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アンドロメダ銀河の起源

2006.3.8

Image Credit: NASA/JPL/California Institute of Technology
アンドロメダ銀河は我々の天の川銀河とは起源が異なると長い間考えられてきたが、2つの銀河は結局それほど異なっていないらしい。国際チームのサーベイによると、アンドロメダのハローの中の金属は比較的少ないことが分かった。これは天の川銀河と似ており、もし2つの銀河のハロー中の金属の量が同じなら、それが意味するのは、アンドロメダ銀河と天の川銀河が似た進化の筋道をたどってきたと考えられるということである。つまり、2つの銀河はどちらもビッグバンの5億年後に始まり、原始銀河セグメントの衝突で成長してきたということである。

画像:  ギャラクシー・エボリューション・エクスプローラーが紫外線で撮影したアンドロメダ銀河(M31)。この画像は2003年9月に撮影した10枚の画像のモザイクである。画像の色は赤色が近紫外線、青色が遠紫外線で、渦巻腕の青色の領域は星形成が行われている若くて熱い大質量星がある部分、中央の白みがかったオレンジ色の「バルジ」部分はずっと以前に形成された年老いて温度の低い星の領域である。

ペイソン露出層へ

オポチュニティ ソル744〜750日ステータス

2006.3.7

Credit: NASA/JPL
ソル745日にナビゲーションカメラで撮影した画像。この日のオポチュニティは10.18メートル移動後、ナビゲーションカメラとパノラマカメラで画像撮影を行った。画像中央上に写っている岩石の連なりはエレボスクレーター縁にある「ペイソン露出層」である。
Credit: NASA/JPL
ソル749日にパノラマカメラで撮影した画像。この画像には薄い層の岩石を含んでいる「ペイソン露出層」が写っている。

今週のオポチュニティは「ペイソン」露出層に沿った移動をしている。現在は限られた活動の日で、ほとんどの計画は短距離(約10メートル)走行を毎日行い、その後、新たな位置で遠隔調査を行っている。移動が終わる毎に送られるロボットアーム格納コマンドは続けられており、ソル745日と747日には格納に成功した。この方法は、アームを安全に設計位置に格納して走行し、温度が大きく低下する夜間に伸張するというものである。

ソル744日(2006年2月26日)
ペイソンのターゲット遠隔調査。まずパノラマカメラで「デュードレンジャー」というターゲットの画像を撮影。その後、2つのターゲット「ミステリアスライダー」と「レインボートレイル」のミニ熱放射分光計計測を完了。

ソル745日
ミニ熱放射分光計とパノラマカメラによる大気調査でこの日を開始。マグネットのパノラマカメラ画像も撮影。データ送信後、アームを格納して10.18メートル移動。移動後、アームを格納し、ナビゲーションカメラとパノラマカメラで画像撮影。次に深い眠りのモードを実施。

ソル746日
ターゲットなし遠隔調査として、ペイソンのパノラマカメラ画像撮影、空と地表のミニ熱放射分光計計測、これ以外の領域のパノラマカメラ画像撮影。

ソル747日
0.75メートルの後ろ向きブラインド走行後、岩石を避けるため進行方向を10度変更。岩石の脇を通った後は、5.6メートル進んだところでスリップチェックをし、直線で11.5メートルを移動。アームは走行前に格納し、走行後は伸張。こうしてペイソン露出層から約5メートルの位置に到達。

ソル748日
13枚のフィルターを使って「ペイソン」「ウィルダネストラック」「マヴェリククイーン」のパノラマカメラ画像を撮影。さらにミニ熱放射分光計でもこれらのターゲットを計測し、マーズ・オデッセイを介してデータを送信。

ソル749日
計画はペイソンの2日連続ターゲット遠隔調査の初日。オポチュニティはまだこの露出層から約5メートルの所にいて、「コードオブザウエスト」「ディアストーカー」「ツインソンブレロ」「サンダーマウンテン」「フュージティブトレイル」の各ターゲットのパノラマカメラを撮影。マーズ・オデッセイ通過後も目覚めたままで、これら午後のパノラマカメラ撮影ターゲットのミニ熱放射分光計計測を行い、それから深い眠りのモードを実施。

ソル750日(2006年3月4日)
早朝、パノラマカメラでペイソンのターゲット遠隔調査をさらに実施。その後、高利得アンテナを使ってデータ送信。朝のオデッセイ通過時に大きなサイズのデータを送信するため、深い眠りのモードは実施しない予定。

