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ビーグル2を発見?

2005.12.22

Image Credit: ESA/Denman productions
欧州宇宙機関のビーグル2火星着陸機の図
Image Credit: NASA/JPL/Malin Space Science Systems/
Virtual Analytics Ltd
マーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影したビーグル2着陸機らしき画像

火星着陸に失敗した欧州宇宙機関の火星着陸機「ビーグル2」の残骸が発見されたかもしれない。これはNASAのマーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影した画像の詳細な調査で分かったことで、拡大して粒子が粗くなった画像の中に見つかったのは着陸機と保護エアバッグシステムかもしれないのである。ビーグル2に起きたことは、着陸機が火星の平坦な表面に接地したのではなく、クレーターの中にバウンドしながら転がり落ちて行ったようで、着陸機が荒い着陸に耐えられるように設計されていたとはいえ、これは限界を超えていたと考えられる。

マーズ・グローバル・サーベイヤー画像は特殊な方法で処理された。ビーグル2が着陸するはずだった着陸楕円範囲内にある数千のクレーターと数百平方kmという地表の中で、ビーグル2着陸の証拠としてこれが最もそれらしい画像である。衝突飛散物質はマーズ・エクスプロレーション・ローバー・スピリットの正面シールドがボンヌヴィル・クレーターに作ったものと似ていると思われ、対称的な形は、着陸機が地表に落ちるときに膨らんで分離に成功したガスバッグの形と一致する。

ニュース
5機の探査機が火星へ

エンケラドスは土星の暗いリングを作っている

2005.12.21

Image Credit: NASA/JPL/UA
カッシーニ搭載の観測機器により、氷の月「エンケラドス」から放出される粒子が土星の最も暗いリングを作っているということを確認した。死んだと思われるこの小さな月に、このような活発な火山活動があるということは驚きである。エンケラドス内部、特に南極付近は、知られていないプロセスで熱せられていて、物質が放出されて噴煙ができている。大きな粒子のほとんどは落ちてきてエンケラドス表面に衝突すると考えられるが、小さな粒子は太陽光によって押されて土星周囲の軌道に入るのである。

画像: エンケラドスから放出されている噴煙。  

カッシーニ土星探査機
エンケラドス → 南極から出る水蒸気

アーム展開に成功

オポチュニティ ソル668〜674日ステータス

2005.12.20

Credit: NASA/JPL
ソル672日にパノラマカメラで撮影した画像。オポチュニティはアームが動きにくくなったため、エレボスクレーター周辺の同じ位置に留まっている。
Credit: NASA/JPL
ソル669日にパノラマカメラで撮影した地表の画像。オポチュニティの影が露出岩石の上に落ちている。

オポチュニティはソル671日(2005年12月13日)にロボットアームを展開することに成功し、顕微画像撮影装置を撮影位置に配置した。ソル654日のアーム展開時のに起きたショルダージョイント・モーター停止の原因は、モーター巻き線のワイアーが切れたためと思われる。モーターは、多くの電流を流すようにパラメーターの1つを変えることでまだ機能できる。しかし、モーターの動作はまだ調査中で、モーターはパラメーターの調整中に停止する可能性がまだある。モーターが使えなくなってもアーム機器をターゲットに配置できるように、未使用時でもアームを非格納状態にしておく最良の方策が検討されている。

オポチュニティはエレボスクレーターのところに留まっている間、空のサーベイ、1日数回の光度測定、ミニ熱放射分光計による大気観測という大気集中調査を完了した。オポチュニティはさらに、パノラマカメラとミニ熱放射分光計で地表のターゲットの観測も行った。

ソル668日(2005年12月10日)
ターゲット遠隔調査と大気観測をいくつか計画したが、地球のサーバーの問題のため、計画はアップリンクされなかった。

ソル669日
アップリンクに成功し、ターゲット遠隔調査と大気観測を実施。

ソル670日
早朝の大気観測。この日遅くにミニ熱放射分光計計測を完了。

ソル671日
ロボットアーム診断テストの結果は、巻き線の1つが切れたときのモーターのパフォーマンスと一致。モーターはパラメーターを変更すればこの状態でも機能することができる。必要な変更の実施により、アームは格納状態から動いて展開することに成功した。顕微画像の2画像x2画像のモザイク撮影と、メスバウアー分光計計測を計画。モザイクの前半の撮影は計画通り完了したが、ショルダージョイント・モーター停止のためアームシーケンスは中止された。

