アーカイブ
 
 
 



スペースカレンダー 2007年2月

2006.6.17

スペースカレンダー 2007年2月

砂から脱出

オポチュニティ ソル837〜844日ステータス
2006.6.16.

Credit: NASA/JPL
ソル841日に後方危険防止カメラで撮影した画像。オポチュニティはこの日、「ジャマーバーグ」から抜け出ることに成功した。オポチュニティは元来た道を戻ってきたため、前方にはこれまで車輪の一部が埋まっていた砂丘領域が写っている。手前を見ると、車輪が露出層の上に乗っていることが分かる。
Credit: NASA/JPL
ソル842日にナビゲーションカメラで撮影した画像。これは左の後方危険防止カメラ画像と同じ位置を撮影したもので、オポチュニティの車輪がどれぐらい砂に食い込んでいたのかが分かる。

オポチュニティは、「ジャマーバーグ」と名付けられた砂の領域から抜け出ることに成功した。オポチュニティがこの領域に入ったのはソル830日(2006年5月24日)で、このとき後退走行で進入して北方向の傾きが増大した。ソル833日の移動では車輪の一部が砂に食い込み、大きく進むことができなくなった。砂から抜け出る努力はソル836日に開始され、これまで進んできた道筋を戻るコマンドが送信された。ソル841日には砂から抜け出し、その後、その週には「ビクトリア・クレーター」への進行が再開された。

ソル837日(2006年6月1日)
砂から抜け出す努力の2日目。それぞれ1メートル進むステップを10回行うコマンドを送信。遠くに進み過ぎたり予定とはちがう方向に進まないよう、進行中の傾き、偏走率、サスペンション・アングル、走行距離のチェックも実施。砂から抜け出して露出岩石の上に出たとき、いくつか重複した安全チェックにより停止するようされた。記録によると、前進の動きは約8センチだった。

ソル838日
週末の3日連続計画の初日。3日間で同じ走行を3回予定。まずソル838日だけの走行がアップリンクされ、週末にはオポチュニティの進行具合を見て次の走行シーケンスが安全かどうかを確認する「進むか進まざるか」の会議が何回か開かれ、移動シーケンスをアップリンクするかどうかがそのつど決定された。3日連続計画の初日は、砂から抜け出る努力の3日目だった。移動計画は、車輪の方向が下り斜面に向けられたこと以外、ソル837日と同じで、10メートル走行のコマンドで4.2センチしか進まず、時間が進むにつれて移動距離は短くなり、車輪に付く土壌は走行前より後の方が多くなった。この走行の進展具合は、「苦難の砂丘」にはまったときと同じだった。

ソル839日
砂から抜け出す努力の4日目。シーケンスは前日と同じで、約5センチ進んだ。これは前日よりもわずかに良いが、時間が進むにつれて進行距離が短くなるという傾向は同じだった。車輪は土壌が付着していないように見える。

ソル840日
砂から抜け出す努力の5日目。シーケンスはこれまでと同じで、このシーケンスのダウンリンクは2006年6月5日の午前3時頃行われた。移動は28センチで、前輪は砂から大きく出て、砂の付着も少なくなった。このことは、「苦難の砂丘」のときの経験から、はまった砂から解放される兆しと捉えることができた。

ソル841日
砂から抜け出る努力の6日目。シーケンスは前日と似ていたが、砂から出たときに行き過ぎないように、限界は大きくされた。それぞれ1センチのステップを10回行うコマンドが送られたが、実施されたのは3回だけだった。ビジュアル距離測定により2.8センチの移動が計測された後、進行方向が変化したため、設定通り走行は終了したのである。1回目のステップのスリップは18パーセントと少なく、次の2回のステップのスリップは基本的にゼロで、6輪全てが露出層に出て砂から抜け出ることに成功した!この火星日はデンマークの憲法記念日の6月5日に始まった。この祝日は、立憲君主国としてのデンマークが確立された1849年のデンマーク憲法批准と、さらに、1953年の同じ日に採用された憲法の記念日である。デンマークはローバー・ミッションを共同開発した国で、オポチュニティの現在位置のターゲットはデンマークの名称を使うことになった。

