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銀河がちりぢりにならないわけ

2006.2.17

Image Credit: Brussels Museum of Fine Arts, and Space Telescope Institute
ダークマターが原因と考えられている効果を説明するために、ダークマター理論を使わない方法が考えられた。これはアインシュタインの重力理論を微調整する方法で、銀河の距離による重力の弱まり方を変更して、観測と完全に一致するようにする公式が作り出されたのである。

4分の3世紀にわたって天体物理学者を悩ませてきたダークマターの謎が解けるかもしれない「単純な」理論が作られ、これによってアインシュタインの重力理論が微調整できるかもしれない。この理論は、アインシュタインの理論が実際に正しいのかどうか、そしてダークマターという天文学の謎が実際に存在するのかどうかを証明することを目標にしている。このリサーチは、アメリカの『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』誌10月10日号に掲載された。この公式が示唆しているのは、重力が距離と共に弱くなる率はアインシュタイン理論よりも緩やかだということで、太陽系から銀河まで、そして宇宙全体まで、重力の弱くなり方はアインシュタイン理論とは微妙に異なるということである。

重力理論は1687年にアイザック・ニュートンが初めて展開し、1905年のアルバート・アインシュタインの相対性理論で詳細にされ、光が曲がって進むことが分かった。重力はその存在が最初に分かった力ではあるが、観測でまだ確認されていない謎を非常にたくさん含んでいる。

ニュートンとアインシュタインの法則の「問題」は、それが地球上で非常にうまくいくのだが、銀河中の星の動きと光の湾曲を正確に説明できないということである。銀河中の星は重力によって引きつけられながら中心点周囲を高速で周回しているが、重力で引きつけられているにしては運動速度が速すぎるということが分かった。つまり、銀河が星を内部に引きつけておくには星の周回速度に対して銀河中心方向に引く力が弱すぎ、銀河の星は宇宙空間のあらゆる方向にまき散らされてしまうはずだということである。

この問題の解決方法は1933年に Fritz Zwicky が提出し、銀河には見えない物質があり、そのおかげで銀河が星を引き留めておくだけの重力を保持できているというのである。この物質は光を放射しないため「ダークマター」(暗黒物質)と呼ばれ、宇宙の物質の90パーセントがこれでできていると考えられている。しかし、ダークマター理論は全ての学者に受け入れられているわけではなく、1983年に Moti Milgrom によって他の解決方法が提出され、それは2004年に Jacob Bekenstein によって裏打ちされた。Milgrom が考えたのは、見えない物質の存在ではなく、重力の理解が正しくないということで、ダークマターではない普通の物質の重力が実は大きいために星が高速で周回できるということである。

Milgrom の理論はそれ以来多くの天文学者によって研究されてきたが、これまでのバージョンが直面していた問題の多くを解決する、この理論の新しい公式が Dr Zhao と Dr Famaey によって提出されたのである。

この公式では、重力は様々な距離スケールで連続的に変化し、そして最も重要なことは、これが銀河の観測データと一致するということである。銀河データを理論と一致させるということはライバルのダークマター理論でも、針の先に乗せたボールのバランスをとるぐらい困難なことで、2人が別な重力の考えを探したのはこのためである。

伝説によると、ニュートンが重力の存在に気づいたのはリンゴが頭の上に落ちてきたときだとされているが、Dr Zhao によると、重力でリンゴがどのように落ちるのかはニュートン理論では明確ではなく、彼のリンゴは天の川銀河から外に飛び出してしまうのである。リンゴを重力で軌道に留めておく努力は何年もの間なされ、2つの考え方が生まれた。それは「ダークマター理論」対「非ニュートン重力理論」である。ダークマター理論の粒子は、美しい対称性を持った物理学で「自然に」現れて見事な宇宙論になっており、ダークマターはどこにでもあるという。さらに、「ダークマター」は「ダーク・エネルギー」と対になっているのである。これら全ての謎がただ1つの答えで解決するのなら、それはさらに美しい理論となることだろう。

Zhao らの理論は Milgrom と Bekenstein の理論を洗練したもので、これまでのところ銀河データと一致している。さらにこの理論の太陽系と宇宙に関する予言が確認されれば、ダークマターの謎を解決できるかもしれない。アインシュタインの重力理論は正しいのか、いわゆるダークマターは本当に存在するのか、我々はこのような常に問われる疑問に答えることができるかもしれない。

