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ホームプレートを見る

スピリット ソル735〜742日ステータス

2006.2.8

Credit: NASA/JPL
ソル741日にナビゲーションカメラで撮影した画像。スピリットはこの日、ホームプレートまでの道筋が見渡せる場所に到達してこの画像を撮影した。ホームプレートは、この画像の上部中央から左側の部分である。
Credit: NASA/JPL
ソル736日にパノラマカメラで撮影した画像。スピリットはこの日、興味深い岩石を見つけ、ここに2日間留まることにした。

スピリットは元気で、150メートル以上移動し「ホームプレート」への前進は進展し、画像撮影、大気観測、地質分析も行った。

ソル735日(2006年1月27日)には、ダイナミック・ブレーキの診断テストが行われた。これは、左前輪と右後輪のステアリング作動装置に関連したダイナミック・ブレーキの不具合がソル733日に検出されたためである。このテストは、ソル265日に起きた同じような不具合に対して行われたものと同じである。さらに、ソル735日の走行後には車輪を微動させてダイナミック・ブレーキのテストを行った。この車輪微動で車輪の向きをわずかに変えて、次に車輪はまっすぐの方向に向けられたが、ダイナミック・ブレーキからの警告はなかった。ダイナミック・ブレーキを制御するリレー・ステータスの断続的な行動、それに診断の結果はどちらも、ソル265日の不具合の後見られた症状と一致する。対処はこれまでと同じ方法がとられ、ダイナミック・ブレーキ・エラーのステータスを無視することになって走行は通常のステアリング・ファンクションで続けられた。

ソル735日(2006年1月27日)
1日の移動計画だけではなく、ダイナミック・ブレーキの診断テストの準備と実施もした忙しい日だった。左前輪と右後輪のステアリング・モーターを使わないで26.3メートルを走行。診断テストの結果は、ソル265日(2004年10月1日)の不具合後の症状と矛盾しなかった。「アレガニー峰」と「ユゴング」のパノラマカメラ画像も撮影。

ソル736日
興味深い岩石を発見し、そこに2日間留まってアーム機器による調査を決定。モザイク顕微画像撮影と、メスバウアー分光計を使ったスペクトル情報の取得。「シンテン」「ゴンゴン」「ルオヅ」「スイレン」「ツァンチェイ」という名の岩石ターゲットのパノラマカメラ画像を撮影。「ツァンチェイ」「スイレン」「ホージー」「ルオヅ」をミニ熱放射分光計で計測。

ソル737日
ホージーの遠隔調査。パノラマカメラを使った大気観測。

ソル738日
ホームプレートまでの間にある岩石の峰の迂回を開始し、さらに33.7メートルを走行。ソル735日の診断テスト走行の分析完了後、ソル265日の不具合後と同じ回復計画の実施を決定し、無事に走行を続行。

ソル739日
30.5メートル移動。シーケンス・エラーのため自動ナビゲーションで5メートル走行後停止。今後の似たエラーを把握するために、走行自動チェックをシーケンスに加える。計画されていた走行後画像撮影はほとんど完了できなかった。

ソル740日
走行後撮影をもう一日待つのではなく、搭載機器を使って独自のナビゲーションで進むことを決定し、自動ナビゲーションで17メートル移動。

ソル741日
緩やかな斜面の峰の頂へ43.5メートル移動し、ホームプレートへの道筋が分かる素晴らしい眺めを撮影。

ソル742日(2006年2月3日)
30メートルの指示走行と20メートルの自動走行の日の準備。

ソル741日(2006年2月2日)現在のトータル走行距離は6430メートルである。

ヒペリオン

2006.2.7

ムービー
Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

よろよろ進む不規則な形の月「ヒペリオン」がカッシーニから遠ざかっていくムービー。(画像下の「ムービー」をクリックするとムービーをご覧になれます。)このムービーは2005年12月に行われた遠方フライバイのときに撮影された。静止画像は、ムービーを作っている1つの画像である。