ソル842日
砂に車輪の一部が埋まった砂丘は「ジャマーバーグ」と命名され、高解像度画像を撮影。これは非公式名で、デンマークの北海岸にあって多くの難破船が沈んでいることで有名な湾の名前(「嘆きの湾」の意味)である。次の移動計画のための通常の走行後撮影も実施。

ソル843日
移動の道へ戻る!元来た道をさらに約5メートル戻って、別な露出層に出る。予定のルートはこの位置から、以前選定されたトラフと平行に走るトラフを通って南方向へ伸びている。11.3メートル移動したが、南方向への進展はなかった。

ソル844日(2006年6月9日)
計画は、南へ20メートル移動。コマンドにはスリップチェックが含まれ、過剰なスリップがあったときに走行を中止するようにされた。

ソル843日(2006年6月8日)現在のトータル走行距離は7985.5メートルである。

長期調査は進展

スピリット ソル860〜866日ステータス

2006.6.13

Credit: NASA/JPL
ソル862日にパノラマカメラで撮影した画像。この日はマクマード・パノラマの18列目の1部が撮影された。
Credit: NASA/JPL
ソル862日にパノラマカメラで撮影した画像。左半分にはスピリットの車輪跡が写っている。

スピリットは元気で、冬期科学調査も進んでいる。スピリットは、カメラのCCDが拾っている電子ノイズを計測するための「光子伝達キャリブレーション」を開始し、今週はパノラマカメラと後方危険防止カメラのキャリブレーションが行われた。

スピリットは数ヶ月にわたって行われる風による火星表面変化の初調査として、「ティロン」という土壌ターゲットの13枚全てのフィルターを使ったパノラマカメラ画像撮影を行い、加えて、同じパノラマカメラで「マクマード・パノラマ」の18列目の撮影もした。土壌分析調査では、さらに2ミリの土壌を払いのける準備が行われた。こうして露出した土壌表面は「プログレス3」と呼ばれることになる。

ソル860日(2006年6月4日)
30分の遠隔調査を完了。パノラマカメラの光子伝達キャリブレーション。マーズ・オデッセイ通過時の60分間の通信と、地表ターゲットのミニ熱放射分光計計測を同時に行い、複数のタスクをこなすことができることを証明した。

ソル861日
顕微画像撮影。オデッセイとの午前の通信中にUHF波長で70メガバイトのデータを送信。岩石剥離器の3次元の動きもチェック。このプロセスは、金庫のダイヤルに似たエンコーダーの計測値を得るというものである。エンコーダーはモーターシャフトの動きの距離をチェックし、機械的な動きを電気信号に変える働きをしている。この結果により、調査機器を配置するのに必要な動きに影響を与えるスリップ率あるいは地表把握率をチェックできる。

ソル862日
マクマード・パノラマの第18列(1x3枚のモザイク)の最初の部分を撮影。60分間にわたるオデッセイとの通信と同時に、ミニ熱放射分光計によるターゲット遠隔調査。

ソル863日
マクマード・パノラマの第18列(1x3枚のモザイク)の残り半分を撮影。火星の日没も撮影。

ソル864日
13枚のフィルターを使ったティロン土壌ターゲットのパノラマカメラ画像を撮影。ミニ熱放射分光計による地表と空の調査も実施。

ソル865日
後方危険防止カメラの光子伝達キャリブレーションを完了。

ソル866日(2006年6月10日)
計画は「プログレス」土壌ターゲットを2ミリブラッシングして第3層を露出させること。土壌ブラッシングの一部を54分間にわたって実施し、その部分を13枚のフィルターを使ったパノラマカメラで撮影することにしている。

