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火星のフェニックス

2007.5.15

Image Credit: NASA/JPL/UA/Lockheed Martin

NASAのフェニックス・マーズランダーは着陸地点上空の大気を監視し、直下の土壌を調査する。このイラストレーションは火星表面上で完全な稼働状態にあるフェニックスである。左側の画像はステレオで、この画像を立体的にご覧になるには赤色と緑色のステレオメガネが必要である。

フェニックスは2007年8月にフロリダ州ケープカナベラル空軍基地から打ち上げるため、現在組み立てとテストが行われている。着陸は2008年5月か6月の予定で、着陸地点は火星の極北の北極平原である。このミッションは、NASAのマーズ・オデッセイ軌道船が2002年に送り返してきた情報、つまり火星の高緯度領域のほとんどに凍った水が混じった土壌が表面から手の届く範囲内にあるという情報に基づいている。

フェニックスはロボットアームを使って地表を掘り、表面下にあるはずの氷の層を確認する。表面下の土壌と氷はすくい上げて分析し、着陸地点の表面下の環境が微生物の生息に適していた(あるいは現在も適している)のかどうかが査定される。さらに、フェニックス搭載の科学機器で氷の層の歴史についての理解を深める情報が収集され、そしてフェニックスの気象観測装置では火星北極の天候の火星表面からの初調査が行われる。

イラストに描かれている垂直の細い緑色の線は、大気中のチリと雲の監視のために発射されているレーザービームである。フェニックス本体の両側には、電力を供給する太陽電池板が「黒い翼」のようになって見えている。

The Phoenix mission is led by Principal Investigator Peter H. Smith of the University of Arizona, Tucson, with project management at NASA's Jet Propulsion Laboratory and development partnership with Lockheed Martin Space Systems, Denver. International contributions for Phoenix are provided by the Canadian Space Agency, the University of Neuchatel (Switzerland), the University of Copenhagen (Denmark), the Max Planck Institute (Germany) and the Finnish Meteorological institute. JPL is a division of the California Institute of Technology in Pasadena.

フェニックス・ランダー
フェニックス・マーズランダー
フェニックス・ミッションに青信号
火星探査の明日(2) フェニックス

明色物質の調査

スピリット ソル1179〜1185日ステータス

2007.5.13

Credit: NASA/JPL
ソル1182日にナビゲーションカメラで撮影した画像。遠方の丘は「コロンビアの丘」、そのふもとに黒っぽく写っている領域は砂丘、手前にはホームプレートの一部も写っている。
Credit: NASA/JPL
ソル1183日にパノラマカメラで撮影した画像で作ったカラー画像。この日は13枚全てのフィルターによる「グッドクエスチョン」のフルカラー・パノラマカメラ画像が撮影された。この領域は左の画像の左下部分にも写っている。画像の色はフォールスカラーで、赤色と黄色が強調されている。使用フィルターは750ナノメートル、530ナノメートル、430ナノメートルである。

スピリットは元気で、「グッドクエスチョン」という名のこぶの多い岩石の調査を完了した。

スピリットは今後、北方向に移動して「ホームプレート」に登るが、その途上、車輪が掘り起こした白色の土壌の1つを調査する。ミニ熱放射分光計計測によると、この物質は先週調査した「エリザベス・マーン」露出岩石のように二酸化珪素を豊富に含んでいるのかもしれない。この白色土壌は「ガートルード・ワイズ」というニックネームがつけられた。

毎日の活動は、パノラマカメラによる大気チリの計測、ミニ熱放射分光計による空と地表の調査である。以下はこれ以外に行った活動である。

ソル1179日(2007年4月28日)
「グーリ」と「ジョイス・リケッツ」というターゲットのパノラマカメラ画像撮影。「グーリ」と「ヨランダ・シック」ターゲットのミニ熱放射分光計計測。「グッドクエスチョン」のアルファ粒子X線分光計計測。

ソル1180日
パノラマカメラによる地平線のサーベイ。塵旋風の探索。グッドクエスチョンのメスバウアー計測。グッドクエスチョンのパノラマカメラ画像撮影。「ジョーン・シンデラー」というターゲットのサーベイ。