ソル749日(2006年3月3日)現在のトータル走行距離は6616.97メートルである。

地質調査と冬の準備

スピリット ソル763〜770日ステータス

2006.3.6

Credit: NASA/JPL
ソル768日にナビゲーションカメラで撮影した画像。スピリットはこの日、ホームプレートの白色露出層の頂に登った。写っているのは高台になったホームプレートとその縁の部分である。
Credit: NASA/JPL
ソル767日にパノラマカメラで撮影した画像。スピリットはこの翌日、ホームプレートの白色の露出層の頂に登った。

スピリットは4ソル日間にわたってホームプレートを時計回りで移動して南東方向に進むことに成功し、現在は3日間にわたって「ファジースミス」という岩石ターゲットを、顕微画像撮影装置、メスバウアー分光計、アルファ粒子X線分光計で調査している。

今週はマーズ・レコネッサンス軌道船が火星に到着するため、スピリットの通信はUHF波長だけのモードで行われる。

Credit: NASA/JPL
ソル769日にナビゲーションカメラでホームプレートの縁を撮影した画像。画像左下部分がホームプレート。スピリットは冬に備えて、太陽光が良く当たる北側斜面に移動するため、ホームプレート縁の外側を時計回りに進んだが、そのとき地表にについた車輪跡が写っている。
ソル763日(2006年2月25日)
「クロフォード」という岩石ターゲットの科学調査を完了。

ソル764日
22.7メートル移動後、パノラマカメラとナビゲーションカメラで走行後撮影を実施。

ソル765日
フォボスの太陽面通過をパノラマカメラで撮影。翌日の移動のためのバッテリー充電。

ソル766日
37メートル移動後、走行後撮影、大気観測。

ソル767日
29メートル移動後、走行後撮影、大気観測。

ソル768日
14.26メートル移動して「ホームプレート」縁の白色の露出層の頂に登る。

ソル769日
計画は3日間にわたる「ファジースミス」という岩石ターゲットの、顕微画像撮影装置、アルファ粒子X線分光計、メスバウアー分光計による調査開始。

ソル770日(2006年3月3日)
計画は「ファジースミス」の調査の続行。

ソル770日(2006年3月3日)現在のトータル走行距離は6693メートルである。

M101の最大の画像

2006.3.5

JPG 58.7M
JPG 9.48M
JPG 997K
Image Credit: NASA and ESA
これまでで最大で最も詳細なM101銀河(風車銀河)の画像。これはハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、51枚のハッブル画像をコンピュータでつないで作られた。M101は完全に正面をこちらに向けているため、最も有名な銀河の1つである。その壮観な渦巻腕には、チリ、星、星形成星雲の大きな領域がある。

「スイフト」がフル稼働
紫外線のM101
GALEX
M101の3色画像

タイタンのメタンの源

2006.3.4

Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute
大気中にメタンが豊富なタイタンは、太陽系でユニークな存在である。しかし、このメタンはいったいどこから来るのだろう?欧州宇宙機関のホイヘンス・プローブからのデータの分析によると、メタンは表面下の凍ったメタンの層から補充されていると考えられる。このメタンの地殻は、アンモニアが混じった水の海の上に浮かんでいる。現在進行中のこのメタンガス放出は数億年前にピークに達し、現在はゆっくりとした放出になっており、安定的に減少していると考えられる。

画像:  タイタン大気上層部を撮影した自然色カラー画像。大気高層部は太陽からの紫外線光によってメタン分子が壊され、副産物としてエタンやアセチレンのような化合物が作られている活動的な領域である。大気下層部には複雑な有機分子のスモッグがあり、それがタイタン全体を包み込んでいる。この厚いオレンジ色のもやは可視光を吸収するため、太陽光はその10パーセントしか表面に達しない。

月への道

2006.3.3

Image Credit: Artist's concept by John Frassanito and Associates.
月の軌道にあるNASAの新型有人探査船。
今後10年と少しで、NASAの宇宙飛行士が月面を再び探検する。アポロの時代とはちがって、今回は月面に建造物を作って長期間滞在し、最終的には火星とその先まで旅する道を開く。過去の栄光の場面が頭をよぎるが、今回のものはおじいさんの時代にあった単発的な月訪問とはちがう。

月への旅は、間もなく行われる新型の宇宙船開発で始まる。アポロとシャトルで培われた技術を基に、NASAは安全で信頼でき、費用も手が届く範囲の21世紀の探検システムを作ろうとしている。

このシステムは、4人の宇宙飛行士を乗せて地球と月の間を往復する新型宇宙船で、将来の火星ミッションでは6人のクルーまで搭乗可能にし、国際宇宙ステーションにもクルーと物資を届けることができる。