ソル863日(2006年6月7日)現在のトータル走行距離は6876.18メートルのままである。

スピッツァー撮影のアンドロメダ

2006.6.10

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/P. Barmby (Harvard-Smithsonian CfA)
NASAのスピッツァー宇宙望遠鏡が撮影した、我々の天の川銀河の隣にあるアンドロメダ銀河の赤外線画像。この画像にはチリ(赤色)の波形状と古い星(青色)の滑らかな海が写っている。チリの回転する筋は、星が密集している銀河中心まで回り込んでいる。このような光景は、可視光では銀河中心領域が星の光で占められてしまうため見えにくいが、スピッツァーの赤外線でははっきり見える。

この画像により、アンドロメダのトータルの赤外線光度が計測できる。星からの赤外線の量は星の質量によるため、アンドロメダ銀河全体の「重さ」が分かる。この方法で分かったアンドロメダの星の質量は太陽の約1100億倍で、これは以前行われた計算と合致する。このことが意味しているのは、アンドロメダに含まれている星の数が約1兆個だということである(ほとんどの星の質量は太陽よりも小さい)。ちなみに、天の川銀河の星の数は約4000億個と推測されている。

この画像には小さな2つの伴銀河も写っており、アンドロメダの上に見えるのは「NGC 205」、下は「M32」である。

アンドロメダ銀河はアンドロメダ座中、250万光年の距離にあって天の川銀河に最も近い大銀河で、銀河の特質を詳細に調査する理想的な観測対象になっている。アンドロメダ銀河は、空がきれいで暗い夜なら、ぼんやりした膨らみとして肉眼でも見ることができる。アンドロメダのディスクは約26万光年の幅があり、地球から見たアンドロメダは満月の7倍の幅で広がっている。天の川銀河の幅は約10万光年である。

アンドロメダ銀河は非常に大きいため、銀河全体をカバーしたこの画像は3000枚の画像をつないで作られた。撮影で使われた波長は、3.6ミクロン、4.5ミクロン、8ミクロンで、初めの2つの波長は星の光に敏感なもので、それぞれ青色と緑色で示されている。8ミクロン波長は暖かいチリからのもので赤色になっている。

マーズ・サイエンス・ラボラトリーとスピリット

2006.6.8.

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
マーズ・サイエンス・ラボラトリー(左)とスピリットの比較をする概念図。マーズ・サイエンス・ラボラトリーは2009年のに打ち上げ、2010年の火星着陸を目指して開発が行われている。このミッションでは火星の過去の調査、それに現在の火星が微生物を維持できる環境なのかどうかの調査が行われる。この画像の、スピリットと、それより進んだローバー(マーズ・サイエンス・ラボラトリー)は、2005年4月13日にスピリットのパノラマカメラで「コロンビアの丘」から撮影したフォールスカラーの風景の中にスーパーインポーズされたものである。

火星探査の昨日と明日
火星探査の明日(4)〜火星科学実験室(マーズ・サイエンス・ラボラトリー)〜

砂から抜け出す努力

オポチュニティ ソル833〜837日ステータス

2006.6.6

Image Credit: NASA/JPL
ソル837日にオポチュニティの前方危険防止カメラで撮影した車輪回転のムービー。各車輪の回転は8フレームで構成されている。柔らかい土壌から抜け出るために、前日のソル836日には5メートル移動のコマンドで9センチ進み、この日は10メートル移動のコマンドでマヌーバーが行われた。

オポチュニティは「ビクトリア・クレーター」から1km以内の位置にいる。ソル833日の走行中に、オポチュニティの車輪が柔らかい砂の中に入ってしまい、スリップチェックにより設定通り停止した。砂から出る活動はソル836日に始まり、5メートル移動のコマンドで実際には9センチ前進した。この結果は満足のいくもので、砂から出る活動は2006年6月2日(金)と、もし必要なら週末も続けられる。これ以外のオポチュニティは元気で、南方向の道筋の大気及びターゲット遠隔調査を続けた。

ソル833日(2006年5月28日)
約30メートル移動、走行後撮影、大気遠隔調査の予定で、移動はその場での小さなターンで始まり、砂のさざ波の間のトラフ中央部分に進むというもの。オポチュニティがいる場所の土壌は柔らかくて非常に大きいスリップがあり、移動は中断した。

