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冬の集中調査を続行

スピリット ソル842〜846日ステータス

2006.5.22

Credit: NASA/JPL
ソル842日にパノラマカメラで撮影した画像。丸く掘られている部分は冬期集中調査でブラッシングした表面土壌である。(m.kanai)
Credit: NASA/JPL
ソル843日にパノラマカメラで撮影した画像。手前には薄いチリの層に覆われた層状岩石、その向こうにはスピリットの車輪跡が2本横方向に走っているのが見える。車輪跡の地表は、左側の上から3分の1あたりから右側の下から5分の2あたりを結んだ斜めの線を境にした手前(露出岩石がある部分)よりも低くなっている。(m.kanai)

スピリットは元気で火星グセフクレーターの冬期集中調査も進んでいる。スピリットは顕微モザイク画像撮影による層ごとの土壌調査の最初の段階と、メスバウアー分光計とアルファ粒子X線分光計による未攪拌土壌の組成調査を完了した。ソル830日(2006年5月4日)には最上部の土壌層をブラッシングで払いのけ、その後ブラッシング部分の顕微画像撮影を行い、メスバウアー分光計とアルファ粒子X線分光計による分析を行った。

2番目の層をブラッシングする前のソル842日(2006年5月16日)には、岩石剥離器の土壌上の位置を正確にするためのテストが行われ、ロボットアームはテスト中、期待通り機能した。第2層のブラッシングはソル845日(2006年5月20日)に予定されている。

360度「マクマード・パノラマ」画像は2つの列の画像撮影が行われ、ミニ熱放射分光計による4つのターゲットの調査も完了した。

ソル842日(2006年5月16日)
ロボットアームのポジショニング・テストとして、メスバウアー分光計の土壌接触、2x2枚の顕微モザイク画像撮影、岩石剥離器の土壌表面上への配置を実施し、テストは成功。「アラン・ヒル」と「ドーム・フジ」という2つのターゲットのミニ熱放射分光計による遠隔分析も実施。

ソル843日
「マクマード・パノラマ」の12列目を撮影。ミニ熱放射分光計による大気調査。

ソル844日
「マクマード・パノラマ」の13列目を撮影。「フォン・ノイマヤ」と「ダービル」というターゲットのミニ熱放射分光計による遠隔調査。

ソル845日
予定は、「プログレス」という名の土壌から2番目の1ミリの土壌層をブラッシングで払いのけること。

ソル846日(2006年5月21日)
予定は、バッテリー充電とオデッセイ夜間通過中のデータ送信。

トータル走行距離は6876.18メートルのままである。

スペースカレンダー 2006年12月

2006.5.21.

スペースカレンダー 2006年6月
(2006年5月21日更新)

スペースカレンダー 2006年12月

トラフの中の小石

2006.5.20.

Credit: NASA/JPL-Caltech/Cornell

「エレボス・クレーター」から「ビクトリア・クレーター」への移動を続けているオポチュニティは、風のためにできた、砂の大きなさざ波同士の間にある露出岩石に沿って進んでいる。この進行の途中、さざ波の間のトラフ底に時々露出している小石領域の調査、それに、大きなさざ波に見られる帯形状の調査も行われている。

この画像はソル802日(2006年4月27日)にパノラマカメラで撮影したもので、約30度の幅のモザイクである。この画像に写っているのは、風に運ばれてきてできた、高さ約20センチの砂のさざ波の間にある小石の領域である。

このような小石領域がどのようにできたのかは分からないが、小石は1つかそれ以上の数の土壌堆積物の細かい粒子が吹き飛ばされ、その後に残った粗い物質の外被なのかもしれない。あるいは隕石の破片が浸食したもの、どこか他の場所に天体が衝突したときに飛散してきた火星の物質、局所的な床岩が風化した残余、またはこれらが混ざったものなのかもしれない。小石のタイプ、変異性、起源については、複数のフィルターを使ったパノラマカメラ画像を撮影して調査される。

左の画像は、753ナノメートル、535ナノメートル、432ナノメートルのフィルターで撮影したパノラマカメラ画像を重ねて作ったほぼ自然色カラーの画像、右の画像は同じフィルターの画像から作ったフォールスカラー画像である。フォールスカラーは、岩石と土壌を作っている物質のタイプの差をはっきり見るために使われる。