ソル1181日
「エヴェレット」というターゲットのパノラマカメラ画像撮影。「グッドクエスチョン」のメスバウアー計測。「ヨランダ・シック」というターゲットのパノラマカメラ画像撮影。

ソル1182日
塵旋風探索のナビゲーションカメラ画像ムービーを撮影。明色の土壌のミニ熱放射分光計計測。新たな調査ターゲット「ガートルード・ワイズ」の方向に1.9メートル移動。ミニ熱放射分光計によるグッドクエスチョン調査のサポートとして移動中間地点のナビゲーションカメラ画像を撮影。次に同じ観測を実施。移動後、ナビゲーションカメラとパノラマカメラでさらに画像撮影。

ソル1183日
マストのチリ調査。ガートルード・ワイズのミニ熱放射分光計計測。13枚全てのフィルターによるグッドクエスチョンのフルカラー・パノラマカメラ画像撮影。「ファーン・ショレンバーガー」というターゲットの超高解像度パノラマカメラ画像を撮影。「フィロミーナ・ゼール」「アルマ・チーグラー」「ルース・ヘヴァリー」という名のターゲットのミニ熱放射分光計計測。

ソル1184日
午前中、塵旋風の探索とミニ熱放射分光計内のチリの経時変化の調査。「ホワイト・ソイル」(白い土壌)というターゲットの方向へ6.7メートル移動。ナビゲーションカメラとパノラマカメラで走行後撮影。

ソル1185日(2007年5月4日)
計画は、午前中の塵旋風探索、ミニ熱放射分光計による前方の系統的調査の完了、ミニ熱放射分光計計測サポートのためのナビゲーションカメラ画像撮影、アルファ粒子X線分光計による大気アルゴンの調査、塵旋風の探索、翌朝の塵旋風探索ナビゲーションカメラ画像撮影。

ソル1184日(2007年5月3日)現在のトータル走行距離は7103メートルである。

竜骨座星雲のチリのピラー

Credit: NASA, ESA, N. Smith (U. California, Berkeley) et al., and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
2007.5.10

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太古の火山活動の証拠

2007.5.9.

Image credit: NASA/JPL-Caltech/USGS/Cornell
ホームプレートの岩石層の低い位置にある粗い粒子の層。ここには大きな表面形状と、画像の下方向には粒状の表面形状があるのが分かる。さらに、幅4センチの「ボム・サッグ」と解釈される形状もある。この画像はスピリットのパノラマカメラで撮影したもので、色はフォールスカラーである。

スピリットは太古の時代に火山活動があったという証拠を「ホームプレート」で発見した。「ホームプレート」はスピリットの着陸サイト、グセフクレーターの「コロンビアの丘」の「丘内部盆地」内部にある、層状岩石でできた約2メートルの高さの床岩の高台である。ここで発見されたものは、2つのローバーの調査で初の信頼度の高い火山爆発堆積物存在の証拠である。つまりこれらの層は火山爆発でできたということで、この火山活動に関する発見の論文は『サイエンス』誌の5月4日号に発表された。

発見されたのは、ホームプレート付近は玄武岩で占められていて、これは溶けた玄武岩が爆発してできたということである。爆発の1つの原因は玄武岩の溶岩が水と接触したときの水蒸気の圧力のためで、こうしたプロセスで非常に柔らかい溶岩ができることが多い。

このようにホームプレートを作った爆発は、玄武岩の溶岩と水の相互作用で起きたのかもしれないのだが、それを裏付けるように、岩石の元素を詳しく調べると、そこには水が関係しているというヒントがある。その1つの例は岩石に塩素が高い濃度で含まれているということである。

ホームプレートが火山爆発でできたという最も強力な証拠の1つは、この高台の斜面の下の部分の層状岩石に「ボム・サッグ」(bomb sag: 爆発でできた広域の沈降部)が残されているということである。地球の「ボム・サッグ」は、火山爆発で岩石が空中に跳ね上げられ、それが柔らかい堆積物の上に落ちてそれを変形させたときにできる。