新型宇宙船はアポロカプセルのような形になるが、大きさは3倍あり、4人の飛行士を月まで送り届けることができる。

この宇宙船には太陽電池が搭載されて電力を供給し、そしてカプセルと月着陸船はどちらもエンジンに液体メタンを使う。なぜメタンなのか?それは将来のことを見据えているからで、NASAは火星大気をメタン燃料に転化することができたときのことを考えているのである。

新型宇宙船は10回まで再使用が可能で、陸地にパラシュート降下した後(バックアップオプションとして水中に降下するという方法もある)、回収して断熱シールドを交換し、再び打ち上げることができる。

新型月着陸船と合体する宇宙船が乗せることができる乗員の数は、アポロの2倍の4人で、初期ミッションではこれもアポロより長い4〜7日間の月滞在ができる。さらに、アポロは月の赤道領域にしか着陸できなかったが、新宇宙船は月面のどこにでも着陸できる燃料を搭載している。

月に基地ができれば、クルーは6ヶ月まで月表面に留まる。宇宙船は無人で月軌道を周回でき、これもアポロとちがって、他のクルーが月面探査をしている間に軌道船に1人だけ飛行士が残っていなければならないということはなくなる。

Image Credit: NASA
NASAの大重量ロケットとクルー打ち上げ船。
アポロとシャトルとの大きさの比較の図へ
信頼性が高く安全
クルーを打ち上げるシステムは、強力で信頼性の高いシャトル推進エレメントを基に作られ、1つのシャトル固体燃料ブースターとシャトルのメインエンジンを使った第2段目で構成される。

大重量打ち上げシステムはクルー打ち上げシステムより長い固体ロケットブースターを2つとシャトルのメインエンジンを5つ使って125トンの重量(シャトルの約1.5倍の重さ)まで軌道上に打ち上げることができる。多用途システムは、カーゴ搬送と、月と火星へ行くために必要なコンポーネントを軌道上に打ち上げるために使われる。さらにこの大重量ロケットは、改良すればクルー打ち上げにも使用できる。

最も重要なことは、この打ち上げシステムの安全性がシャトルの10倍あるということである。つまり、打ち上げで問題が発生したときに、クルーを素早く脱出させるための脱出ロケットがカプセルの先端に取り付けられているのである。さらに、カプセルの位置がロケットの先端のため、前回の悲惨なシャトル事故のように、打ち上げ時にはがれた破片が衝突して宇宙船がダメージを受けることがほとんどなくなった。

飛行計画
今から5年後には新宇宙船はクルーを乗せて飛び、国際宇宙ステーションに物資を供給し始める。計画では、ステーションへの飛行は年間6回にもなる。一方、ロボットミッションにより月探検の基礎が築かれ、2018年には人間が月に降り立つ。以下は月有人ミッションの手順である。

左側画像
大重量ロケットが打ち上げられ、地球軌道離脱に必要な「出発ステージ」と「月着陸船」を軌道上に届ける。
中央画像
物資とは別にクルーが打ち上げられる。
右側画像
次に、クルーの乗ったカプセルが着陸船と出発ステージにドッキングし、月への旅を開始する。

左側画像
3日後、宇宙船は月軌道に入る。
中央画像
4人の宇宙飛行士は月着陸船に移り、月着陸船がカプセルから離れるのを待つ。クルーは月に着陸して7日間にわたって表面を探査した後、着陸船の帰還部分に乗り込みカプセルに向けて打ち上げられる。
右側画像
着陸船はカプセルとドッキングして地球に軌道に戻る。軌道離脱燃焼をした後、サービス・モジュールは廃棄され、断熱シールドが初めて露出する。パラシュートが開き、断熱シールドは廃棄され、カプセルは地上に落下する。

詳細な図はここをクリック

Image Credit: Artist's concept by John Frassanito and Associates.
月着陸船は4人の飛行士を月に届けることができる。
月ミッションは年間少なくとも2回行われ、永久基地建設へ向けての勢いはつく。クルーが月面に長く滞在するようになると月資源が利用されるようになり、さらに着陸船によってカーゴが運ばれてくる。こうして最終的に月滞在クルーは6ヶ月ごとのローテーションを組むことになる。

月の南極は水素が水の氷の形で集中的に存在しており、電力を供給するための太陽光が常に当たっているという理由で、基地建設候補地としてすでに目がつけられている。

このような月探検計画は、NASAが火星に到達する大きな一歩となる。月のミッションをすることで、火星に到達するための大重量打ち上げシステムと、多用途のクルーカプセル、それに火星の資源を利用することができる推進システムがすでに完成しているということになるのである。月の基地は地球からわずか3日の距離で、火星への長い旅をする前に必要な「地球から離れて生きること」の練習がここでできるのである。

ブッシュ大統領が「宇宙探査の展望」を発表したときに「人類は宇宙に向かう」と語ったが、現在の我々はどうしたら宇宙に行けるのかを知っている。

月に戻る道
月の散策は高額

安全第一

2006.3.2.

