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NASAのアインシュタイン・プローブ

2007.7.7

Image Credit: NASA
NASAは宇宙の奇妙な現象、ダーク・エネルギー、ブラックホール、宇宙背景放射を調査するため、アインシュタイン・プローブ・オフィスの開設を発表した。

この新しい局はゴダードの「ビヨンド・アインシュタイン・プログラム・オフィス」の中に設置され、これら深淵な宇宙の謎を調査するNASAの将来の中規模科学ミッションを計画する。

「ビヨンド・アインシュタイン・プログラム」は、2つの大きな観測と3つの小さなブローブの5つのミッションで構成されている。観測のための技術開発はすでに進められており、レーザー干渉計宇宙アンテナ(LISA)は太陽周回軌道に打ち上げられて我々の銀河とそれより遠方からの重力波を計測し、コンステレーションXは超大質量ブラックホールに落ち込む物質を観測する。

プローブはダーク・エネルギーの特質、ビッグバンの物理、ブラックホールのタイプと分布の調査をする。NASAはこれまでにも、ダーク・エネルギー、インフレーション、ブラックホール・ファインダー・プローブという初期のミッション・コンセプトのサポートをしてきた。

NASAと米国エネルギー省は米リサーチ評議会を任命して、どのビヨンド・アインシュタイン・ミッションを最初に開発して打ち上げるかを査定している。査定の基礎は科学的インパクト、技術水準達成度、予算で、評議会の勧告は2007年9月に発表される。

「ビヨンド・アインシュタイン・プログラム」は、宇宙の起源と進化についての根源的疑問に答える重要情報を得るために設定された。ビヨンド・アインシュタイン探査機は、ハッブル宇宙望遠鏡、チャンドラX線天文台、ウィルキンソン非等方性マイクロ波プローブのような進行中のNASAミッションを基本にして建造される。

画像: レーザー干渉計宇宙アンテナ(LISA)はアインシュタイン・プローブ・オフィスによって研究が進行中のプロジェクトで、波立つ海面に浮かぶブイのように重力波の上に浮かんで重力波を調査する。

自動で接近調査

スピリット ソル1234〜1239日ステータス

2007.7.4

Credit: NASA/JPL
ソル1237日にパノラマカメラで撮影した画像。中程に見えるのは盛り上がっている「ホームプレート」の一部である。
Credit: NASA/JPL
ソル1239日にパノラマカメラで撮影した画像。車輪で掘られた溝の中に明色の土壌が露出している。この画像はフォールスカラーで、使用フィルターは750ナノメートル、530ナノメートル、430ナノメートルで、赤色と黄色が強調されている。

スピリットは元気で、二酸化珪素を豊富に含む露出層ターゲットをいくつか調査する活動も終了した。二酸化珪素の豊富なターゲットが興味深いのは、形成に水が関与していたのかもしれないからである。スピリットには、円形の高台「ホームプレート」に移動する前に調査すべきターゲットがまだ2つあり、それは「アイリーン・ディーン」と「イノセント・バイスタンダー」である。

ソル1235日(2007年6月24日)には、「科学機器自動配置」と呼ばれる新しいコンピュータ・シーケンスの第4ステップを成功裏に完了した。このテストでは、あらかじめ選ばれたターゲットに移動し、自動的に科学データを集めるという行動が行われた。この一連のシーケンスにより、スピリットはあらかじめ選ばれたターゲットが調査可能範囲外にあったときに(これはまさに最初の2回のテスト中に起きたことである)、代替ターゲットを選ぶことができるようになる。

スピリットは来月いっぱい毎日太陽のナビゲーション・カメラ画像を撮影して、今後の火星ローバーミッションのためのデータを収集する。このような画像は、ローバーの姿勢を正す現在とは別な方法を開発するために使われている。

毎日の活動は、パノラマカメラとミニ熱放射分光計による大気チリレベルの計測、スピリットの高利得アンテナを使って午前中行われる地球への直接アップリンク、マーズ・オデッセイを介して夕方行われるUHF波長でのダウンリンクである。以下はこれ以外に行った活動である。

ソル1234日(2007年6月23日)
13枚全てのフィルターを使った「バージニア・ベル」「ナンシー・ワレン」「イノセント・バイスタンダー」露出層のフルカラー・パノラマカメラ画像撮影。「アイリーン・ディーン」のパノラマカメラ画像撮影。「メリー・デイリー」「ナンシー・ワレン3」「ドローレス・ムーア」「ルエラ・デイトワイラー」「ナンシー・ワレン・バックグランド」「メリー・デイリー2」「アイリーン・ディーン」のミニ熱放射分光計計測。