スピリットがホームプレートに着いたのは2006年2月で、数ヶ月にわたってここで詳細調査を行い、その後火星の冬をやり過ごすために「ローリッジ」へ移動した。現在のスピリットはホームプレートに戻り、調査を続けているが、火星の冬が終わったときにホームプレートに戻ることにしたのは、ここがグセフクレーターで発見した最も興味深い場所の1つだからである。昨年はホームプレートの主に北側と東側を調査したが、今回は南側と西側に行って調査できると考えている。スピリットのホームプレート探索は、この場所の形成プロセスが水に関連しているという考え方をテストするのが大きな目的である。

スピリットとオポチュニティの火星探索は4年目を迎えている。当初の3ヶ月の本ミッションは2004年4月に成功裏に終了し、その後ミッションは4回延長された。2007年4月26日現在のスピリットは火星日で1177日を過ごし、7095メートルの走行をした。一方オポチュニティは1157日で10キロ509メートルの走行をした。

スピリットとオポチュニティはその活動年月の長さを考えると元気と言え、全ての科学機器は機能していて素晴らしい科学データを送り続けている。

Steve Squyres of Cornell University, Ithaca, N.Y. Squyres is principal investigator for the rovers' science instruments.
John Callas is project manager of the Mars Exploration Rover mission at NASA's Jet Propulsion Laboratory, Pasadena, Calif.

Dスター走行でグラナダを周回

オポチュニティ ソル1157〜1163日ステータス

2007.5.8

Image Credit: NASA/JPL; Color & Anaglyph: Mori Kanai
ソル1161日に撮影したパノラマカメラ画像から作ったフォールスカラー画像(左)とステレオ画像(右)。この日は「グラナダ」の撮影が行われた。オポチュニティはDスター走行のテストとしてこのターゲットを周回するように進んだ。フォールスカラー画像の使用フィルターは、750ナノメートル、530ナノメートル、430ナノメートルで、赤色が強調されている。ステレオ画像を立体的にご覧になるには、赤色と青色のメガネが必要である。(m.kanai)

オポチュニティはこの週、224メートル移動した。ソル1160日にはDスター危険回避走行プランナー(走行計画作成ソフトウェアー)のテストに成功した。このテストをできるだけ安全に行うため、越えられる複数の岩石が障害物という設定にされ、真っ直ぐ進むとこれら「障害ではない障害物」に向かうことになるよう「グラナダ」の反対側が目的地とされた。

オポチュニティはソル1162日と1163日に「グッドホープ岬」の方向に進み、ソル1164日にはクレーター縁に接近して、週末に「セントヴィンセント岬」のパノラマカメラ画像撮影ができる位置に到達する予定である。さらに週末には岩石剥離器の研削テストがもう1度行われることになっている。

ソル1159日にはチリの吹き払い現象がもう1度起き、発電量は800ワット時にまで上昇した。

毎日の活動は、パノラマカメラによるタウの計測とミニ熱放射分光計による空と地表の調査である。これ以外に行った活動は以下の通りである。

ソル1157日(2007年4月26日)
「セントヴィンセント岬」の長基線ステレオ画像の右目用画像をパノラマカメラで撮影。アームをたたんで「グラナダ」方向に38メートル移動。次にアームを伸ばしてナビゲーションカメラとパノラマカメラで走行後撮影。夜間のマーズ・オデッセイを介したデータ・リレー通信。

ソル1158日
ナビゲーションカメラによる雲の探索。ミニ熱放射分光計とパノラマカメラによる前方地表の調査。

ソル1159日
パノラマカメラによる空のサムネイル画像撮影と地平線のサーベイ。ミニ熱放射分光計による7ヶ所の空と地表の調査。

ソル1160日
「グラナダ」ターゲットのパノラマカメラ画像撮影。次にアームをたたんでDスター走行テストのために「グラナダ」周囲を15メートル走行。次にアームを伸ばして通った道筋の走行後撮影。

ソル1161日
パノラマカメラによる前方のサーベイ。ミニ熱放射分光計による空の調査、次に「マラガー」ターゲットの計測。「グラナダ」のパノラマカメラ画像撮影。次にアルファ粒子X線分光計で継続中の大気アルゴン調査。