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/NMMNH

「ホームプレート」の北西縁に接近しているスピリットのナビゲーションカメラでソル746、748、750日(2006年2月7、9、11日)に撮影した画像のモザイク。ホームプレートは、明色の層状露出物質でできた直径約80メートルの円形の高台のような領域である。

ホームプレートの向こう側部分には過去の時代に水の環境があったことの証拠となるかもしれない岩石層があり、これはこのミッションの画期的な出来事になるのだが、火星の冬が近づいているため、調査のために遠方に行くよりも、今のところは安全策をとることになった。反対側部分には岩石層が露出しているかもしれないが、スピリットの太陽電池に届く太陽光が冬の季節の接近と共に減少しているため、ホームプレートの太陽に面していない南西斜面に向かう反時計回りの方向には移動しないことにした。そこにある斜面は現在位置からは見えず、長時間の討議の結果、状況が分からない領域深くにスピリットを向かわせるリスクをとらずに、時計方向に移動させて太陽光が良く当たる北向きの斜面にいさせることにしたのである。

スピリットが撮影したたくさんの画像の調査に加え、マーズ・グローバル・サーベイヤーの火星軌道カメラで撮影した画像から作られた3次元モデルの調査も行われている。このモデルにはホームプレート南側にある谷が写っているが、この谷の斜面へ到達するのにどれぐらい時間がかかるかは未知で、太陽電池からの電力が充分得られない状態になるかもしれない。さらに、スピリットが撮影した画像によると、現在のスピリットの近くには、ホームプレート西側の、テーラス(崖下にくずれ落ちた岩屑の堆積)に覆われた斜面部分があり、遠方の露出岩石層は後回しでもいいということになったのである。

ホームプレートは、スピリット着陸後にマーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影した画像中に見られた顕著な地形で、ミッション初期段階からスピリットの行き先として期待されていた領域である。スピリットはグセフクレーター平原を横切り、西山脚とハズバンドの丘の斜面を登って下りる旅を4マイル(6.4km)続け、このホームプレートに到達した。スピリットは、ロボットアーム先端の調査機器を使ってこの露出層の起源を調査している。

火星軌道船はまもなく火星軌道へ

2006.3.1

Image Credit: NASA/JPL
火星に接近するマーズ・レコネッサンス軌道船の概念図
間もなく火星に到達するNASAのマーズ・レコネッサンス軌道船は、軌道投入の作業を開始する。探査機は3月10日にスラスター・エンジンを進行方向に向けて点火して減速し、火星の重力に捕らえられて火星軌道に入る。ミッション成功の鍵を握るこのエンジン燃焼が始まったという知らせが探査機から地球に届くのは日本時間3月11日午前6時24分の予定だが、燃焼終了は地球から見て探査機が火星の背後に隠れていて通信ができない30分の間である。

このミッションは火星の科学的理解を大きく深め、今後10年以内に行われるロボット・ミッションへの道を開き、さらには人間を火星へ送る準備にもなる。ミッションは、「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」の着陸サイトを決定するだけではなく、人間の着陸サイトもくまなく探す。

探査機には、地表面下から大気高層部まで、あらゆるレベルを調査するための6つの科学機器が搭載されている。カメラは、地球外惑星に持ち込まれたこれまでで最も強力な望遠カメラで、火星面にある小さな机ほどのサイズの岩石を撮影することができる。「アドバンスト鉱物マッパー」は野球の内野ほども小さな領域にある水に関連した堆積物を特定することができる。レーダーは地下の氷と水を探し、気象カメラは火星全体の天候を毎日監視する。「赤外線測定器」は大気温度と水蒸気の動きを観測する。

この探査機のディッシュアンテナは直径約3メートル、トランスミッターは9.5平方メートルの太陽電池が電源で、通信速度はこれまでの火星ミッションの約10倍である。探査機から送り返されてくるデータは、これまでの全火星ミッションを合わせたものより多くなる。

マーズ・レコネッサンス軌道船の2番目の任務は、火星表面で調査しているミッションの情報をリレーすることである。探査機は5年間の主ミッションで、2008年に北極氷冠近くの氷の土壌に着陸するために建造中の「フェニックス・マーズ・スカウト」、2009年の打ち上げのために開発中の「マーズ・サイエンス・ラボラトリー」ローバーのサポートも行う。