非ニュートン重力理論は現在、スムーズな連続関数によって全てのスケールで完全に記述されており、反証の準備は整っている。ダークマター粒子の探索を続ける一方で、Zhao らの公式で予言されている新たな分野に目を向けるときは来ている。

新しい公式は、2005年4月にエジンバラ王立天文台で行われる国際ワークショップで発表され、この洗練された理論のテストと討論の機会が与えられる。Dr Zhao と Dr Famaey は、10ヶ国から来たダークマターと重力の専門家の前で新しい公式のデモンストレーションをする。

Dr Famaey によると、修正重力理論もダークマター理論も現在の理論であるので、どちらも、銀河の運動の問題も宇宙の問題も全てを解決するわけではないかもしれない。真実はほぼこの2つの理論の間にあるのかもしれないが、重力について何か基本的なことを見失っているということ、そして、全ての問題を解決するには根本的な新しい理論的アプローチが必要だということは確かなように思われる。いずれにしても、新しい公式は非常に単純で興味を引き、まだ知られていない基本的理論の一部を見ているような誘惑にかられる。

Dr Zhao is a PPARC Advanced Fellow at University of St Andrews, School of Physics and Astronomy, and member of the Scottish Universities Physics Alliance (SUPA). The new law for gravity was developed by Dr Hong Sheng Zhao and his Belgian collaborator Dr Benoit Famaey of the Free University of Brussels (ULB).

Einstein's Theory 'Improved'?

滑らかな表面のテレスト

2006.2.16

Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute
カッシーニは2005年10月に宇宙的に「目と鼻の先」までテレストに近づき、この小さな トロヤの月 常に土星と別な月と二等辺三角形を成す位置にある。トロイ戦争の勇士たちにちなんで名づけられた。もともと木星の軌道上を廻る一群の小惑星につけられた名前(トロヤ群)で、トロヤ群は木星の前と後ろの2群十数個から成り、常に太陽と木星と二等辺三角形を成す位置にある。 の月を撮影した。テレスト(直径24km)は細かい氷物質で覆われているように見えるが、クレーターと露出層(大きな巨礫も含まれるかもしれない)もいくつか見られる。表面が滑らかということは、ほとんどの土星の月にある激しい衝突の記録は残っていないと思われる。

この画像は、2005年10月11日に約1万4500kmの距離から変光緑色フィルターの望遠カメラで撮影された。画像解像度はピクセルあたり86メートルである。

穴を掘って生命を探せ

2006.2.15

Image Credit: NASA
火星着陸1日後の1976年7月21日にバイキング1号着陸機が撮影したクリューセ平原の眺め。
火星で生命を見つける最良の場所は地下の広大な氷の領域の中かもしれない。高速で火星表面に衝突して地下の物質を掘り起こして調査するミッションが検討されている。これはマーズスカウト・プログラムのために設計された「生命及び有機物質探索ミッション」(THOR)で、プロジェクタイルを火星表面に高速で衝突させて衝突の様子とその余波が観測される。このミッションは2011年の打ち上げが計画されており、火星表面下の物質を爆裂させて掘り起こして飛散させる。このミッションの目的はこれまで探索されていない表面下の雪と氷を調査することで、少なくとも深さ10メートルのクレーターが掘られる。このミッションは地下の水を探すだけではなく、地球の望遠鏡と火星探査機で火星大気中に検出されたメタンのような、生命による合成物質も探す。

ミッションでは「インパクター」と観測探査機の2つの探査機が使われる。インパクターは純粋なアリゾナ銅でできたプロジェクタイルで、火星到達直前まで観測探査機によって運ばれる。観測探査機から放出された後のインパクターは、火星大気中を高速で落下して北か南の緯度30〜60度の間の地表に衝突する。火星中緯度の多くの領域には雪か氷がチリで覆われているという証拠があり、この地域が衝突の目標になるのである。

氷が豊富と考えられている層を覆っている物質は、火星の軌道変化のために気候が変化した5万年前から100万年前の間に堆積した。ミッション計画によると、インパクターが地表に衝突すると10メートル以上の深さのクレーターができ、衝突で巻き上がった飛散物の噴煙が観測探査機で調査される。観測探査機に搭載されるのは可視光カメラと赤外線分光計で、噴煙の調査以外に、有機物質とメタンのような有機ガスも分光計で探索される。

このミッションで作られたクレーターは、現在と将来の全ての探査機のテストサイトにもなり、10年後のいつか送り込まれる火星ローバーが地表で調査するサイトにもなるかもしれない。