ヒペリオン(直径280km)は接近密集した深い穴で覆われているが、これは表面の暗色物質の下にある水の氷に対する太陽熱の影響で、衝突でできた窪みがさらに深く強調された結果である。

このムービーはカッシーニが近隣を通過したとき、約2時間をかけて撮影した40枚の画像でできている。ムービーを作っている画像は、2005年12月23日に22万8000kmから23万8000kmの距離(上の静止画像は22万8000kmの距離)から可視光の望遠カメラで撮影された。太陽-ヒペリオン-カッシーニを結んだ線が作る位相角は77〜86度(上の静止画像は77度)、オリジナル画像の解像度はピクセルあたり約1.4kmである。見やすくするためにコントラストは強調され、大きさも2倍拡大されている。

カッシーニ土星探査機 → ヒペリオン
カッシーニ土星探査機 → ヒペリオン

銀河を取り囲むハロー

2006.6.

チャンドラX線望遠鏡で渦巻銀河「NGC 5746」が撮影され、可視光で見える渦巻ディスク周囲に熱いガスのハローがあることが分かった。このハローは6万光年以上の距離まで広がっているが、銀河自体には星形成が活発に行われている兆候があるようには見えない。コンピュータ・シュミレーションによると、この熱いガスは、銀河間空間にある銀河形成時の残りの物質が徐々に銀河に流れ込んでいるものと考えられる。このようなハローはコンピュータで予測されていたのだが、これまでは観測できていなかった。

画像:  大質量渦巻銀河「NGC 5746」のチャンドラ画像。青色部分は銀河周囲の熱いガスのハローで、可視光で見えるディスク(白色)を取り囲んでいる。
Credit: X-ray: NASA/CXC/U. Copenhagen/K.Pedersen et al; Optical: Palomar DSS

風食した溶岩岩石

2006.2.5.

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Cornell/USGS

「ゴンゴン」という岩石の顕微画像。ギザギザした素晴らしい小さな眺めが写っている。この画像がカバーしているのは幅わずか3センチだが、ここには、火星の歴史で非常に重要な激しい力、つまり火山活動と風の力の記録が残されている。

ゴンゴンが形成されたのは、数十億年前の溶けた岩石の激しい動きの中だった。溶けた岩石はガスを泡の状態で取り込み、それは非常に深いところに閉じこめられたが、表面へ上昇すると主要部分から分離した。溶けた岩石は、引き延ばされてねじれる タフィー 黒砂糖([糖蜜)を煮詰めて練って作ったキャンディー。 のように、太古の火星表面を移動するにつれて変形していったが、中に閉じこめられたガスの泡も変形して長細い形になった。その後、溶岩は固くなると、凍ったスポンジのように見える形状になった。

この岩石は形成を終わってからずっと後、数十億年という長い年月の間、時々火星全体を覆うチリ嵐が巻き上げる砂の粒子に打たれてきた。砂に打たれた岩石表面は少しずつ劣化し、ガスの泡を閉じこめていたもろい皮は破れ、この画像に写っているようなとがった突起状の形状が作り出されたのである。現在でも風によって砂とチリが運ばれ、それは岩石にできた孔と割れ目に入って堆積している。

地球でも火山活動と浸食の同じような複雑な相互作用が起きており、例えば、モハーベ砂漠では砂の粒子によって、極寒の南極では氷の結晶によって岩石は浸食され、この画像と同じような形状の岩石が見られる。

ゴンゴンはスピリットが調査した岩石グループの中にある岩石の1つで、中国の新年(犬の年)にちなんで名付けられた。ゴンゴンは中国の神話では、北部地域の水の神である。ゴンゴンは命を捧げてブゾー山を倒し、そのおかげで、天国の悪い皇帝は破滅し、太陽と月と星は自由になって東から昇り西に沈むようになり、中国の全ての川は西から東に流れるようになったという。

この画像はソル736日(2006年1月28日)に顕微画像撮影装置で撮影された。この岩石は「ハズバンドの丘」と「マックールの丘」の間の「丘内部盆地」に発見された。画像撮影時の岩石は影の中にあって太陽光には直接照らされておあらず、散乱光は主に画像上方向から来ている。