ソル672日
大気観測と光度測定を実施。

ソル673日
計画はソル671日に開始した顕微モザイク画像の完了と、「ウィリアムズ」というターゲットへのメスバウアー分光計の配置だったが、ショルダージョイント・モーターが再び停止した。パノラマカメラによるターゲット観測は予定通り完了。

ソル674日(2005年12月16日)
ソル673日のモーター停止の分析後、顕微画像撮影装置のダストカバーを閉じるコマンド・シーケンスと、「ウィリアムズ」の夜間計測のためのアルファ粒子X線分光計配置のコマンドを再送信。

オポチュニティのトータル走行距離は6502メートルになった。

ペルセウス渦巻腕は近い

2005.12.18

Image Credit: Max Planck Society
我々の天の川銀河も他の渦巻銀河のように壮大な渦巻腕を持っているが、我々は銀河の中にいるため、渦巻腕を良く見ることはできない。今回のこれまでにない詳細な電波観測で、太陽より外側にある天の川銀河のペルセウス渦巻腕までの距離がこれまでの半分に変更された。使用された電波望遠鏡はアメリカの超長基線電波干渉計(VLBA)で、「W3OH」という名の形成されたばかりの星周囲のメチルアルコールを含むガス雲内部の非常に明るいスポットが観測された。距離測定で使われたのは単純な三角測量法で、地球が太陽周回軌道の両端に来たときの角度を測ることで算出された。以前の距離測定で使われた若い星の動きはこれまで考えられていたように天の川銀河を円形の軌道で周回しているのではなく、銀河中心から10パーセントもずれており、周回速度は遅く、天の川銀河中心方向へ「落ちている」ことがわかった。このため距離計算に誤りが生じていたことになり、今回の観測では距離がこれまでより近くなったのである。

  画像: 我々の「太陽系」と「W3OH」の位置を示した図。この図は天の川銀河を銀河面の上方から見たもので、これまでに知られている渦巻腕が描かれている。

火星のバクテリアは氷の下?

2005.12.17

Image Credit: UC Berkeley
グリーンランドの氷シートの下深くから採取した氷サンプルの調査で、メタンを作り出すバクテリアが火星に存在してもよいことが受け入れられるかもしれない。欧州宇宙機関のマーズ・エクスプレスは最近、火星の大気中にメタンが存在する証拠をつきとめた。そして、このメタンの起源は「アルキア」と呼ばれる古細菌の部類なのかもしれない。火星の微生物を探す最適の場所は数百メートルも下にある氷の中なのだが、岩石が最近露出した隕石クレーターという場所も適しているはずである。

画像: グリーンランドの深い氷の中にいた微生物。分裂をしようとしている。

NASAの宇宙探査DVD−ROM 2005年版

MORIの天文ページ編
2005.12.16

このDVD−ROMは、「NASAの宇宙探査」2005年版です(CDではなくDVDです)。内容は、日本人宇宙飛行士の野口さんが搭乗したスペースシャトル、ディープ・インパクト彗星探査機、カッシーニ探査機とホイヘンス・プローブ、ハッブル宇宙望遠鏡、マーズ・エクスプロレーション・ローバーの画像と解説の日本語訳です。

価  格
4000円
このDVD−ROMは、DVD−Rに焼いたものです。
このDVD−ROMはブラウザを使って表示するもので、接続なしにインターネットを見るような感覚で内容をご覧いただけます。
ご覧になるためにはDVD内蔵のパソコンか、外付けのDVD機器と接続したパソコンが必要です。
3−D立体画像をご覧いただくための簡易3−Dメガネも付属しています。

ご購入方法
  1. 注文書 に必要事項を記入して、「送信」をクリックする。
    FAX で送られる方は、042-302-3738 にお願いいたします(24時間受け付けています)。
  2. DVD-ROM が郵送される。
  3. DVD-ROM を受け取るときに郵便配達の方に代金(4000円)を支払う。

注文書





DVD−ROM『NASAの宇宙探査』2005年版 の内容
メニュー・ページ

これはCDではなくDVD−ROMですので、DVD機器が内蔵されているか外付けされているパソコンが必要です。内容はディープ・インパクト彗星探査機や2年半ぶりに打ち上げられたスペースシャトルを始めとする2005年のNASAの宇宙探査の内容が収録されています。