スペースカレンダー 2006年6月

2006.2.14

スペースカレンダー 2006年6月

オリンピアの調査を終了

オポチュニティ ソル723〜728日ステータス

2006.2.14

Credit: NASA/JPL
ソル724日にナビゲーションカメラで撮影した画像。遠方には砂の海、近くには露出岩石とオポチュニティの太陽電池が写っている。太陽電池に接するように写っている丸い穴の岩石は、ソル691日(2006年1月2日)に研削された「テッド」岩石である。画像下3分の1ほどの中央少し右には「オボァガード」岩石も写っている。
Credit: NASA/JPL
ソル728日にパノラマカメラで撮影した画像。露出している層状岩石が写っている。

オポチュニティは元気で、「ルーズベルト」という非公式名の形状の集中調査をしている最中である。先週のオポチュニティは「オボァガード」を、顕微画像撮影装置、メスバウアー分光計、アルファ粒子X線分光計で調査した。

短期目標は、来週中頃までに「オリンピア」露出層の調査終了で、この領域で最後に調査されるのは「ベレモント」というターゲットである。

ソル723日(2006年2月4日)
オボァガードの顕微モザイク画像撮影を終了。

ソル724日
アームをホバー位置にしてルーズベルトまでの短距離移動を試みるが、サスペンション・リミットのため途中で停止。

ソル725日
ルーズベルトまでの短距離移動に成功。

ソル726日
「ラフライダー」というターゲットのアルファ粒子X線分光計とメスバウアー分光計計測。

ソル727日
「ルーズベルト」の顕微モザイク画像撮影。

ソル728日
「ラフライダー」のメスバウアー分光計計測を続行。パノラマカメラで周囲露出層の高解像度画像を撮影。

ソル728日(2006年2月9日)現在のトータル走行距離は6509メートルである。

ホームプレートに到達

スピリット ソル743〜749日ステータス

2006.2.13

Credit: NASA/JPL
ソル746日にナビゲーションカメラで撮影した画像。ホームプレートについに到達したスピリットはこの日、バーンヒルに接近した。
Credit: NASA/JPL
ソル746日にナビゲーションカメラで撮影した画像。スピリットはついにホームプレートに到達し、多くの堆積岩を発見した。

スピリットは数ヶ月の移動でついに「ホームプレート」という半円形の地形領域に到達した。スピリットがホームプレートの良い眺めを撮影したのは「ハズバンドの丘」頂に登った8月下旬だった。スピリットは頂周辺での科学調査を行った後、848メートルという長距離移動を94火星日間にわたって行い、ホームプレートに到達したのである。現在のスピリットは、ホームプレートの、テーブルの上板のような表面のすぐ下にある「バーンヒル」という岩石ターゲットの調査をアーム機器で行っている。「ホームプレート」は層状の急斜面になっているため、「グセフのバーンズクリフ」と呼ばれ始めている。「バーンズクリフ」は火星の反対側にいるオポチュニティが2004年に探索した「エンデュアランス・クレーター」の斜面と似ている(それよりは小さいが)のである。

ソル743日(2006年2月4日)
ターゲットなし遠隔調査。指示走行で45.7メートル移動。

ソル744日
自動ナビゲーションで17.5メートル移動。姿勢をチェックして周囲地表の走行後撮影を実施。

ソル745日
軽い遠隔調査。翌週の活動のためバッテリーを充電。

ソル746日
9メートル移動して「バーンヒル」ターゲットに接近。接近後のスピリットの傾きは27度になった。

ソル747日
斜めになった車体の傾きはアームを伸ばすと変化するため、傾きをチェックしながら慎重にアームを展開。アーム伸張では傾きが0.3度弱変化すると思われたが、実際の変化は0.048度だった。次に、予定通り顕微画像撮影装置とメスバウアー分光計で科学分析を実施。

ソル748日
メスバウアー分光計計測を続行。パノラマカメラで大きなモザイク画像の撮影を開始。

ソル749日
アーム機器をアルファ粒子X線分光計に交換。パノラマ画像撮影を続行。遠隔調査も実施。

ソル749日(2006年2月11日)現在のトータル走行距離は6589メートルである。

タイタンの赤外線ムービー

2006.2.12

Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona
最近3回のフライバイ(2005年10月28日、2005年12月26日、2006年1月15日)で赤外線可視マッピング分光計を使って撮影した画像から作ったムービー。画像の色はフォールスカラーで、1.6ミクロン(青色)、2.01ミクロン(緑色)、5ミクロン(赤色)の波長のフィルターが使われた。