移動は大きく進展

オポチュニティ ソル811〜817日ステータス

2006.5.19

Credit: NASA/JPL
ソル817日にナビゲーションカメラで撮影した画像。画像上部右3分の2のあたり、少し離れたところに露出岩石層が横方向に連なっているのが見える。(m.kanai)
Credit: NASA/JPL
ソル816日にパノラマカメラで撮影した画像。左のナビゲーションカメラ画像に写っている露出層が、より近くに見える。この露出層の手前は大きな穴になっており、これは小さなクレーターと思われる。(m.kanai)

オポチュニティは砂のさざ波の頂を調査し、約200メートル進んで「ビクトリア・クレーター」まで約1100メートル以下の位置に達した。さざ波の頂の調査では、「ペーコスリバー」ターゲットのステレオ顕微画像も撮影した。

ソル811日(2006年5月6日)
「ペーコスリバー」のステレオ顕微画像を撮影。マーズ・オデッセイとのUHFリレー通信中、「ホースヘッド」というターゲットのミニ熱放射分光計計測を実施。午前中、「ホースヘッド」と「チャッドボーン」を13枚全てのフィルターを使ってパノラマカメラで撮影。

ソル812日
空と地表ターゲットのミニ熱放射分光計による調査。パノラマカメラによるマグネットとカメラマストのチリのチェックと大気透明度の調査。午後、2回にわたるオデッセイUHF通信。最初の通信は2007年フェニックス・マーズランダー・ミッションのための通信実験で、オデッセイが空の低い位置にあるときに行われた。

ソル813日
午前中のコマンド・アップリンク中にミニ熱放射分光計による観測。次にパノラマカメラの13枚のフィルターを使った走行前撮影。後退で1時間走行して40.14メートルを移動し、走行後撮影。

ソル814日
1時間半の走行で52.38メートルを移動。走行後撮影。走行はブラインド走行(地球の人間が指定したルートに沿った走行)と自動ナビゲーションの両方が使われた。

ソル815日
1時間半のブラインド走行で45.61メートルを移動。

ソル816日
大気調査の日。アームを格納した1時間半の走行で38.12メートルを移動。次にアームを伸ばして走行後撮影。オデッセイのアップリンク中、ミニ熱放射分光計で空と地表を調査。オデッセイ通過後、パノラマカメラで日没前の画像を撮影。

ソル817日(2006年5月12日)
この日の活動計画は約22メートルの移動。

ソル816日(2006年5月11日)現在のトータル走行距離は7769.52メートルである。

目を見張る光景

2006.5.17

Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute
この素晴らしい画像に写っているのは、天体衝突だらけの小さな月「エピメテウス」、スモッグに覆われた「タイタン」で、土星のAリングとFリングが画像を横切っている。

Aリングで目につくのは暗色領域で、これは月の「パン」と細環がある「エンケの間隙」である。エンケの間隙の左と右のAリングには、月の影響による形状もはっきり見える。エンケの間隙の幅は325km、パンの直径は26kmである。

細いFリングは光学的効果のためにタイタンの前では暗くなっているように見え、明色の「こぶ」も2つ確認できる。エピメテウスの直径は116km、巨大なタイタンの直径は5,150kmである。

この画像は、2006年4月28日にエピメテウスから約66万7000km、タイタンから約180万きmの距離から可視光の望遠カメラで撮影された。リングは太陽光に照らされた側が写っている。ピクセルあたりの画像解像度はエピメテウスで4km、タイタンで11kmである。

画像撮影と土壌調査を続行

スピリット ソル835〜841日ステータス

2006.5.15

Credit: NASA/JPL
ソル835日にパノラマカメラで撮影した画像。スピリットはこの日、マクマード・パノラマのパネル11の撮影を行った。
Credit: NASA/JPL
ソル835日にパノラマカメラで撮影した画像。

スピリットはパノラマ画像撮影と、メスバウアー分光計計測で土壌ターゲットの詳細調査を続けている。「マクマード・パノラマ」もさらに1列分が撮影され、マーズ・オデッセイのUHFアンテナを介した地球への新たなデータリレーも続けられた。

ソル835日(2006年5月9日)
「ハレー」土壌ターゲットのメスバウアー分光計計測。スピリット周囲360度のフルカラー画像「マクマード・パノラマ」撮影で計画された27パネルのうちのパネル11を撮影。