ソル1235日
起床後、パノラマカメラによる空のサーベイ。次に「アイリーン・ディーン」にわずかに接近。約5センチだけターゲットからずれたスポットにメスバウアー分光計を接触させて1x1x7の顕微モザイク画像を撮影し、このスポットにアルファ粒子X線分光計を配置してデータを収集するという「科学機器自動配置テスト」の第4ステップを完了。ナビゲーションカメラ画像撮影。パノラマカメラによる空のサーベイ。オデッセイ通過前に、「スカイフラット」という名のキャリブレーションのための空の撮影を実施。

ソル1236日
搭載ソフトウェアーを使った塵旋風の探索と、通常の遠隔科学調査を完了。

ソル1237日
「アイリーン・ディーン」の方向へその場で転回。最終の転回角度は42.8度だった。自動で「アイリーン・ディーン」にメスバウアー分光計を接触。このターゲットの1x1x7の顕微モザイク画像を撮影。このターゲットのアルファ粒子X線分光計計測を完了。ナビゲーションカメラ画像撮影。外部キャリブレーション・ターゲットをミニ熱放射分光計で調査して、最近のチリ吹き払い現象でミラーにチリの付着がないことを確認。太陽電池板のチリの変化を見るために、13枚全てのフィルターを使った太陽電池板のフルカラー・パノラマカメラ画像撮影。2009年に打ち上げ予定のマーズ・サイエンス・ラボラトリー・ローバーのサポートとして、オデッセイ通過前にナビゲーションカメラによる太陽の撮影。この観測の目的は、太陽のナビゲーション・カメラ画像がローバーの姿勢を正すために使えるかどうかを見るためである。

ソル1238日
午前中、マストに付着したチリの調査、パノラマカメラによる地平線のサーベイ、ナビゲーションカメラによる塵旋風探索ムービー撮影。ソル1233日(2007年6月22日)のチリ吹き払い現象記録のため、太陽電池、キャプチャーマグネット、フィルター・マグネットの顕微画像撮影。「アイリーン・ディーン」の顕微画像撮影。このターゲットのアルファ粒子X線分光計計測。この日早くと午後と夜間と翌日早くの4回、ミニ熱放射分光計による比較計測を実施。2009年打ち上げ予定のマーズ・サイエンス・ラボラトリー・ローバーのため、ナビゲーションカメラによる太陽観測。この観測の目的は、太陽のナビゲーション・カメラ画像がローバーの姿勢を正すために使えるかどうかを見るためである。

ソル1239日(2007年6月28日)
この日の活動は、ミニ熱放射分光計の4回の計測以外はほとんど前日の内容の繰り返し。「アイリーン・ディーン」のアルファ粒子X線分光計計測を15時間23分にわたって実施。

ソル1237日(2007年6月26日)現在のトータル走行距離は7キロ147.93メートルである。

オポチュニティがんばれ!

2007.6.30

Image credit: NASA/JPL/Cornell

ビクトリア・クレーター縁の調査をしているオポチュニティは必要なデータを全て収集し、クレーター内部に入ることを今日発表した。これは、オポチュニティにとって一方通行の旅になるかもしれない。

ビクトリア・クレーターは数百万年前に、隕石の衝突で岩石が飛び散って直径800メートルの穴があいてできた。クレーターの壁に露出した岩石層は下に行くほど古くなり、つまり斜面を下るということは時間を遡るということである。この探査では、以前これより小さなクレーターで行ったと同じように、火星太古の時代の水存在の証拠を捜す。

計画ではオポチュニティはクレーター内部から戻ることはない。オポチュニティは当初の計画(90日のミッション)の12倍も長く生き抜いてきて能力は衰えてはいるものの、再びクレーターの外に出ることはできるはずで、下降で使うクレーター斜面は15〜20度で、そこには露出した床岩があり、車輪がすべることも少ないのである。

以下は調査主任のスティーブ・スクイレス氏の言である。
「我々はこれを一方通行の旅にはしたくない。この平原には、ビクトリア以外にも調査したいターゲットがまだいくつかある。しかし、もしオポチュニティがクレーターから出られなくなったとしても、我々はすでに十分な知識が得られている。」

オポチュニティ、がんばれ!