ディープ・インパクト

ディープ・インパクトから分離されたインパクターが衝突直前まで撮影したテンペル1彗星の表面と、フライバイ探査機から撮影した衝突瞬間の噴煙の画像まで、ハッブル望遠鏡の観測も含む様々な視点から見た、詳細な衝突の模様。

全45ページ。12のムービーを含む。146MB。

スペースシャトル STS-114 ミッション

2年半ぶりに打ち上げられたスペースシャトルの打ち上げから着陸まで、日を追った活動内容。このミッションには日本人宇宙飛行士の野口さんも搭乗した。

全14ページ。11のムービー(シャトルのムービーをご覧になるにはネット接続が必要です)。109MB。

カッシーニ土星探査機

2004年末からのカッシーニ探査機による観測結果。インデックスは土星の衛星別のカテゴリーに整理されています。リングの名前が一目でわかる「リング地図」も含まれています。カバーしているのは、土星、リング、タイタン、レア、ヤペトゥス、ディオネ、テテュス、エンケラドス、ミマス、ヒペリオン、エピメテウス、ヤヌス、プロメテウス、アトラス、ヘリーン、テレスト、フェーベ、パン、パンドラ、新発見の月。

全419ページ。550MB。

マーズ・エクスプロレーション・ローバー

2004年12月から2005年12月中旬までの2機のローバーの活動内容。ハズバンドの丘の頂上に登って下りるまでのスピリットの活動と、エンデュアランス・クレーター周囲の調査から海のような砂の平原を通ってエレボスクレーターに到達するまでのオポチュニティの活動の詳細がご覧いただけます。MORIの天文ページ作成のものを含む多くのステレオ画像も含まれています。

スピリット154ページ、オポチュニティ103ページ。1.39GB。

ハッブル宇宙望遠鏡

2004年末から2005年までのハッブル宇宙望遠鏡画像。銀河全体を写したものとしてこれまででもっとも大きなハッブル画像、2002年に爆発して以来徐々に周囲が照らされてきている「一角獣座V838」、ハッブル観測15年を記念して発表された美しい「M51銀河」と「ワシ星雲のガスとチリの柱」、ディープ・インパクトのテンペル1彗星への衝突観測など。

全35ページ。20以上のムービー。0.99GB。

はやぶさの帰還は2010年?

2005.12.15

「はやぶさ」ステータス

アルゴンキンの調査

スピリット ソル680日〜688日 ステータス

2005.12.15

Credit: NASA/JPL
ソル685日にナビゲーションカメラで撮影した画像。スピリットはハズバンドの丘から下って、「コマンチ」へ向かっている。
Credit: NASA/JPL
ソル680日にパノラマカメラで撮影した画像。画像のほぼ中央から下半分はスピリットがいる斜面で、上半分は遠方にある下の地表の眺めである。

スピリットは今週、非公式に「アルゴンキン」と名付けられた露出層へ移動した。ソル685日には15メートル進むことに成功し、ソル687〜690日に予定されている一連のロボットアーム活動の準備をした。その後の予定は、丘を下って「コマンチ」という名の領域に進むことである。

ソル680日(2005年12月1日)
「マイアミ」と「コマンチ」の間の地域の方向に30メートル移動。

ソル681日
日中に遠隔調査。夜間にフォボスを観測。

ソル682日
パノラマカメラで「アルゴンキン」「マイアミ」「ピマ」「ヤーキ」を撮影。ミニ熱放射分光計で「ヤーキ」「ピマ」「アルゴンキン」「ミントウィオーニ」「マイアミア」を観測。

ソル683日
アルゴンキン方向への予定の移動は実施されず。

ソル684日
塵旋風を撮影。パノラマカメラによる近隣サーベイ。日中と夜間のミニ熱放射分光計計測。

ソル685日
アルゴンキン露出層へ16メートル移動に成功。

ソル686日
日中に遠隔調査。夜間にフォボスの観測。

ソル687日
アルゴンキン露出層にある「イロケット」という非公式名の形状をパノラマカメラとアルファ粒子X線分光計で調査。

ソル688日
イロケットを25分間ブラッシング。次にイロケットの顕微画像を撮影し、アルファ粒子X線分光計で計測。

ソル686日(2005年12月8日)終了時のトータル走行距離は5510メートルになった。

スピッツァーが100個以上の星団を発見

2005.12.14

Image Credit: NASA

NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡は、我々の天の川銀河のチリの領域内部に隠れていた星団を100個以上発見した。この強力な赤外線天文台は、このような暗色のチリでぼけていて見えにくい領域を貫通して見ることができる。この発見で分かったことは、銀河面の南側(南半球から見える)には北側の2倍もの数の星団が存在するということである。このことは、天の川銀河の渦巻腕の位置についてのヒントなのかもしれない。