12月の画像は、10月と1月のフライバイ画像のほぼ反対側の面である。このムービーには重要な形状がいくつか写っている。第1は地表に明暗の主に2つのタイプがるということである。暗い地域は赤道付近に集中しているように見える。明色地域には、非常に明るい部分が2つあり、大きな方は「チュイ地域」として知られ、もう一方は「ホテイアルカス」という名である。この2つの地域は、火山性物質が堆積していると考えられ、大気中の水あるいは二酸化炭素が凍っているのかもしれない。12月フライバイのデータで分かるのは、チュイ地域の西側縁に液体が流れたような複雑な模様があり、これは噴出現象があったという考えと一致する。南極の赤っぽい形状は雲で、これは10月と1月の画像ではほとんど見えないが12月の画像には非常に明るくなっている。このことが示唆しているのは、タイタン南極上空の大気が非常に動的だということである。

表面が空白になっている部分は未観測領域で、今後のフライバイで観測される。

冥王星を探査するニューホライズンズ

2006.2.11

Image Credit: NASA/JPL
2006年1月にニューホライズンズ冥王星探査機が打ち上げられた。太陽系に9つある惑星のうち8つの惑星はこれまで探査機が訪れて素晴らしい画像を撮影したが、まだ探査機で観測されていない惑星が1つだけある。それは冥王星で、今回打ち上げられたニューホライズンズが9年後に訪れて観測することになっている。冥王星はカイパーベルトの天体だが、この天体の特質に関しては科学的な疑問がいくつかある。

冥王星までの道筋は?
9番目の惑星に到達するのに9年間かかるのだが、ニューホライズンズは冥王星への途上、最初に木星に達して木星の重力アシストで加速する。木星に最も接近するのは2007年2月28日だが、その後は、冥王星まで8年という長い旅路が始まり、2015年初頭から冥王星に接近し始める。

冥王星を周回する?
ニューホライズンズは冥王星を周回しないが、冥王星系の観測期間は接近中、約150日間ある。搭載の観測機器は7つあって集中的な観測が行われ、つまり探査機は冥王星の写真を数枚撮影するだけというわけではないのである。

冥王星の月も観測?
冥王星系通過には非常に特定のターゲットがある。つまり、冥王星の大気を調査するために探査機から見た太陽を冥王星から昇らせ、そして沈ませる。さらにこれと似た目的のために冥王星とその月のカロンから地球を昇らせて沈ませるのである。冥王星系通過はこの目的達成のために行われるため、3つの月までの距離はこのコースによって決まる。しかし探査機には非常に良い望遠カメラが搭載されており、冥王星自体、知られている3つの月、そして今から2015年までに発見されるかもしれない月も撮影される。

このミッションから得られる科学的成果は?
それはたくさんある。第一に、このミッションが新しいタイプの天体(いわゆる「氷の矮小惑星」)の初の探査だということで、探査目的は非常に広範囲にわたる。主要な目的は3つあり、それは、冥王星と冥王星系の全ての天体のマッピング、表面のスペクトル計測による冥王星表面の元素組成マッピング、そして冥王星大気の構造と組成の調査である。これ以外に約1ダースもの調査も行われるが、このミッションは、1度訪れたターゲットに何回か戻って再観測するカッシーニ土星探査機やマーズ・レコネッサンス軌道船のようなミッションとは異なり、観測は1回きりなため、観測目的は収集したいデータと得たい答えに密接な関連性がなければならない。このような新しいタイプの天体の観測では、これまでの惑星探査の歴史が常にそうであったように、驚くべき発見があることが期待されている。

驚くべき発見とはどのようなことが予想されるか?
冥王星の大気構造とその組成については大きな興味が持たれており、地上望遠鏡の観測では確かな答えは出ていない。仮説によると、大気が急速に逃げているため、冥王星表面物質は宇宙空間に逃げていて新しくなっている。冥王星に内部活動がある証拠がいくつか得られるかもしれず、このミッションではそれが探索される。内部活動の証拠は、例えば、間欠泉や火山、最近の地殻変動地形、あるいは液体の流れの形になっているのかもしれない。同じように冥王星の最も大きな月のカロンでは、太古の地表が探索され、さらに太古のカイパーベルトの歴史を教えてくれるクレーターの数も調査される。地球からの観測では、ノイズに対するシグナルが小さいという悪条件の下で検出された水和アンモニウムの存在が正しいのかどうかが調査される。この小さな世界には多くの発見があるはずである。