マーズ・レコネッサンス軌道船は本格的な科学調査開始前に、6ヶ月間、火星大気をかすめるように飛行して徐々に減速するエアブレーキというプロセスで軌道を調整し続ける。3月10日の火星軌道投入時の探査機は35時間周期の非常に長細い軌道に入る。科学観測軌道は、2時間周期のほぼ円形の低い高度だが、火星到着と同時にこのような軌道に入るにはメインスラスターの燃料がずっと多く必要になり、より大きい打ち上げロケットが必要で高価になり、さらに重量を軽くしなければならなくなって搭載科学機器も少なくなってしまうのである。エアブレーキでは慎重な計算に基づいた下降が数百回にわたって行われ、オーバーヒートにならない程度に大気との摩擦を行って減速をする。

エアブレーキは空中の綱渡りのようなもので、火星大気は急速に膨らむことがあり、それを常に監視して探査機の高度をエアブレーキに最適で安全なものに保っていなければならない。大気下層部の監視は、現在火星軌道上にある複数の探査機によって毎日得られ、これは火星探査ミッション同士の協力活動の好例となる。

Doug McCuistion is Director of NASA's Mars Exploration Program.
Jim Graf is a project manager for Mars Reconnaissance Orbiter at NASA's Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, Calif.

マーズ・レコネッサンス軌道船は火星まであと半分
マーズ・レコネッサンス・オービターがケネディ宇宙センターに到達
フェニックス・ミッションに青信号
火星探査の昨日と明日
火星探査の明日(1)〜マーズ・レコネッサンス・オービター〜
火星探査の明日(2)〜フェニックス〜
火星探査の明日(4)〜火星科学実験室(マーズ・サイエンス・ラボラトリー)〜

エレボス縁の調査続行

オポチュニティ ソル735〜743日ステータス

2006.2.28

Credit: NASA/JPL
ソル742日にナビゲーションカメラで撮影した画像。この日、オポチュニティは「ペイソン露出層」に接近した。
Credit: NASA/JPL
ソル743日にパノラマカメラで撮影した画像。左のナビゲーションカメラ画像に写っている露出層のクローズアップになっている。

「オリンピア」という露出層での調査を完了したオポチュニティは、エレボスクレーター西側縁をまわって「ペイソン」という名の露出層の方向に進んだ。ソル735日(2006年2月17日)の診断テストの後、ロボットアーム格納伸張時の抵抗が65オームから80オームに高くされ、アーム格納と伸張はソル740日と741日に成功した。ロボットアームの抵抗値を高くすることは、キャリブレーション状態が保たれている限り、リスクを増すことにはならない。

ソル735日(2006年2月17日)
ローター抵抗を75オームにセットしてアームのショルダージョイントに小さな動きをさせ、ロボットアームの診断テストを実施。この動きのどこかで不具合が生じたら、自動的に抵抗がまず80オームに、そして次に85オームにリセットされることになっていたが、アームの全ての動きは抵抗値75オームのままでうまく完了することができた。

ソル736日
「ゼーングレー」というターゲットまで移動するコマンドを、Xバンド波長を使って送信する2度目の試みがされたが、深宇宙ネットワークのトランスミッターがダウン。オポチュニティからのデータは、これと同じ通信リンクで受信できた。

ソル737日
3日連続計画の2日分を再送信。大気観測と天体の光度測定。

ソル738日
大気観測と光度計測を継続

ソル739日
光度計測を完了。

ソル740日
「ゼーングレー」への移動を開始。この走行では垂直方向を制御するショルダージョイントのローター抵抗を80オームにセットしてアームを格納伸張した。21センチ移動したところで右中央車輪(前輪と後輪の間にある車輪。ローバーの車輪は片側3つある。)の電流が限界に達したため停止。これ以外の車輪のモーター電流は正常。このような現象が起きたのは、再び砂の中で立ち往生することのないように、「苦難の砂丘」から抜け出した後、電流限界が引き下げられたためである。

ソル741日
電流限界を通常の値に戻して34.5メートル移動し、「ペイソン」露出層に接近。走行開始時のモーター電流は通常より少し高かったが、走行が進むにつれて下がって通常の値に近づいた。

ソル742日
40メートル移動して「ペイソン」に接近し、週末に20メートルの距離から画像を撮影する予定。

ソル742日(2006年2月24日)現在のトータル走行距離は6553.93メートルである。