ダックベイ

2007.6.29

Image credit: NASA/JPL-Caltech/Cornell

ビクトリア・クレーター縁にある「ダックベイ」の画像。オポチュニティは2007年7月初旬にこの斜面を下り、クレーター内部の岩石を調査する。最初のターゲットは、クレーター壁の上部に線状になっている明色の床岩ベルトである。このベルトはオポチュニティの着陸サイトでは見られなかったもので、ビクトリア・クレーターを作った衝突以前に表面だった部分と考えられている。この明色ベルトが太古の時代に火星大気と相互作用していたのかどうか、オポチュニティによる調査で分かるかもしれない。

この画像はパノラマカメラで撮影したもので、色はフォールスカラーである。

ヴェルデ岬からのパノラマ

ビクトリア内部への旅を決定

2007.6.29

アニメーションはここをクリックしてください
Image credit: NASA/JPL/Cornell

このアニメーションは、オポチュニティが「ダックベイ」という窪みの岩石斜面を通ってビクトリア・クレーター内部に入っていく様子をシュミレートしたものである。オポチュニティがクレーター内部に入るのは2007年7月初旬の予定である。オポチュニティは途中、火星に水があった時代の手がかりがあるかもしれない、クレーターの下の方にある古い岩石を調査する。クレーターに入るときのオポチュニティの動きはアニメーションよりもずっとゆっくりしたもので、長距離移動を一気にするのではなく、短い距離の移動を複数行うという方法である。ダックベイの斜面は15〜20度で、床岩が露出しているためクレーターに入るのに最も安全だが、これはオポチュニティの一方通行の旅になるかもしれない。アニメーションはオポチュニティのパノラマカメラ画像をベースに作られている。

極端な環境の影響

2007.6.27.

リタイアしたサンベルト地域(米国南部を東西に延びる温暖地帯)の人が寒さを嫌うように、長い年月を経た2つのローバーは温度変化に対する受容度が下がってきている。2つのローバーが探検しているのは赤道付近の互いに反対の面にいるが、1日の温度差は摂氏100度以上になることが多い。これはハワイの海岸と真冬の南極の間を毎日移動しているようなものである。

極端な環境
2つのローバーは、当初の90日というミッションよりもずっと長く探検を続けているが、電気接点と可動パーツは温度変化による疲労の兆候を見せてきている。「毎日の温度差のサイクルは大きく、このために電気接続の半田は膨張と収縮を繰り返し、そのうち剥がれてしまうことになるだろう。」ローバー・エンジニアリング・チーム主任のジェイク・マティジェヴィクはこう語った。

2つのローバーが記録した温度は、春と夏の日中の最高気温が摂氏約35度、冬の夜間の最低気温が摂氏約マイナス110度である。スピリットの地点の温度変化が大きいのは、オポチュニティの地点より赤道から離れているためで、太陽までの距離の季節による変化が大きいのである。

3年間のデータ
ローバー・エンジニアのダン・ポーターは、各ローバーに50ほどある温度センサーで記録した2004年の着陸直後からの温度を調査している。この調査結果は科学者にとって興味深いだけではなく、一般の人も興味を持っている。

「温度のことはいつも訊かれる質問で、日々の温度を示したこのプロットは、一般の人との話で重要な部分になっている。」ニューメキシコの地質学者で月平均気温のチャートを作ったマーズ・ローバー科学チームのラリー・クランプラーはこう語った。

さらに寒いところ
火星の温度は地球の温度と同じように、どこでも一様に同じというわけではない。日光に直接さらされた物は影の部分にある物よりも暖かくなり、物質の種類によって熱の保持の仕方も異なる。岩石は砂より熱の保持が良いので、火星で比較的暖かいのは岩石の多い地域である。

太陽電池は「真冬の暖かい壁」のようなものだとクランプラーは語る。危険防止カメラのような、太陽電池板の下にある機器は火星の大気に近い温度になっている。地球とはちがって、火星の大気は薄いため、夜間に熱を保つことができず1日の太陽熱は最小になる。


オポチュニティのロボットアームのショルダージョイントは、切れてはずれた電気ワイヤーのために動かなくなっていることが分かった。オポチュニティのヒーターは着陸直後に「入」の位置で動かなくなっていて、ショルダージョイントのモーターはこのヒーターのすぐ脇にあるため、他の部分より温度変化が大きくなっている。マティジェヴィクによると「我々の考えでは、電気コイルの中のワイアーの1つが切れてはずれ、モーターを動かなくしたということだ。」

機械的問題
極端に低い温度は機械的問題も引き起こしている。オポチュニティの右前輪は最近、過度の電流を使うようになった。これは2004年にスピリットの右前輪に起きたのと同じ現象である。電流を余計に必要とするということが示唆しているのは、車輪のモーターに通常より大きな負荷がかかっているということで、低温下のモーターオイルが正常に潤滑しなくなったためと思われている。

故障克服の工夫
スピリットは右前輪が動かなくなっており、これをカバーするために他の5輪を使った走行が行われている。オポチュニティの不具合のショルダージョイントは、夜間寝る前に伸ばした状態にされており、夜間の温度が低くなりすぎてこのジョイントのモーターが動かなくなっても、他のジョイントを使って、限られた動作だが調査ができるようにされている。2つのローバーは温度センサーもいくつか使えなくなっているが、それでもまだ数十のセンサーは機能している。