ソル836日
遠隔調査を実施。

ソル837日
「ハレー」のメスバウアー分光計計測を続行。

ソル838日
「ハレー」のメスバウアー分光計計測を続行。

ソル839〜841日(2006年5月13〜15日
計画は、土壌の細かい層をブラッシングで以前取り払った「プログレス」土壌ターゲットにアームを戻すこと。冬期土壌調査分析の次の段階は、ブラッシングした表面の3日間にわたるメスバウアー分光計計測である。この数週間で得たデータを送信するのにエネルギーを使うため、遠隔調査は軽いものにされた。

ソル836日(2006年5月11日)現在のトータル走行距離は6876.18メートルのままである。

スピッツァーが彗星の破片を撮影

2006.5.13

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/W. Reach (SSC/Caltech)
73P/シュヴァスマン−ヴァクマン3彗星は世界中の天文学者が見守る目前で分解しており、そのプロセスの記録と調査が行われている。この画像がスピッツァー宇宙望遠鏡が最近撮影したもので、58個の彗星破片のうちの45個が写っている。この望遠鏡は赤外線波長で撮影するため、彗星破片同士の間にある尾を作っている冷たいチリ粒子もよく写っている。

ホイヘンス着陸ムービー

2006.5.12

ここをクリックするとムービーをご覧いただけます。
Image Credit: ESA/NASA/JPL/University of Arizona
ホイヘンスによるタイタン着陸は、探査機による最も遠方の天体へのタッチダウンとなったが、このときホイヘンスのカメラで撮影した画像を使ったムービーが公表された。このムービーには、2005年1月14日のタイタンへの劇的な着陸の様子が写っている。

このムービーは、タイタンのオレンジがかった茶色の厚い大気を147分間にわたって下降して柔らかい砂状の岸に着陸するまでの様子を示しており、下降画像撮影スペクトル放射計で撮影したデータで構成されている。

データは着陸後数ヶ月にわたって分析されてホイヘンス・ミッションで得られた最良の視覚資料となり、ムービーは着陸の様子を示した最もリアルなものである。このムービーは「2005年1月14日のホイヘンスからの眺め」と名付けられ、プローブが2時間半にわたる下降からタッチダウンまでの間に「何を見たのか」を4分40秒で示している。

ホイヘンスのカメラはまずタイタン表面の霧を遠方から見るが、その霧は高度約60kmあたりで晴れ始め、100メートルまでの表面地形が解像できるようになる。着陸後は砂の小さな粒子までもが解像できる。ムービーは、タイタン全体像から表面の微細な形状まで、接近によるタイタンの見え方の大きな変化を示す完璧な手段である。