ソル834日
2ソル日間連続計画の2日目。大気遠隔調査(雲の撮影を含む)を少しとバッテリー充電。

ソル835日
移動は休み、車輪が食い込んでいる物質の特質を知るための高解像度画像を撮影。

ソル836日
車輪跡と土壌の調査後、柔らかい土壌から出るプロセスを開始。車体の傾き、移動サスペンション角度、ピッチ、偏走率、全走行距離の限界を指定した、5メートル移動のコマンド。走行結果は9センチの前進で、2005年4月と5月に「苦難の砂丘」から抜け出たとき(このときは車輪が今回より大きく砂に食い込んだ)の移動率の3倍以上動いたことになる。前輪のタイヤの溝にくっついている土壌は、「苦難の砂丘」から抜け出すときほどではないということも危険防止カメラ画像で判明。

ソル837日(6月1日)
計画は10メートル移動のコマンドで柔らかい土壌から抜け出す努力を続けること。移動安全チェックはソル836日と同じものを使い、それに加えて偏走率の限界が狭められ、移動サスペンション角度についてもビジュアル距離測定誤差限界の新たな数値が決められた。ビジュアル距離測定は、期待以上の前進があったときに機能しなくなることが多いため、この処置は、柔らかい土壌から抜け出して通常の走行ができるようになったときに遠くまで行きすぎないようにするためである。

ソル836日現在のトータル走行距離は7971.42メートルである。

姿勢認識誤差の修正

スピリット ソル855〜859日ステータス

2006.6.5

Credit: NASA/JPL
ソル855日にナビゲーションカメラで撮影した画像。スピリットはこの日、360度のナビゲーションカメラ画像を撮影したが、この画像はその1つである。
Credit: NASA/JPL
ソル856日にパノラマカメラで撮影した画像。この日は、マクマード・パノラマの16列目が撮影された。ここにはスピリットの車輪跡が写っている。

スピリットはソル807日(2006年4月10日)に現在位置に到着して以来、太陽に対する姿勢のスピリットの認識と実際のものがずれてきている。姿勢変化については搭載コンピュータで計算しているのだが、計測誤差が時間と共に蓄積していったのである。このためソル855日(2006年5月30日)には、実際の姿勢に対するずれを1.97度修正するアップデートが地球から送信された。アップデート後のスピリットは同じ位置から画像を再撮影し、今後の観測で正確にターゲットがねらえるようにした。

一方、「マクマード・パノラマ」の撮影は順調に続いており、層ごとの土壌調査でもさらに2ミリの土壌が払いのけられた。

ソル855日(2006年5月30日)
太陽に対する姿勢データの誤差を修正するために2週間ごとに行われている微調整を完了。周囲360度のナビゲーションカメラ画像と正面方向の前方危険防止カメラ画像を撮影。マーズ・オデッセイ通過中にミニ熱放射分光計による遠隔調査を実施。

ソル856日
マクマード・パノラマの16列目(1x6枚のモザイク)を撮影。

ソル857日
80分をかけて土壌ターゲット「プログレス」からさらに2ミリの土壌を払いのける。「プログレス」のこの層は「プログレス3」と名付けられた。

ソル858日
計画は「プログレス3」の顕微画像撮影、午後のオデッセイ通過時のミニ熱放射分光計による遠隔調査、火星の日没時の2枚のパノラマカメラ画像。

ソル859日(2006年6月3日)
計画は「マクマード・パノラマ」の17列目(1x3枚のモザイク)の撮影。

ソル857日(2006年6月1日)現在のトータル走行距離は6876.18メートルのままである。

4つ目の空間次元の発見

2006.3.

