画には予防措置が付け加えられ、朝のアップリンク後の電源オフと、電源オン後の科学活動は15分待ってからという方法がとられている。アップリンク後の電源オフは、高利得アンテナの位置をそのままにして、別な不具合でXバンド通信ができなくなるのを防ぐためである。

ソル566〜568日(2005年8月27〜29日)
エンジニアリング活動の日。週末の科学活動は停止してソル563日のリセット原因を調査。

ソル569日
短距離のブラインド走行を行って復旧計画の第2段階を完了。(パノラマカメラとナビゲーションカメラによる復旧第1段階はソル565日に行われた。)6.5メートルの走行を行い、全てのモーターの電流は正常だった。

ソル570日
ミニ熱放射分光計をソル563日以来初めて使用して、復旧第3段階を実施。昼寝から起きてから15分待って、ロボットアームを格納したまま短時間のアルファ粒子X線分光計計測を実施。これは分光計を制御しているペイロード操作ボードの単なるテストだった。アルファ粒子X線分光計テストから5分後、ミニ熱放射分光計による低位置ラスタの取得に成功。この結果データは地球で受信された。

ソル572〜573日(2005年9月2〜3日
この2日間のコマンドは、パノラマカメラとナビゲーションカメラによる観測だった。

2005年9月2日時点でのオポチュニティのトータル走行距離は5755メートルになった。

ファースト・ライトおめでとう

南アフリカ大望遠鏡
2005.9.9

巨嘴鳥座(きょしちょうざ)47
ラグーン星雲
銀河内の地球から3万6000光年のところにある発光ガス星雲。肉眼でもぼんやり見える。
NGC 6350(ラグーン星雲)
NGC 6744
NGC 6152
Image Credit: SALT
各画像は2〜3Mの大きさがあるのでダウンロードにはご注意ください。

「南アフリカ大望遠鏡」(SALT)は建設が始まってからちょうど5年後の2005年9月に初のカラー画像を発表し、「ファースト・ライト」の達成とフル稼働デビューを果たした。六角形セグメントでできた10x11メートルのミラー、60万ドルのデジタル・カメラ、最新の科学機器が搭載されたこの大望遠鏡は、南アフリカ天文台(SAAO)に設置され、北半球では見ることのできない南半球の空の観測が行われる。SALTは南半球で最大の望遠鏡で、世界最大の望遠鏡とも肩を並べ、現在アフリカに設置されている他の望遠鏡と比べ25倍もの集光能力を誇っている。この望遠鏡は月に置いたろうそくの光でも検出できるのである。今回初めて発表されたこれらの画像は、カメラオペレーションの最初の試用期間で撮影されたもので、SALTが達成した初の観測結果にもなっている。

SALT画像の鮮明さは、今後の光学制御の完全適用でさらに改善されることになっており、そのときの画像は1秒角(1度の3600分の1)という小さな星の像まで解像できるものになる。さらに、今後数ヶ月で、科学機器はいっそう増強されることになっている。

頂上の調査

スピリット ソル584日〜591日 ステータス

2005.9.8

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Image Credit: NASA/JPL; Mosaic: Mori Kanai
ソル585日にハズバンドの丘の頂上からスピリットのパノラマカメラで撮影した画像を組み合わせたパノラマ。

スピリットは「ハズバンドの丘」の頂上に到達し、サミット・パノラマのための画像撮影と、ロボットアーム機器による土壌ターゲットの調査を行った。

科学チームは、頂上でのスピリットの活動計画リストを作った。活動リストは以下の通りである。

スピリットは、セルフポートレートのための画像撮影、土壌ターゲットの調査、火星の2つの月(フォボスとデイモス)の2回の撮影をすでに行い、上の項目のいくつかを完了している。スピリットは頂上の初期の画像撮影を完了し、カンバーランドの峰とその周囲領域をさらに査定するために南東方向へ移動してさざ波領域の別な地点に移った。

ソル585日(2005年8月25日)
遠隔調査。メスバウアー分光計計測。フォボスとデイモスの撮影。

ソル586日
遠隔調査。メスバウアー分光計計測。ローバーデッキの撮影。

ソル587日
機器をメスバウアー分光計からアルファ粒子X線分光計へ変更。

ソル588日
顕微画像撮影とアルファ粒子X線分光計計測。

ソル589日
アルファ粒子X線分光計をターゲットから離してロボットアームを格納。バックしてロボットアームで調査した領域を撮影。次に南東へ移動。この日の移動距離は21メートルだった。

ソル590日
東南東方向へさらに14.2メートル移動。

ソル591日
オデッセイ軌道船とのより良い通信ができる方向にUHFアンテナを向けるために転回。「第1サウスポイント」での遠隔調査。

ソル591日終了時点でのトータル走行距離は4862メートルになった。