ムービーの解説
シーン
内 容
開始
ムービーは、太陽の前を通過する地球で始まる。このように地球が太陽と土星をはさんで完全に真ん中に来るというのは、たぶん1000年に2回しか起きない。一方ホイヘンスは静かに土星系に入り、7年間にわたる旅を終えようとしている。
太陽が小さくなる ホイヘンスが土星系に接近すると内惑星は遠方の太陽周辺に集団となって集まっているように見える。
左方向に土星系が見えてくる 土星はほとんどオリオンほどの大きさに見える。土星の月がいくつか白い点となって土星のリングと平行な位置に並んでおり、土星で最も大きなタイタンはすでに大きく見えている。
土星のリングが縦方向になる ホイヘンスは水星よりも大きく茶色っぽいオレンジ色の厚い大気に覆われたタイタンに向かって進むが、その表面の詳細は全く見えない。
タイタンが徐々に大きくなっていく ホイヘンスの速度は増して時速21,600km近くにまでなり、タイタンは急速に大きくなって土星とその月を隠していく。
土星とその月がタイタンの背後に隠れる ホイヘンスがタイタンの大気に入ると数分以内に、断熱シールドによって速度が15分の1にまで減速する。
さらに接近してタイタンの一部が画像いっぱいに広がる 主パラシュートによりさらに減速する。15分後には、まず小さな安定パラシュートにより高速で降下する。
地表が少しずつ見えてくる さらに高度が下がると大気密度が増す。
地表が割合はっきりと見えてくる ホイヘンスは明色の丘のような領域同士の間にある暗色の谷に接近していく。
暗色の谷が筋状にはっきりと見えてくる 丘の向こうの左方向に、平行になった暗色の2つの線が現れてくる。この2つの線はタイタンを取り巻いている広大な砂丘の一部だということが後で分かる。
画像中央部の詳細が見えてくる 高度21kmで薄いもやの層を通り抜けるのが地平線の方向を見ると分かる。
もやの層を通り抜けた後 中央最上部の明色部分は、太陽光に照らされたタイタンのもやである。丘の斜面には、幅数百メートル、長さ数キロという液体の流れでできた河床の複雑な系が見えてくる。これらの河床は、メタンの雨が地表を流れてできたものと考えられる。
徐々に高度が低くなるのがわかる ステレオ画像によると、左側の複数の丘の高さは、たぶん数百メートルで、谷の内部の地形は数十メートルの高さである。
さらに高度が下がり丘の側面がよく見えてくる 下降のほとんどの部分では、ホイヘンスはタイタン表面を東方向にすすんでいくのだが、高度7km以下になると動きは反対方向の西方向になる。
右下の詳細地形が見えてくる 高度1kmになると、今度はゆっくりと南東方向に動き始める。
丘は地平線に見えなくなっていく ホイヘンスは水の氷が露出した峰に沿ったタイタン表面に着陸する。
再び上空からの画像 ここからは西方向の眺め。高度31kmから始まる。この方向から見ると河床と岸の線がはっきりと見える。さらに多くの暗色の低地が見え、左側には穴の開いた粗い地表の丘斜面も見える。表面のスペクトルによると、明色領域は水の氷、暗色領域は実験室では作り出されていない炭化水素の混合物でできている。
下降はさらに進む 中央下の小さな白色の点は、ホイヘンスの移動の様子を示している。この眺めはムービー前半の高度7km部分の反対方向を見たもので、着陸地点近隣の峰の上を飛行している。
地表がさらに迫り、丘斜面の穴は上中央少し左側に移動していく 表面に接近すると、地形の動きが多くなる。川と岸の線が見えるが、底には液体はないのが分かる。
穴は見えなくなり、地表はさらに迫る 下を見ると、粗い稜線を作った浸食の痕跡がはっきり見える。
さらに地表に接近する ホイヘンスはこの浸食でできたガリーの1つの中に下降していき、タイタン表面への着地は比較的衝撃が少ない。
着陸後の表面 着陸後の表面画像により、タイタン表面が地球の水のない河床に驚くほど似ていることが分かる。遠方には数メートルの高さの複数の丘が見える。
視点が下がり、大きな岩石が見えてくる 着地の数秒後、ホイヘンスのパラシュートの影が地表を横切る。表面科学ランプとホイヘンスのスキンからの熱で、タイタン表面にある摂氏マイナス約180度のメタンが蒸発する。ホイヘンスの近くの地表には水の氷の岩石と小さな石が散在している。これらは、水の氷あるいは炭化水素、またはその両方が混ざった物質でできているのかもしれない。この謎の世界について多くのことが分かったが、まだ答えの出ていない疑問も多い。大気にメタンを供給している液体メタンの広大な海はどこにあるのだろうか。タイタンの雨はいつどこで降るのだろうか。メタンはどのようにして大気中に再循環するのだろうか。タイタン表面はどんな物質でできているのだろうか。丘や砂丘や谷はどのようなプロセスで形成されるのだろうか。

ビクトリア・クレーター

2006.5.10.

Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
この画像はマーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影したもので、オポチュニティとビクトリア・クレーターの位置関係を示している。北は左方向である。

この画像には、ソル804日(2006年4月29日)現在のオポチュニティの位置と、オポチュニティから見たときのビクトリア・クレーターの左右の縁の方向が示されている。「岬」(promontory)というラベルの地形は明色スポットで、ビクトリア・クレーターの向こう側の縁にある露出層と考えられている。明るい紫色になっているのは35メートルの小さなクレーターである。

ビクトリア・クレーターは直径が800メートルあり、太古の水の影響が認められる露出岩石を2004年に数ヶ月にわたってオポチュニティが調査したエンデュアランス・クレーターの約6倍の直径である。