Image Credit: NASA
アインシュタインの一般相対性理論に匹敵する5次元重力理論の数学的骨格が作られた。それは「第2タイプ・ランドル−サンドラム・ブレインワールド重力モデル」と呼ばれる理論で、目に見える宇宙は「メンブレイン」(膜)で、もっと大きな宇宙の内部に埋め込まれている。つまり、我々の宇宙は、大洋内部に漂うよじれた薄い海草のようなものだというものである。この「ブレインワールド宇宙」(「ブレイン」は「膜」を意味する「メンブレイン」から来ている)は、5次元(4つの空間次元と1つの時間次元)でできている。この考え方は、一般相対性理論が宇宙を3つの空間次元と1つの時間次元としてとらえている点と異なっている。

この理論が予言する宇宙の現象は、今後数年で打ち上げが予定されている衛星で観測が可能である。もし空間に4つ目の次元が存在することが確認されて「ブレインワールド理論」が正しいことが証明されれば、これまでの物理理論が覆り、自然界を理解する哲学的考え方も変化することになる。

ランドル−サンドラム・ブレインワールド・モデルは、重力がどのようにして、一般相対性理論で記述されたのとは異なる宇宙を形作るかの数学的記述である。今回の研究による発見は、アインシュタイン理論とは異なるブレインワールド理論による、ある特定の重力の影響の結果に焦点を絞っている。

ブレインワールド理論の予言によると、初期宇宙で作られた比較的小さなブラックホールが現在まで生き延びている。このようなブラックホールは小さな小惑星と同じような質量で、宇宙の「ダークマター」の一部になっているはずである。その名が示すように、ダークマターは光を放射も反射もしないために見えないが、重力は放出している物質である。一方、一般相対性理論の予言では、このような原始ブラックホールは蒸発してしまって長くは存在せず、現在は存在していない。

ブレインワールド・ブラックホールの地球からの距離を推測すると、その最も近いものは冥王星軌道よりも近くにあるという驚くべき結果になる。もし、ブレインワールド・ブラックホールが我々の銀河内のダークマターの1パーセントという小さな質量(これは慎重な見積もりである)を占めているにすぎないとしても、我々の太陽系内のブレインワールド・ブラックホールの数は数千個にもなるはずである。しかし、ブレインワールド・ブラックホールは実際にあって、5次元ブレインワールドの証拠は見つかるのだろうか。

この疑問に答えることは、他の銀河から地球へ旅してくる電磁放射に与えるブレインワールド・ブラックホールの影響を観測すれば可能である。ブラックホールの近くを通過して地球にやってくる電磁放射は、巨大な重力の影響(重力レンズ効果)を受けている。ブレインワールド・ブラックホールの重力レンズ効果を見つける良い方法は、巨大爆発によって作り出されると考えられているガンマ線バーストからの放射の観測である。このようなバーストが発見されたのは1960年代のことで、米空軍による偶然な発見だった。

計算によると、ブレインワールド・ブラックホールは、池のさざ波の進行を石が邪魔するのと同じようにガンマ線の進行を妨げる。池の中の石に邪魔されたさざ波には、頂が高くなる部分、波同士の間のトラフが深くなる部分、頂とトラフが互いに相殺しあう部分ができて「干渉縞」が作り出され、このような干渉縞は石と水両方の特質の表れとなっている。

これと似たことは、地球にやってくるガンマ線バーストの進行をブレインワールド・ブラックホールが邪魔したときにも起きて明暗の干渉縞ができ、これはブレインワールド・ブラックホール(つまり時空)特質を推断する材料になる。4つ目の空間次元の痕跡は、干渉縞同士の間が狭くなるという形で現れるのである。この予言は、我々の太陽系内と、その外側にある全てのブレインワールド・ブラックホールに適用することができるという。もしブレインワールド理論が正しければ、宇宙には4つ目の空間次元の痕跡を持ったもっとずっとたくさんのブレインワールド・ブラックホールが存在しているはずである。

この理論で予言されたガンマ線の縞模様は、2007年8月に打ち上げが予定されているガンマ線広域宇宙望遠鏡(GLAST)を使って計測することができるはずである。この望遠鏡は、NASA、米エネルギー省、フランス、ドイツ、日本、イタリア、スエーデンの共同開発である。

この発見は『フィジカル・レビュー』誌のオンライン版、2006年5月24日号に掲載された。

The scientists' findings appeared May 24, 2006, in the online edition of the journal Physical Review D. Keeton is an astronomy and physics professor at Rutgers, and Petters is a mathematics and physics professor at Duke. Their research is funded by the National Science Foundation.