ソル1162日
「グラナダ」Dスター走行のパノラマカメラ・カラー・モザイク画像撮影。次にアームをたたんで「グッドホープ岬」の方向に74メートル移動。次にアームを伸ばしてナビゲーションカメラとパノラマカメラによる撮影。マーズ・オデッセイを介した夜間のデータ・リレー通信。

ソル1163日
車輪跡のナビゲーションカメラ画像撮影。次にアームをたたんで「グッドホープ岬」方向に97メートル移動。移動後、ナビゲーション・カメラ画像とパノラマカメラ画像を撮影。ナビゲーションカメラによる雲の探索。

ソル1163日(2007年5月2日)現在のトータル走行距離は10キロ736.12メートルである。

惑星「地球」へようこそ

Credit: Apollo 17 Crew, NASA
2007.5.7

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到着領域に戻る移動

オポチュニティ ソル1152〜1156日ステータス

2007.5.6

高解像度画像
高解像度画像
高解像度画像
高解像度画像
Image Credit: NASA/JPL, Image Arrangement: Mori Kanai

ソル1155日(2007年4月24日)に撮影したナビゲーション・カメラ画像を4枚並べて作ったビクトリア・クレーターのモザイク画像。オポチュニティはこの日、「セントビンセント岬」の長基線ステレオ画像の「最初の目」のための画像撮影を開始し、「2番目の目」の撮影位置に移動した。この画像は広角画像を単純に並べただけのため、画像の継ぎ目の地形は一致していない。(m.kanai)

オポチュニティは「ビクトリア・クレーター」に入るのか、そして入るとすればいつなのか、これはまだ検討段階にある。オポチュニティの活動は進展しており、約600メートルの距離にあるビクトリアへの到着領域に戻る移動も行われている。

これ以外の活動としては、Dスター危険回避走行、目視ターゲット追尾、IDD(ロボットアーム)自動配置のような新しい技術のテストが完了させる必要がある。さらに、「ダックベイ」への途上で完了すべきことは、「グッドホープ岬」と「セントメリー岬」の集中撮影である。

現在のオポチュニティは「ティエラデルフエゴ」縁からの「セントヴィンセント岬」の長基線ステレオ画像の撮影を行っている。ソル1157日にはDスター走行テストとして、約35メートル北にある「グラナダ」という岩石集合に移動する。

オポチュニティはソル1151日と1152日にチリが軽く吹き払われて太陽電池板がきれいになり、1日あたりの発電量が75ワット時ほど増加した。

毎日の活動は、パノラマカメラによるタウの計測とミニ熱放射分光計による空と地表の調査である。これ以外に行った活動は以下の通りである。

ソル1152日(2007年4月21日)
13枚全てのフィルターによる「ハエン」ターゲットのパノラマカメラ画像撮影。「バダホス」「カステリョン」「コルニャ」「リオハ」「ハエン」のミニ熱放射分光計計測。アルファ粒子X線分光計による大気アルゴンの調査。次にパノラマカメラによる空の撮影とナビゲーションカメラによる雲の探索。

ソル1153日
ロボットアームをたたんで、長基線ステレオ画像の「最初の目」の位置に移動。パノラマカメラとナビゲーションカメラで走行後撮影。夜間、マーズ・オデッセイを介したデータ送信。

ソル1154日
ミニ熱放射分光計による空と地表の調査。パノラマカメラによる空の画像撮影。ナビゲーションカメラによる雲の探索。

ソル1155日
「セントヴィンセント岬」の長基線ステレオ画像の「最初の目」画像の撮影開始。次にアームをたたんで「2番目の目」の位置に北西へ6メートル移動。次にアームを伸ばしてナビゲーションカメラとパノラマカメラで走行後撮影。ナビゲーションカメラによる雲の探索とパノラマカメラ・マストのチリの調査。夜間、マーズ・オデッセイを介したデータ送信。

ソル1156日
ミニ熱放射分光計による外部キャリブレーション・ターゲットの調査、次に長時間の空の観測。さらに同機器による「メリリャ」と「カナリアス」ターゲットの計測も完了。日没前のパノラマカメラ画像撮影。次にパノラマカメラによる空の画像撮影。ナビゲーションカメラによる雲の探索。

ソル1155日(2007年4月24日)現在のトータル走行距離は10キロ509.41メートルである。