この画像は再投影で所によっては伸張された、ローバーの行動計画で使うキャリブレーションなしのバージョンで、科学目的のものではない。

層ごとの土壌調査を開始

スピリット ソル828〜834日ステータス

2006.5.9

Credit: NASA/JPL
ソル828日にパノラマカメラで撮影した画像。
Credit: NASA/JPL
ソル828日にパノラマカメラで撮影した画像。車輪跡に露出した表面下の土壌が写っている。冬期に長期間同じ場所にいるスピリットは、5ヶ月間にわたって車輪跡の露出土壌の変化を調査する。

スピリットは元気で、冬期集中科学調査も進展している。先週のスピリットは、フルカラー360度「マクマード・パノラマ」の撮影を続けた。パノラマは完成すると27列の画像をつないだものになるが、最初の10列の撮影はソル834日(2006年5月8日)に終了すると考えられている。スピリットは、「プログレス」と「ハレー」という名の2つの土壌ターゲットの調査も続けた。

冬期土壌分析は複数のステップで構成され、それはメスバウアー分光計のターゲットからの移動、アーム先端の手首ジョイントを回して機器を裏返し、機器交換に都合の良い位置への配置、メスバウアーのターゲット再接触による正確な配置位置の確認、そしてメスバウアー分光計から岩石剥離器への機器交換、岩石剥離器先端のブラシによる1ミリの厚さ(10セント硬貨の厚さ)までの土壌層の払いのけ、危険防止カメラの右側のレンズによるブラッシング状況のムービー撮影、ブラッシングで露出したばかりの表面の顕微画像撮影、そして13枚全てのフィルターを使ったパノラマカメラ・カラー画像撮影である。これが完了すると、別の土壌層の払いのけのステップからのプロセスに再び戻って調査を行う。

スピリットは、車輪が通って露出した土壌の表面特質の遠隔画像調査も5ヶ月間にわたって行う。

最近火星に到着したマーズ・レコネッサンス軌道船がエアブレーキ段階を行っているため、高い周波数のXバンド通信を使った、スピリットと地球の間の直接通信は常に可能というわけにはいかなくなる。このためオデッセイ探査機は、ソル830日(2006年5月4日)にスピリットへのUHF波長での通信を開始した。

ソル828日(2006年5月2日)
遠隔調査。マクマード・パノラマの8列目の撮影を完了。

ソル829日
トータルで69時間にもなるプログレス土壌ターゲットのメスバウアー分光計計測の3日目を実施。

ソル830日
緩い土壌の初の連続ブラッシングを開始し、顕微画像を撮影。

ソル831日
遠隔調査。マクマード・パノラマの9列目を撮影。18時間にわたるプログレスのアルファ粒子X線分光計計測を完了。

ソル832日
計画は「ハレー」の顕微画像撮影。

ソル833日
計画は遠隔調査、マクマード・パノラマの10列目の撮影、プログレスの2回目の18時間アルファ粒子X線分光計計測の完了。

ソル834日(2006年5月8日)
計画は遠隔調査の続行と、車輪跡に露出した土壌の表面特質変化の監視開始。

ソル831日(2006年5月5日)現在のトータル走行距離は、6876.18メートルのままである。

もうすぐビクトリアが見えてくる

オポチュニティ ソル804〜810日ステータス

2006.5.7

Credit: NASA/JPL
ソル804日にパノラマカメラで撮影した画像。薄い層でできた露出岩石が写っている。
Credit: NASA/JPL
ソル807日にナビゲーションカメラで撮影した画像。オポチュニティは現在このような露出岩石と砂のさざ波の領域をビクトリア・クレーター目指して移動している。

オポチュニティは火星3日間にわたって「ブルックビル」露出層の調査をアーム機器で行い、顕微画像撮影、ブラッシング、その後メスバウアー分光計によるトータル16時間の計測、そして一晩かけたアルファ粒子X線分光計計測を行った。オポチュニティは次にアームをしまって、次の3日間で約107メートルの移動を行い、「ビクトリア・クレーター」から推測距離1279メートルの位置に到達した。クレーター縁は、南方向を写して垂直方向に強調した画像中に見えてくると思われる。

ソル804日(2006年4月28日)
3日間にわたるブルックビルのアーム機器調査の初日。ターゲットの顕微画像撮影後、ブラッシング、午後はメスバウアー分光計計測。午後のマーズ・オデッセイとの通信リレーセッション中にミニ熱放射分光計で「グレートベンド」というターゲットを計測。