ゆるい土壌で停止

ソル825〜834日ステータス

2006.6.1

Credit: NASA/JPL
ソル833日に前方危険防止カメラで撮影した画像。右の車輪の一部が砂の中に食い込んでいるのが写っている。前方カメラで撮影したこの画像に車輪跡が写っているのは、オポチュニティが後退走行していたためである。
Credit: NASA/JPL
ソル833日にパノラマカメラで撮影した画像。オポチュニティの周囲に露出層が散在した砂のさざ波形状が一面に広がっているのが写っている。

オポチュニティはソル833日(2006年5月29日)の走行中に、車輪がゆるい土壌の中に入って土壌を掘り返し、約24メートルの走行予定がわずか1.5メートルで停止した。翌ソル834日には、周囲の状況を把握してゆるい土壌から抜け出る方法を計画するための画像撮影のコマンドが送信された。初期調査によると、車輪は「苦難の砂丘」にはまって立ち往生したソル446日の深さまでは埋もれていないことが分かった。脱出のための移動は数日以内に行われる。ソル833日の走行は、砂のさざ波同士の間のトラフに沿って行う計画だったが、たとえさざ波の上を通ったとしても車輪が食い込んで立ち往生するとは考えられていなかった。

この8ソル日間のオポチュニティは、ロボットアーム集中調査、「ビクトリア・クレーター」へ向かう移動を2回、「アラモゴード・クリーク」土壌ターゲットの顕微画像撮影、アルファ粒子X線分光計計測、メスバウアー分光計計測を行った。

オポチュニティは、冬が近づいているために活動を軽いものにしており、各移動の終わりには、エネルギーが多く得られる北に面した斜面の領域「リリーパッド」(水に浮かんだ大きなスイレンの葉)を最終停止位置にすることにした。こうすることで、オポチュニティの太陽電池板が太陽光を最大限に受けられるようになるのである。

ソル825日(5月20日)
顕微画像撮影、アルファ粒子X線分光計計測、ターゲット遠隔調査。

ソル826日
ターゲット遠隔調査、顕微画像撮影、メスバウアー分光計計測。

ソル827日
ターゲット遠隔調査とメスバウアー分光計計測の続行。

ソル828日
39.07メートル移動。ターゲットなし遠隔調査。

ソル829日
ターゲットなし遠隔調査。

ソル830日
28メートル移動。ターゲットなし遠隔調査。

ソル831〜832日
両日ともターゲットなし遠隔調査。

ソル833日
約24メートルの予定の走行中、車輪が一部、ゆるい土壌に埋もれる。

ソル834日(5月30日)
計画はゆるい物質から抜け出る移動計画のための画像撮影。

ソル828日(5月23日)現在のトータル走行距離は7940.57メートルである。

スペースカレンダー

2006.5.31

2007年 1月

2006年 6月
2006年5月31日更新

ディスカバリーは打ち上げ発射台へ

2006.5.29

Image Credit:
スペースシャトル「ディスカバリー」は、ケネディ宇宙センターの発射台に移動した。シャトルは日本時間2006年5月25日午前9時30分に巨大なシャトル移動架台に乗ってここに到着した。ディスカバリーのロールアウトは、次のミッション「STS-121」の準備が最終段階に入ったということを示している。

ディスカバリーを乗せたシャトル移動架台は、日本時間5月20日午前1時45分にケネディ宇宙センターのビークル・アッセンブリー・ビルディングから動き始め、最高速度が時速1.6km以下でゆっくりと進んだ。

発射台のシャトルは打ち上げ前のハードウエアー調整と最終テスト、それに補助動力ユニットのホット・ファイア・テストを行って正常な動作をするかどうかが確認される。次にロテーティング・サービス・ストラクチャーが後退してシャトル周囲に配置され、シャトルを保護する。

