4分の3世紀にわたって天体物理学者を悩ませてきたダークマターの謎が解けるかもしれない「単純な」理論が作られ、これによってアインシュタインの重力理論が微調整できるかもしれない。この理論は、アインシュタインの理論が実際に正しいのかどうか、そしてダークマターという天文学の謎が実際に存在するのかどうかを証明することを目標にしている。このリサーチは、アメリカの『アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ』誌10月10日号に掲載された。この公式が示唆しているのは、重力が距離と共に弱くなる率はアインシュタイン理論よりも緩やかだということで、太陽系から銀河まで、そして宇宙全体まで、重力の弱くなり方はアインシュタイン理論とは微妙に異なるということである。 重力理論は1687年にアイザック・ニュートンが初めて展開し、1905年のアルバート・アインシュタインの相対性理論で詳細にされ、光が曲がって進むことが分かった。重力はその存在が最初に分かった力ではあるが、観測でまだ確認されていない謎を非常にたくさん含んでいる。 ニュートンとアインシュタインの法則の「問題」は、それが地球上で非常にうまくいくのだが、銀河中の星の動きと光の湾曲を正確に説明できないということである。銀河中の星は重力によって引きつけられながら中心点周囲を高速で周回しているが、重力で引きつけられているにしては運動速度が速すぎるということが分かった。つまり、銀河が星を内部に引きつけておくには星の周回速度に対して銀河中心方向に引く力が弱すぎ、銀河の星は宇宙空間のあらゆる方向にまき散らされてしまうはずだということである。 この問題の解決方法は1933年に Fritz Zwicky が提出し、銀河には見えない物質があり、そのおかげで銀河が星を引き留めておくだけの重力を保持できているというのである。この物質は光を放射しないため「ダークマター」(暗黒物質)と呼ばれ、宇宙の物質の90パーセントがこれでできていると考えられている。しかし、ダークマター理論は全ての学者に受け入れられているわけではなく、1983年に Moti Milgrom によって他の解決方法が提出され、それは2004年に Jacob Bekenstein によって裏打ちされた。Milgrom が考えたのは、見えない物質の存在ではなく、重力の理解が正しくないということで、ダークマターではない普通の物質の重力が実は大きいために星が高速で周回できるということである。 Milgrom の理論はそれ以来多くの天文学者によって研究されてきたが、これまでのバージョンが直面していた問題の多くを解決する、この理論の新しい公式が Dr Zhao と Dr Famaey によって提出されたのである。 この公式では、重力は様々な距離スケールで連続的に変化し、そして最も重要なことは、これが銀河の観測データと一致するということである。銀河データを理論と一致させるということはライバルのダークマター理論でも、針の先に乗せたボールのバランスをとるぐらい困難なことで、2人が別な重力の考えを探したのはこのためである。 伝説によると、ニュートンが重力の存在に気づいたのはリンゴが頭の上に落ちてきたときだとされているが、Dr Zhao によると、重力でリンゴがどのように落ちるのかはニュートン理論では明確ではなく、彼のリンゴは天の川銀河から外に飛び出してしまうのである。リンゴを重力で軌道に留めておく努力は何年もの間なされ、2つの考え方が生まれた。それは「ダークマター理論」対「非ニュートン重力理論」である。ダークマター理論の粒子は、美しい対称性を持った物理学で「自然に」現れて見事な宇宙論になっており、ダークマターはどこにでもあるという。さらに、「ダークマター」は「ダーク・エネルギー」と対になっているのである。これら全ての謎がただ1つの答えで解決するのなら、それはさらに美しい理論となることだろう。 Zhao らの理論は Milgrom と Bekenstein の理論を洗練したもので、これまでのところ銀河データと一致している。さらにこの理論の太陽系と宇宙に関する予言が確認されれば、ダークマターの謎を解決できるかもしれない。アインシュタインの重力理論は正しいのか、いわゆるダークマターは本当に存在するのか、我々はこのような常に問われる疑問に答えることができるかもしれない。 非ニュートン重力理論は現在、スムーズな連続関数によって全てのスケールで完全に記述されており、反証の準備は整っている。ダークマター粒子の探索を続ける一方で、Zhao らの公式で予言されている新たな分野に目を向けるときは来ている。 新しい公式は、2005年4月にエジンバラ王立天文台で行われる国際ワークショップで発表され、この洗練された理論のテストと討論の機会が与えられる。Dr Zhao と Dr Famaey は、10ヶ国から来たダークマターと重力の専門家の前で新しい公式のデモンストレーションをする。 Dr Famaey によると、修正重力理論もダークマター理論も現在の理論であるので、どちらも、銀河の運動の問題も宇宙の問題も全てを解決するわけではないかもしれない。真実はほぼこの2つの理論の間にあるのかもしれないが、重力について何か基本的なことを見失っているということ、そして、全ての問題を解決するには根本的な新しい理論的アプローチが必要だということは確かなように思われる。いずれにしても、新しい公式は非常に単純で興味を引き、まだ知られていない基本的理論の一部を見ているような誘惑にかられる。
Dr Zhao is a PPARC Advanced Fellow at University of St Andrews, School of Physics and Astronomy, and member of the Scottish Universities Physics Alliance (SUPA). The new law for gravity was developed by Dr Hong Sheng Zhao and his Belgian collaborator Dr Benoit Famaey of the Free University of Brussels (ULB).