火星のモーツァルト

オポチュニティ ソル715〜721日ステータス

2006.2.4

Credit: NASA/JPL
ソル717日にナビゲーションカメラで撮影した画像。オポチュニティはこの日、「オボァガード」に接近して顕微モザイク画像を撮影した。
Credit: NASA/JPL
ソル721日に前方危険防止カメラで撮影した画像。オポチュニティはこの日、オボァガードの顕微画像撮影を再び試みた。

オポチュニティは元気で、「オリンピア」という名の露出層の調査を続けている。オポチュニティは「オボァガード」という地形の上におり、計画はモザイク画像の撮影、次に「ルーズベルト」という地形の方向へ移動してそれをアーム機器で調査することである。

「オボァガード」という非公式な名前は、1月27日が250回目の誕生日のモーツァルトに関連している。

ソル715〜716日(2006年1月27〜28日
「ブランチウォーター」と「バーボン」の顕微画像撮影。

ソル717日
「オボァガード」に接近し顕微モザイク画像を撮影。

ソル718日
ターゲットなし遠隔調査(大気調査)。

ソル719日
「ドンジョヴァンニ」「ザルツブルグ」「夜曲」(いずれもモーツァルトに関係した名称)ターゲットの顕微画像撮影の予定だったが、「ザルツブルグ」での作業中にロボットアームにエラーが起きた。

ソル720日
ターゲットなし遠隔調査。

ソル721日(2006年2月2日)
エラーをクリアーし、再びオボァガードの顕微画像撮影の試み。

ソル721日現在のトータル走行距離は6505メートルである。

ほとんどの星は単身

2006.2.2

天の川銀河中の大質量の明るい星は普通、互いに廻り合っている2つかそれ以上の星でできた系になっている。このことから、宇宙のほとんどの星は別な星と組みになっていると長い間考えられてきた。しかし、低質量の星に焦点を絞った最近の調査では、低質量の星が他の星と組みになって存在することはほとんどないことが分かった。そして、赤色矮星のような低質量の星は大質量の星よりもずっと多い。この2つの事実から分かることは、天の川銀河のほとんどの星系は単体の赤色矮星でできているということである。非常に質量の大きい星の80パーセントは他の星と組み合わさっているが、このような非常に明るい星は非常に少ない。そして、大質量星より暗い太陽のような星の半数強は複数の星の組み合わせになっているが、赤色矮星で伴星を伴っているものはわずか25パーセントほどしかない。天の川銀河の星の約85パーセントが赤色矮星だということを考えると、天の川銀河中の全ての星系の3分の2は単体の赤色矮星だということになる。そして、惑星は単体の星の周囲に形成されやすいということを考え合わせると、惑星の存在はこれまで考えられていたよりも普通なのかもしれない。

画像:  赤色矮星の周囲を周回する岩石の惑星を描いた概念図。
Image Credit: ESO

Most Milky Way Stars Are Single

スペースカレンダー 2006年5月

2006.2.2

スペースカレンダー 2006年5月

スペースカレンダー 2006年2月(2006.2.1. 更新)

2005年は暖かかった

2006.2.1

Image Credit: NASA Goddard Space Flight Center
NASAの調査によると、2005年はこの1世紀の間で地球全体として最も暖かい年だった。地球の温度計測で使ったのは、地上の気象台、海洋上の船、宇宙空間の衛星である。この100年間で温度は平均摂氏0.8度上昇しており、最も暖かかった年は、1位が2005年、その次が1998年、2002年、2003年、2004年である。別な研究者グループによる計測では2005年は2位だったが、2つの計測に差が生まれたのは、NASAの計測に北極が含まれていたことによる。つまり、2005年の北極の気温は異常に暖かかったということである。第2位の1998年は強力なエルニーニョのために温度が上がったのだが、2005年にはエルニーニョは起きておらず、エルニーニョなしで高温になった。