時間は語る
「温度変化に関連したものは他にどんなものがあるだろう?それは分からないし、ローバーを失う前にどれぐらいの数のものが見つかるのかも分からない。ともあれ、2つのローバーは5回目の延長ミッションが申請される。」マティジェヴィクはこう語った。

太陽電池がきれいに

スピリット ソル1219〜1225日ステータス

2007.6.24

Credit: NASA/JPL
ソル1223日にパノラマカメラで撮影した画像。遠方に見える丘は「ハズバンドの丘」、そのふもとの暗い色になっている部分は「エルドラド砂丘」、画像左半分にある円形の地表は「ホームプレート」で、手前にはスピリットの車輪跡も写っている。
Credit: NASA/JPL; Color Composite: Mori Kanai
ソル1220日にパノラマカメラで撮影した画像。前日のソル1219日(2007年6月8日)には、「ベティ・ワゴナー」近隣にある「ベティ・ワゴナーの娘」と名付けられた露出岩石のブラッシングが行われた。円形部分がブラッシングされた部分である。画像の色はフォールスカラーで、使用フィルターは750ナノメートル、530ナノメートル、430ナノメートルである。

スピリットは2回目のチリの吹き払い現象があり、太陽電池の電力は120ワット時上昇し、太陽電池の現在の発電量は600ワット時以上になっている。スピリットが初めてチリの吹き払い現象を経験したのは2005年のことだった。

「ベティ・ワゴナー」と「エリザベス・エマリー」露出岩石の調査を終わったスピリットは、顕微画像撮影、アルファ粒子X線分光計計測、ブラッシング、メスバウアー分光計計測をするために「ナンシー・ワレン」という岩石ターゲットまで移動した。次の目的地は、「ホームプレート」と名付けられた高くなった地表に入る「道」への移動である。

毎日の活動は、パノラマカメラによる大気チリレベルの計測、ミニ熱放射分光計による空と地表の調査、スピリットの高利得アンテナを使って午前中行われる地球への直接アップリンク、マーズ・オデッセイを介して夕方行われるUHF波長でのダウンリンクである。以下はこれ以外に行った活動である。

ソル1219日(2007年6月8日)
「ベティ・ワゴナー」近隣にある「ベティ・ワゴナーの娘」と名付けられた露出岩石に接触、ブラッシング、顕微モザイク画像撮影、メスバウアー分光計接触、さらなる顕微画像撮影。「エリザベス・エマリー」にメスバウアー分光計を設置して計測。塵旋風の探索。オデッセイへの夜間データリレー。

ソル1220日
13枚全てのフィルターを使ってアーム作業範囲のフルカラー・パノラマカメラ画像撮影。午前中の塵旋風探索。13枚全てのフィルターを使って「メルバ・アルスポー」「ヘレン・セント・オービン」「ルース・レシング」のフルカラー・パノラマカメラ画像撮影。「メルバ・アルスポー2」「ベティ・ホワイティング2」「ジョーン・チアンコラ」「ヘレン・セント・オービン2」のミニ熱放射分光計計測。塵旋風の探索。「ジーン・ギルクリスト」のミニ熱放射分光計計測。オデッセイへの夜間データ送信。

ソル1221日
パノラマカメラによる空のスポット画像撮影。「ナンシー・ワレン」の方向へ移動。ナビゲーションカメラとパノラマカメラによるモザイク画像撮影。オデッセイへの夜間データ送信。

ソル1222日
パノラマカメラによる岩石砕屑物のサーベイ。ナビゲーションカメラによる雲の探索。13枚全てのフィルターを使って前方地表の系統的フルカラー・パノラマカメラ画像撮影とミニ熱放射分光計計測。再び塵旋風探索でナビゲーションカメラ・ムービー撮影。アルファ粒子X線分光計による大気アルゴンの計測。パノラマカメラによる地平線のサーベイとマストのチリの調査。

ソル1223日
ミニ熱放射分光計による車輪跡の調査を完了。「ナンシー・ワレン」のミニ熱放射分光計計測。「ナンシー・ワレン」に接近。走行後ナビゲーション・カメラ画像撮影。オデッセイへの夜間データ・リレー。

ソル1224日
パノラマカメラによる空のサムネイル画像撮影。高い太陽高度のときのパノラマカメラによるサーベイ。ミニ熱放射分光計計測。オデッセイへの夜間データ・リレー。

ソル1225日(2007年6月14日)
アーム伸張。「ナンシー・ワレン」の顕微モザイク画像。このターゲットにアルファ粒子X線分光計を配置して計測。オデッセイへの夜間データ・リレー。

ソル1225日(2007年6月14日)現在のトータル走行距離は7キロ141.67メートルである。