冥王星は予想より冷たく、カロンは暖かいと最近言われているが、このことの確認は行われるのか?
これは新聞に発表されたが正しい情報ではない。この観測結果は1990年代に『サイエンス』誌と『アストロフィジカル・ジャーナル』誌に発表されたもので、12年前に得られた結果である。情報内容は正しく、冥王星はカロンより冷たいというのは事実だ。しかし、冥王星は1990年代早期から予想されていたほど冷たくはない。冥王星の正確な温度はニューホライズンズの観測で分かる。

カロンは、我々の月にように、冥王星に突っ込んできた天体が月になったものなのか?
その通りだが、それは表面温度とは関係ない。

冥王星を通過した後はどこに行くのか?
このミッションの第2の目的、そして多くの科学者にとってこれは第1の目的になるのだが、カイパーベルト天体を見ることである。カイパーベルト天体は、冥王星とカロンを作った天体である。計画は、海王星領域の外側にあるカイパーベルト天体の1つか2つ、あるいはそれより多くを調査することである。調査されるのは、カイパーベルト天体の組成、天体の歴史、大気があるのかどうか、そして周囲に小さな衛星があるのかどうか、さらに表面のクレーターの数を数えて冥王星と比較し、冥王星がカイパーベルト天体と似ているのか異なっているのかも調査される。

冥王星探査機がNASAに到着

風車銀河

2006.2.10

Image Credit: NASA, ESA, The Hubble Heritage Team, (STScI/AURA)
and A. Riess (STScI)
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した風車銀河「NGC 1309」の最新画像。正面をこちらに向けたこの渦巻銀河で興味深い形状は、渦巻腕内にある星形成の明色青色領域、赤いチリの筋、中心の黄色っぽい古い星の集団である。NGC 1309 は、宇宙の膨張率を確定する助けになったIa型超新星「SN 2002fk」が出現した銀河でもある。

子供が遊ぶ風車のように見えるこの壮観な渦巻銀河は、可視光と赤外線光の画像を合成したものである。渦巻腕には星形成の明るい青色領域がちりばめられ、渦巻き構造の根本には赤っぽいチリの筋形状があり、その先は年老いた星が密集している中央の核へと続いている。銀河の背後には数多くの遠方銀河も写っている。

この銀河の画像は美しいだけではなく、宇宙の膨張率を正確に計測する助けにもなっている。この銀河には超新星「SN 2002fk」もあり、その超新星爆発の光は2002年9月に地球に届いた。この超新星はIa型で、爆発は白色矮星が伴星から引き込んでいる降着物質が原因である。白色矮星が充分に物質を吸収すると自分自身を維持できなくなって爆発し、数週間の間、銀河中で最も明るい天体になるのである。

NGC 1309 中の SN 2002fk のような近隣の Ia型超新星は、宇宙の距離測定のキャリブレーションとして使われる。近隣の Ia型超新星を遠方のものと比較することで、宇宙が膨張していることだけではなく、膨張が加速していることも確定できるのである。しかし、この方法が使えるのはホスト銀河までの距離が非常に詳しく分かっているときだけである。

銀河までの正確な距離測定はハッブル望遠鏡の独壇場である。NGC 1309 は比較的我々に近いため、ハッブルのアドバンスト・サーベイ・カメラの高解像度画像でケフェウス型変光星という変光星の光を観測すると銀河までの距離を正確に計測できる。ケフェウス型変光星は我々の銀河内で詳細に調査されており、変光周期が分かると明るさが特定できるという特徴がある。つまり、変光周期と見かけの明度を比較することで、この星までの距離が分かるのである。このようにして NGC 1309 内のケフェウス型変光星を使ってこの銀河までの距離が正確に計測でき、従って、この銀河内にある超新星「SN 2002fk」までの距離も分かったのである。宇宙が膨張しているということは、ハッブル望遠鏡の名前にもなったエドウィン・ハッブルによって半世紀近く前に発見されたのだが、宇宙膨張が加速しているということは最近になって発見されたことである。

このハッブル画像は2005年8月に撮影された。NGC 1309 は地球から1億光年の距離にあり、エリダヌス座銀河グループを作っている約200の銀河の1つである。