ソル805日
午前中、大気科学調査を行ってアルファ粒子X線分光計をブルックビルに配置。ブルックビルの計測は、午前中、「ヒーラベンド」の13枚のフィルターを使ったパノラマカメラ撮影を開始するまで続く。

ソル806日
ブルックビル調査の最終日。アーム機器をメスバウアー分光計に替えて午後の調査を完了。火星時間午後7時、調査を中断して短時間の深い眠りのモードを実施。

ソル807日
ブラッシング部分を、13枚のフィルターを使ってパノラマカメラで撮影。次に30分間の移動。その後、ナビゲーションカメラによる新位置周囲の撮影と、パノラマカメラによる移動方向の撮影。

ソル808日
1時間10分にわたって150度の方向(南南東方向)へ移動。次に新位置で画像を撮影。午後はミニ熱放射分光計による観測と、パノラマカメラによる大気透明度のチェック。夜は深い眠りのモードを実施。

ソル809日
前日に続いてもう1度1時間10分の移動。次にオデッセイとの通信中に、画像撮影と大気科学調査。

ソル810日(2006年5月5日)
ソル809日にアップリンクされた計画の一部として、午前中、ナビゲーションカメラで後方を撮影。アップリンクされたソル810日の計画は、週末の調査のため、砂のさざ波ターゲットへの15メートルの接近。次にナビゲーションカメラとパノラマカメラで走行後撮影。

ソル809日(2006年5月4日)現在のトータル走行距離は7575.51メートルである。

冬期調査を続行

スピリット ソル820〜827日ステータス

2006.5.6

Credit: NASA/JPL
ソル823日にパノラマカメラで撮影した画像。この日はマクマード・パノラマの5列目の撮影が行われた。
Credit: NASA/JPL
ソル820日にパノラマカメラで撮影した画像。この日は、マクマード・パノラマの4列目の撮影がパノラマカメラで行われた。

スピリットは元気で、冬期集中科学調査も良好に進んでいる。先週のスピリットは、「マクマード・パノラマ」という名の360度フルカラー高解像度パノラマのための画像撮影を続けた。このパノラマ画像が完成すると27列を貼り合わせたモザイク画像になるが、電力とデータ保存限界を考え合わせると完成には約6週間かかる。

さらにスピリットは、アーム機器を使って「プログレス」というニックネームの土壌ターゲットの科学分析も行った。

ソル820日
マクマード・パノラマの4列目の画像撮影。ミニ熱放射分光計で地表の調査。

ソル821日
マクマード・パノラマの4列目の画像撮影とミニ熱放射分光計による地表調査の続行。

ソル822日
顕微画像撮影装置とアルファ粒子X線分光計で、乱されていない「プログレス」土壌の特質を調査。マクマード・パノラマの5列目の撮影も開始。ミニ熱放射分光計による調査。

ソル823日
顕微画像撮影装置とアルファ粒子X線分光計による、乱されていない「プログレス」土壌の特質調査、マクマード・パノラマの5列目の撮影、ミニ熱放射分光計による調査を続行。

ソル824日
顕微画像撮影装置とアルファ粒子X線分光計による、乱されていない「プログレス」土壌の特質調査、マクマード・パノラマの5列目の撮影、ミニ熱放射分光計による調査を続行。

ソル825〜827日(2006年4月29日〜5月1日)
計画は、メスバウアー分光計によるプログレスの調査と、マクマード・パノラマの6列目と7列目の画像撮影。

ソル824日(2006年4月28日)現在のトータル走行距離は6876.18メートルのままである。

ハッブルが彗星の分裂を撮影

2006.5.5

Image Credit: NASA, ESA, H. Weaver (APL/JHU), M. Mutchler and Z. Levay (STScI)
Credit for Hubble Images: NASA, ESA, H. Weaver (JHU/APL), M. Mutchler and Z. Levay (STScI)
Credit for the Ground-Based Image: G. Rhemann and M. Jager
73P/シュヴァスマン−ヴァクマン3彗星にズームするムービー
MOV 540.1K
MPG 2.49M
MOV 4.13M