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ミッションでは「インパクター」と観測探査機の2つの探査機が使われる。インパクターは純粋なアリゾナ銅でできたプロジェクタイルで、火星到達直前まで観測探査機によって運ばれる。観測探査機から放出された後のインパクターは、火星大気中を高速で落下して北か南の緯度30〜60度の間の地表に衝突する。火星中緯度の多くの領域には雪か氷がチリで覆われているという証拠があり、この地域が衝突の目標になるのである。 氷が豊富と考えられている層を覆っている物質は、火星の軌道変化のために気候が変化した5万年前から100万年前の間に堆積した。ミッション計画によると、インパクターが地表に衝突すると10メートル以上の深さのクレーターができ、衝突で巻き上がった飛散物の噴煙が観測探査機で調査される。観測探査機に搭載されるのは可視光カメラと赤外線分光計で、噴煙の調査以外に、有機物質とメタンのような有機ガスも分光計で探索される。 このミッションで作られたクレーターは、現在と将来の全ての探査機のテストサイトにもなり、10年後のいつか送り込まれる火星ローバーが地表で調査するサイトにもなるかもしれない。 |
2006.2.14
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オポチュニティは元気で、「ルーズベルト」という非公式名の形状の集中調査をしている最中である。先週のオポチュニティは「オボァガード」を、顕微画像撮影装置、メスバウアー分光計、アルファ粒子X線分光計で調査した。
短期目標は、来週中頃までに「オリンピア」露出層の調査終了で、この領域で最後に調査されるのは「ベレモント」というターゲットである。
ソル723日(2006年2月4日)
オボァガードの顕微モザイク画像撮影を終了。
ソル724日
アームをホバー位置にしてルーズベルトまでの短距離移動を試みるが、サスペンション・リミットのため途中で停止。
ソル725日
ルーズベルトまでの短距離移動に成功。
ソル726日
「ラフライダー」というターゲットのアルファ粒子X線分光計とメスバウアー分光計計測。
ソル727日
「ルーズベルト」の顕微モザイク画像撮影。
ソル728日
「ラフライダー」のメスバウアー分光計計測を続行。パノラマカメラで周囲露出層の高解像度画像を撮影。
ソル728日(2006年2月9日)現在のトータル走行距離は6509メートルである。
2006.2.13
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スピリットは数ヶ月の移動でついに「ホームプレート」という半円形の地形領域に到達した。スピリットがホームプレートの良い眺めを撮影したのは「ハズバンドの丘」頂に登った8月下旬だった。スピリットは頂周辺での科学調査を行った後、848メートルという長距離移動を94火星日間にわたって行い、ホームプレートに到達したのである。現在のスピリットは、ホームプレートの、テーブルの上板のような表面のすぐ下にある「バーンヒル」という岩石ターゲットの調査をアーム機器で行っている。「ホームプレート」は層状の急斜面になっているため、「グセフのバーンズクリフ」と呼ばれ始めている。「バーンズクリフ」は火星の反対側にいるオポチュニティが2004年に探索した「エンデュアランス・クレーター」の斜面と似ている(それよりは小さいが)のである。
ソル743日(2006年2月4日)
ターゲットなし遠隔調査。指示走行で45.7メートル移動。
ソル744日
自動ナビゲーションで17.5メートル移動。姿勢をチェックして周囲地表の走行後撮影を実施。
ソル745日
軽い遠隔調査。翌週の活動のためバッテリーを充電。
ソル746日
9メートル移動して「バーンヒル」ターゲットに接近。接近後のスピリットの傾きは27度になった。
ソル747日
斜めになった車体の傾きはアームを伸ばすと変化するため、傾きをチェックしながら慎重にアームを展開。アーム伸張では傾きが0.3度弱変化すると思われたが、実際の変化は0.048度だった。次に、予定通り顕微画像撮影装置とメスバウアー分光計で科学分析を実施。