国際宇宙ステーションへ向かうディスカバリーの打ち上げウインドウは7月1日から19日までで、打ち上げは7月1日に予定されている。ディスカバリーは12日間のミッションでシャトルの安全性を改善するハードウエアーと技術のテストを行い、ステーションクルーへの供給物資を届け、リペアも行う。

もう1つの重要イベントは6月12日から15日までに設定されたターミナル・カウントダウン・デモンストレーション・テストである。このカウントダウン予行演習はシャトルクルーにとって、装備に慣れ親しむこと、それに緊急脱出トレーニングのような様々なシュミレーション・カウントダウン活動に参加する機会になる。

冬の隠れ場での調査続行

スピリット ソル847〜854日ステータス

2006.5.28

Credit: NASA/JPL
ソル847日にパノラマカメラで撮影した画像。地表の中央部分は横方向に走る開いた「U」の字状の溝のようになっている。のこの画像はマクマード・パノラマの14列目になる予定である。
Credit: NASA/JPL
ソル847日にパノラマカメラで撮影した画像。画像下3分の1あたりにはスピリットの車輪跡が見える。

スピリットは360度の冬の隠れ場パノラマのための画像撮影を続けており、パノラマ構成作業も現在進められている。このパノラマは27列で構成されるが、メモリアルデイ(戦没将兵追悼記念日。2006年5月29日)の週の週末までには15列の撮影が完了すると期待されている。「プログレス」土壌ターゲットの調査も続けられ、土壌を約6ミリ払いのけて2番目の層を露出させた。この第2層は「プログレス2」と名付けられ、49.5時間にわたるメスバウアー分光計計測を3日に分けて行うコマンドの準備が行われた。

地球から火星へ高い周波数で通信する機会は7回あったが、そのうちの5回はマーズ・レコネッサンス軌道船のエアブレーキのサポートに使う必要があったため、スピリットへの通信はマーズ・オデッセイを介したUHF波長で今回も行われた。

ソル847日(2006年5月21日)
「マクマード・パノラマ」の14列目の1x3のモザイクを撮影。アルファ粒子X線分光計で「プログレス2」を計測。

ソル849〜851日
新たなコマンドのアップリンクができないため、ソル848日のマスターシーケンスを実施。地球へのデータのダウンロードの続行とバッテリーの充電。

ソル852日
計画は「プログレス2」へのメスバウアー分光計配置と一晩かけた計測開始。

ソル853日
計画は3時間半のメスバウアー分光計による再計測、マクマード・パノラマの15列目の3フレーム全ての撮影、それにミニ熱放射分光計によるターゲット観測。

ソル854日(2006年5月29日)
計画はプログレス2の一晩かけたメスバウアー分光計計測。

ソル850日(2006年5月25日)現在のトータル走行距離は6876.18メートルのままである。

遅い午後の眺め

2006.5.27.

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/Cornell

スピリットがいる現在位置と「ハズバンドの丘」斜面との間には壮観な砂のさざ波領域がある。スピリットが「ハズバンドの丘」頂上を下り始めて現在位置の「ローリッジ」まで到達するのに200ソル日がかかった。この画像はソル813日(2006年4月17日)に青色フィルターを使った右側パノラマカメラで北方向を振り向いて撮影したもので、撮影は午後遅くに行われたために太陽高度は低く(太陽光は左方向から来ている)、影が長くなり、近い位置も遠い位置も、微妙な形状がよく分かる素晴らしい眺めとなっている。この画像の中央すぐ左には、昨年の夏にスピリットが滞在したハズバンドの丘が盛り上がっているのがくっきりと見える。「エルドラド」と名付けられたカーブした砂のさざ波の領域は幅が150メートルあり、ハズバンドの丘の基部に位置している。

他の画像とは異なる時間に撮影したために太陽光の角度が異なるこのような画像により、地形と表面の粗さからくる、色や反射率のような表面特性の差を区別することができる。これらの要素を区別することで地形をより詳細にマッピングすることができ、グセフクレーターの地質学的歴史についての新たな手がかりが得られる。

ビクトリアを見る強調画像

2006.5.26.

Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS/Cornell University
画像をクリックするとラベル入りの大きな画像をご覧いただけます。

この上下ペアーの画像はオポチュニティのパノラマカメラで撮影したもので、2年間を火星で過ごしたオポチュニティが、「ビクトリア・クレーター」の見える位置に到達したことを示している。オポチュニティは1年以上の移動を続けて、このクレーターに接近を試みている。オポチュニティがビクトリアまでうまく到達できるかどうかは分からないが、このような大きなクレーターを「ロボット地質学者」が調査できることが期待されている。ビクトリア・クレーターは直径が800メートルあり、これは太古の水の影響がある岩石層を2004年に数ヶ月にわたって調査した「エンデュアランス・クレーター」の約6倍の直径である。

上の伸張した画像では、柔らかい形の近隣の砂のさざ波の頂が尖って見えるが、これは垂直方向の強調のためである。この垂直強調技術が最初に使われたのは「ヴァイキング2号着陸船」のパノラマ画像で、軌道からの画像に対する着陸船の位置を特定するために使われた。画像を垂直強調することで、地形の区別が容易になるのである。

中央右方向の地平線近くにある明るい白点(ズームインせずにわずかに確認することができる)はクレーター向こう側壁の明色の露出層と考えられ、ビクトリア・クレーターの低い縁がオポチュニティから見えるということを示している。明色の紫色の線と矢印が示しているのは小さなクレーターである。

シャイアンの調査

オポチュニティ ソル818〜824日ステータス

2006.5.25

Credit: NASA/JPL
ソル824日にナビゲーションカメラで撮影した画像。広がる露出岩石の上にさざ波状になった砂が乗っているように見える。
Credit: NASA/JPL
ソル821日にパノラマカメラで撮影した画像。この画像でも、さざ波状の砂が露出岩石に乗っているように見える。

「ビクトリア・クレーター」への移動を続けているオポチュニティは、2日間で108メートルの移動をし、ソル823日の終わりにはビクトリア・クレーターまで約1kmまで接近した。

オポチュニティとマーズ・オデッセイは、2007年8月に打ち上げて2008年5月に着陸する予定のフェニックス・マーズランダー・ミッションでの通信計画を立てるためのリレー実験を行っている。

ソル818日(2006年5月13日)
「シャイアン」という岩石ターゲットの顕微画像を撮影し、次にブラッシング。ブラッシング後はアルファ粒子X線分光計で岩石組成を調査。ソル817日の移動で到着した場所からの眺めのモザイクをパノラマカメラで撮影。

ソル819日
「シャイアン」のブラッシング後の顕微モザイク画像撮影と、このターゲットのメスバウアー分光計による鉱物組成の調査。層状露出層領域の「プエブロ」のパノラマカメラ画像も撮影。

ソル820日
メスバウアー分光計で「シャイアン」を調査。ミニ熱放射分光計で空と地表を調査。ナビゲーションカメラで雲のチェック。

ソル821日
13枚のフィルターを使ったパノラマカメラで「シャイアン」を撮影。次に36.64メートル移動して、新たな位置からナビゲーションカメラとパノラマカメラで画像を撮影。パノラマカメラによる空の観測も実施。

ソル822日
ナビゲーションカメラで後方の画像撮影と雲のスキャン。ミニ熱放射分光計で空と地表の調査。オデッセイとの2回目のフェニックス・リレー・テスト。(第1回目はソル812日に実施。)

ソル823日
71.2メートル移動して新たな位置からナビゲーションカメラとパノラマカメラで画像を撮影。大気透明度調査、カメラ・マストのチリの調査、空の観測もパノラマカメラで実施。

ソル824日(2006年5月19日)
後方のナビゲーションカメラ撮影、地表と空のミニ熱放射分光計計測、大気透明度のパノラマカメラによる調査。オデッセイとのリレー通信中に、空と地表のミニ熱放射分光計計測。

ソル821日(2006年5月16日)現在のトータル走行距離は7829.99メートルである。