画像: スピッツァー望遠鏡が発見した星団の画像。

北極のオーロラ

2005.12.13

Image Credit: NASA
地球の磁極の北極は400年以上にわたってほぼ安定した位置にあったが、20世紀には1100km近く動いた。北極はこの調子で動くと、50年後にはカナダから出てシベリアに入ってしまう。もしそうなれば、磁極の北と太陽風の相互作用で起きる美しい北極光(オーロラ)はアラスカと北カナダから姿を消すことになる。この磁極の北の揺れ動きはいつも起きている普通の動きなのか、あるいは、地球の磁極の南北がひっくり返ろうとしているということなのかもしれない。

画像: 北極のオーロラ。

次のシャトルフライトは2006年3月
(スペースシャトルから撮影した南極のオーロラ)

はやぶさはサンプルを採取しなかった?

2005.12.12

日本の「はやぶさ」探査機は、小惑星「イトカワ」から約550kmまで離れ、地球への帰路についたが、残念なことに小惑星表面のサンプル採取には失敗したかもしれない。JAXAでは、小惑星の表面物質を飛散させるよう設計された金属ブレットは放出されなかったのかもしれないと考えている。「はやぶさ」は深刻な損傷を受け、燃料が漏れてバッテリーの電力も大きく失われているため、地球に無事戻れるかどうか楽観はできない。しかし、姿勢制御はかろうじて保たれており、12月6日現在、時速約5kmの速度で地球の方向に向かっている。「はやぶさ」と地球の距離は、2億9000万kmである。現在はイオンエンジンの再スタートに向けて搭載機器が1つ1つ点検されている。エンジンのスタートは12月14日以降になる。

「はやぶさ」探査機の状況について
(JAXAプレスリリース)
「はやぶさ」は彗星のサンプル採取に成功
日本のプローブ、小惑星に接地せず

テストは好結果

オポチュニティ ソル661〜667日ステータス

2005.12.11

Credit: NASA/JPL
ソル665日にパノラマカメラで撮影した画像。オポチュニティは露出岩石が豊富なエレボスクレーターの領域にいる。
Credit: NASA/JPL
ソル661日にパノラマカメラで撮影した画像。この画像には層状岩石がたくさん写っている。

オポチュニティは現在「エレボスクレーター」で遠隔調査を続けており、一方、ソル654日にロボットアームのモーターがなぜ動かなくなったかの診断も進行している。ソル666日(2005年12月8日)には通常より多くの電流が流されてモーターは動いた。アームはまだ格納状態のままで、アームを使う最良の方法を決定するためのテストと分析はさらに続けられる。岩石と土壌を調査する4つの機器が取り付けられたアームは、当初の予定の7倍以上の期間すでに使われている。

アームのショルダーのモーターは、格納状態からアームを伸ばすために必要である。初期のテストによるいくつかの解釈(物理的な障害があるということ、あるいは、潤滑性の悪化)は、当たっていないように思える。ソル666日のテストで分かってきたことは、モーターの巻き線のワイヤーが切れて、それがソル654日のモーター停止の原因になったということである。テストでは3種類の電圧が使われ、モーターはそれぞれの電圧で4回ずつ回転した。翌週にも、モーター動作の特徴を調べるテストが続けられる。

オポチュニティは調査に好条件の地域におり、オポチュニティがいるエレボスクレーターの近くと中には露出層が豊富にある。オポチュニティはパノラマカメラによる観測も行い、周囲のカラーパノラマ、オポチュニティ自身のカラーモザイク、いくつかの露出層ターゲットの高解像度画像を撮影した。ミニ熱放射分光計でも、ソル664日(2005年12月6日)に優先度の高いいくつかのターゲットのデータを得ることに成功した。パノラマカメラで撮影されたターゲットの非公式な名前は、ドレーク、チノー谷、ベレモント、キャンプ・バーデ、ヤング、チェリー、ポールデンである。

今週のオポチュニティは走行は行わず、ソル666日現在のトータル走行距離は6502メートルのままである。