この観測結果から分かることは、地球は温暖化傾向が続いており、1970年代からの温度上昇は摂氏約0.6度だということである。最も暖かかった年を5年分探してみると、それは全てこれまでの8年間の中に入ってしまう。

現在の温暖化は地球上の全ての場所で同時に起きているように見え、北半球では高緯度になるほど温暖化の度合いが大きくなっている。過去50年間を見てみると、年間及び季節的な温度上昇が最も高かったのはアラスカ、シベリア、南極半島で、大洋はそのほとんどの領域が暖かくなった。これらの場所は主要都市から離れているため、温暖化が市街地域の汚染の影響ではないということは明かである。

2005 Warmest Year in Over a Century

溶岩が固まった岩石

2006.1.31.

Credit: NASA/JPL-Caltech/Cornell

スピリットは「ハズバンドの丘」南の盆地を通っているとき、主に砂の堆積した地域を移動していた。スピリットは今週、「ローレ峰」という曲線形状の縁で活動していたが、はっきりした表面模様のある素晴らしい玄武岩を見つけた。ここにある3つの画像はパノラマカメラで撮影したもので、「フイ」という非公式名の巨礫(れき)の集まりが写ってる。これらの玄武岩は火山プロセスで形成したもので、この盆地のローレ峰と他の興味深い地形を作っている主要な要素なのかもしれない。

スピリットが初めて玄武岩を発見したのは2年前の着陸サイトだった。着陸サイトは、グセフクレーター内を流れた溶岩が固まってできた広大な平原の中にある。スピリットが今見ている玄武岩は、小さい孔(気孔)がたくさんあり、ある種の地球の火山性岩石と似ていて興味深い。気孔のある岩石ができるのは、溶岩流中に気泡が閉じこめられ、溶岩が気泡を含んだまま固まったときである。岩石が固まるときに気泡からガスが逃げ出すと、そこは岩石表面に孔となって残るのである。ハズバンドの丘に見られる岩石にできたガスの泡の数は非常に異なり、孔が全くないものもあれば、フイのこの画像に見られるいくつかの岩石のように、孔だらけのものもある。

玄武岩の表面模様と位置が異なっているということは、スピリットが溶岩流の縁を移動しているということなのかもしれない。ここにある溶岩はスピリット着陸サイトの平原を覆っている玄武岩を作った溶岩と同じものなのかもしれないし、あるいは、ちがうのかもしれない。ローレ峰周辺の巨礫(れき)が大きくて気泡が多いという特色を持っているということは、この溶岩流の縁でかつて爆発が起き、噴出してきた盆地底の岩石が溶岩流に影響を及ぼしたということなのかもしれない。これらの岩石の調査がさらに進んでさらに多くのことが分かることが期待されている。

地球では中国の新年(犬の年)が近づいており、この新年の期間にスピリットが調査した岩石と地形のニックネームには、中国の文化と地形の名前を使うことになった。中国の神話では、「フイ」(フクギ「 伏羲 竜の体と人の頭を持つ男神で、在位は111年。八卦をまとめ、火を使った料理や婚姻制度などを人間に教えたとされている。 」)は第1代皇帝で、東方に住んでいた。伏羲は、「陰」と「陽」の論理を人民に説明し、魚を捕る網を発明し、食べ物を料理するために火を初めて使い、人民の歌と踊りの伴奏のために「セ」(「シツ」( 35弦の大琴 ))という楽器を発明した。他の岩石と形状の名称は、中国の神、武士、発明家、科学者、さらに、川、湖、山の名前も使われている。

これら3つの画像は、ソル731日(2006年1月23日)に撮影された。左側の画像はステレオ画像で、青色(430ナノメートル)のフィルターを使った左右のパノラマカメラで撮影した画像から作られている。中央の画像は750ナノメートル、530ナノメートル、430ナノメートルのフィルターを使ったパノラマカメラ画像を合成したフォールスカラー画像である。右側の画像は、中央の画像と同じフィルターの組み合わせで撮影したものだが、色は自然色カラーである。