ハッブル宇宙望遠鏡が分裂する彗星の素晴らしい画像を撮影した。この画像は2006年4月28日に73P/シュヴァスマン−ヴァクマン3彗星を写したもので、これまでにない彗星核崩壊の調査機会を与えてくれた。この彗星は数年間にわたって世界中の天文家が観測してきた。彗星は5月12日に地球から1170万kmの距離まで接近して6月7日に太陽をスイングバイするが、地球への接近距離は地球と月の距離の30倍もあるため安全である。この彗星は現在33個の破片に分裂しており、数珠繋ぎになって飛行している。各破片にはアルファベットの記号がつけられ、連なる破片を地球から見ると数度の角度にまで長くなっている(太陽と月の見かけの角度は約2分の1度である)。地上観測で破片のいくつかが明るくなる現象が認められ、これは破片が分裂し続けているということを示している。

ハッブルは、明るいアウトバーストの直後に破片BとGを撮影し、大規模な「階層的破壊」(大きな破片が分裂して小さな破片になること)のプロセスが起きているということが明らかになった。大きな破片の後方には数十の「ミニ破片」が続いているのが見つかり、これは彗星破片表面から放出された家ほどのサイズの塊である。このような小さな物体を検出できるのは非常に解像度の高いハッブル画像だけである。

数日の期間をおいて破片Bを撮影したハッブル連続画像が示唆しているのは、これらのミニ破片の太陽に面した氷表面からガスが噴出して、それによって尾が形成されて破片が尾と反対方向へ押されているということである。このような動きは、船外活動をしている宇宙飛行士がジェットを噴射して宇宙空間を動くのと似ている。破片は小さいほど質量が少ないため、元の破片から離れる速度もより大きくなる。破片は、観測の数日間で完全に消失したように見えるものもある。

73P/シュヴァスマン−ヴァクマン3彗星の分裂は今に始まったことではなく、2001年遅くに観測したときに、失われている質量があることが分かり、見ることができない小さな破片が彗星から分離したためだという解釈がされていた。そして今回のハッブル観測で、この解釈が正しかったことが確認されたのである。

彗星核は、初期の太陽系物質が深く凍りついた遺物で、チリと氷が混ざって孔が開いた天体である。彗星が分解するメカニズムはたくさんある。その1つは、大きな天体の近くを通り過ぎたときに、重力潮汐ではぎ取られるように分解するということである。この好例はシューメーカー・レヴィー9彗星で、この彗星は1992年に木星の近くをかすめたときに分解し、その2年後に木星大気に突入した。これ以外には、高速で回転している彗星核が太陽の近くを通り過ぎるときに熱の圧力で粉砕されるということ、さらに、彗星内部に閉じこめられた揮発性ガスが噴出して、シャンペンのコルクのように爆発的にはじけて分解しするというものもある。

このような破滅的な分解は、ほとんどの彗星に起きる最終的な運命なのかもしれない。この新たなハッブル・データの分析と、彗星が地球と太陽に接近したときに他の天文台で撮影される画像で、これらの分解メカニズムのどれが73P/シュヴァスマン−ヴァクマン3彗星に当てはまるのかが分かるかもしれない。

この彗星の発見者はアーノルド・シュヴァスマンとアルノー・ヴァクマンで、1930年に小惑星の写真探索を行っていたときに、彗星が地球から930万km(地球と月の距離のわずか24倍)以内を通ったのである。この彗星は5.4年の周期で太陽を周回しているが、1930年以来確認できず1979年に確認されたが、その後また見失われて、1985年に発見され、それ以来今日まで毎回観測されている。

彗星は1995年秋の接近時に巨大なアウトバーストを起こし、その直後、4つに分離した核が確認されて、A,B,C,Dという記号がつけられた。破片Cは最も大きく、元の彗星核の残余と考えられている。

1995年の次の接近ではっきりと観測されたのはCとBだけだったが、このときは観測条件が悪かった。その次の接近になる今年の観測状況はずっと良好で、これほど多くの破片が検出されたのはこの好条件のためということもあるのかもしれないが、彗星の分解が現在加速しているということも考えられる。太陽を周回したときにどれほどの破片が生き残るのかは、そのときになってみなければ分からない。

73P/シュヴァスマン−ヴァクマン3彗星が地球に接近
分裂した彗星