ソル748日
メスバウアー分光計計測を続行。パノラマカメラで大きなモザイク画像の撮影を開始。
ソル749日
アーム機器をアルファ粒子X線分光計に交換。パノラマ画像撮影を続行。遠隔調査も実施。
ソル749日(2006年2月11日)現在のトータル走行距離は6589メートルである。
12月の画像は、10月と1月のフライバイ画像のほぼ反対側の面である。このムービーには重要な形状がいくつか写っている。第1は地表に明暗の主に2つのタイプがるということである。暗い地域は赤道付近に集中しているように見える。明色地域には、非常に明るい部分が2つあり、大きな方は「チュイ地域」として知られ、もう一方は「ホテイアルカス」という名である。この2つの地域は、火山性物質が堆積していると考えられ、大気中の水あるいは二酸化炭素が凍っているのかもしれない。12月フライバイのデータで分かるのは、チュイ地域の西側縁に液体が流れたような複雑な模様があり、これは噴出現象があったという考えと一致する。南極の赤っぽい形状は雲で、これは10月と1月の画像ではほとんど見えないが12月の画像には非常に明るくなっている。このことが示唆しているのは、タイタン南極上空の大気が非常に動的だということである。 表面が空白になっている部分は未観測領域で、今後のフライバイで観測される。 |
冥王星までの道筋は?
冥王星を周回する?
冥王星の月も観測?
このミッションから得られる科学的成果は?
驚くべき発見とはどのようなことが予想されるか?
冥王星は予想より冷たく、カロンは暖かいと最近言われているが、このことの確認は行われるのか?
カロンは、我々の月にように、冥王星に突っ込んできた天体が月になったものなのか?
冥王星を通過した後はどこに行くのか?
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子供が遊ぶ風車のように見えるこの壮観な渦巻銀河は、可視光と赤外線光の画像を合成したものである。渦巻腕には星形成の明るい青色領域がちりばめられ、渦巻き構造の根本には赤っぽいチリの筋形状があり、その先は年老いた星が密集している中央の核へと続いている。銀河の背後には数多くの遠方銀河も写っている。 この銀河の画像は美しいだけではなく、宇宙の膨張率を正確に計測する助けにもなっている。この銀河には超新星「SN 2002fk」もあり、その超新星爆発の光は2002年9月に地球に届いた。この超新星はIa型で、爆発は白色矮星が伴星から引き込んでいる降着物質が原因である。白色矮星が充分に物質を吸収すると自分自身を維持できなくなって爆発し、数週間の間、銀河中で最も明るい天体になるのである。 NGC 1309 中の SN 2002fk のような近隣の Ia型超新星は、宇宙の距離測定のキャリブレーションとして使われる。近隣の Ia型超新星を遠方のものと比較することで、宇宙が膨張していることだけではなく、膨張が加速していることも確定できるのである。しかし、この方法が使えるのはホスト銀河までの距離が非常に詳しく分かっているときだけである。 銀河までの正確な距離測定はハッブル望遠鏡の独壇場である。NGC 1309 は比較的我々に近いため、ハッブルのアドバンスト・サーベイ・カメラの高解像度画像でケフェウス型変光星という変光星の光を観測すると銀河までの距離を正確に計測できる。ケフェウス型変光星は我々の銀河内で詳細に調査されており、変光周期が分かると明るさが特定できるという特徴がある。つまり、変光周期と見かけの明度を比較することで、この星までの距離が分かるのである。このようにして NGC 1309 内のケフェウス型変光星を使ってこの銀河までの距離が正確に計測でき、従って、この銀河内にある超新星「SN 2002fk」までの距離も分かったのである。宇宙が膨張しているということは、ハッブル望遠鏡の名前にもなったエドウィン・ハッブルによって半世紀近く前に発見されたのだが、宇宙膨張が加速しているということは最近になって発見されたことである。 このハッブル画像は2005年8月に撮影された。NGC 1309 は地球から1億光年の距離にあり、エリダヌス座銀河グループを作っている約200の銀河の1つである。 |