|
Image Credit: NASA |
ハリケーン「ディーン」はジャマイカを通過し、現在メキシコの沿岸リゾート地で荒れ狂っている。カテゴリー5にまで強くなったディーンは結局、南に進路をとってフロリダには接近しなかったが、もしあのまま北上していたらフロリダのケネディ宇宙センターは避難ということになっていたかもしれない。
国際宇宙ステーションは現在、約60パーセントが完成しているが、今回のSTS-118ミッションにより、ステーションが今後大きく拡張する基礎が築かれた。というのは、新しいノード・モジュールの設置と共に、今後数ヶ月で新しい欧州の実験セグメントと日本のセグメントが結合されるからである。
画像: スペースシャトル「エンデバー」が9日間の作業を終えて、ステーションから離れているときに撮影した画像。青い海面に白い雲が漂う美しい地球を背景に、STS-118ミッションでの構築が終了した国際宇宙ステーションの全体像が写っている。
Image Credit: NASA |
ドッキング解除は、ハリケーン「ディーン」がヒューストンに接近する前に着陸するために1日早められた。これにより、シャトルはミッション・コントロールが嵐に備えてヒューストンを閉鎖する前に着陸できることになる。ミッション・マネージャーは天候状態の監視と別な着陸機会についての検討を続けている。
クルーは船体の検査が終わると、忙しかったステーション滞在の疲れを癒すために休息する。ステーションで行ったことは、S5トラス・セグメントの設置と、シャトルとステーションの間のカーゴ移動作業である。船外活動は4回行われ、その2つの主目的はS5トラスの設置と、故障した姿勢制御ジャイロの交換だった。
画像: カリブ海にある カテゴリー アメリカのハリケーンは、その風速により次のような5つのカテゴリーに分けられている。カテゴリー1:風速33.1〜42.5メートル、カテゴリー2:風速49.2メートルまで、カテゴリー3:風速58.1メートルまで、カテゴリー4:風速69.2メートルまで、カテゴリー5:前者以上の風速。台風とハリケーンは同じもので、英語と日本語の名称のちがいと発生地域のちがいである。ただし、日本では風速約17メートル以上のものを台風というが、アメリカではこれと同じ風速の嵐はカテゴリー1以下になってしまうためハリケーンとは呼ばれず、低気圧ということになる。 4のハリケーン「ディーン」の目。この画像は19日正午頃、スペースシャトル「エンデバー」から撮影した。ディーンは風速67メートルで、時速約27kmの速さで西方向のジャマイカの方向に進んでいる。
Image Credit: NASA |
シャトルとステーションの間のハッチは19日午前6時10分に閉じられ、エンデバーがステーションから離れる準備が整った。シャトルの着陸は22日だが、ハリケーン「ディーン」のヒューストン地域への影響を考慮して、ミッション・コントロール・センターが閉鎖される前の、早い時期の着陸が検討されている。マネージャーは「ディーン」の進路に注目している。
4回目の船外活動は短縮されて5時間02分になり、ハッチ閉鎖とドッキング解除を早める処置がとられた。今回の船外活動で行われたのは、シャトルのロボットアーム・エクステンション・ブームをステーションのトラスに取り付けるためのスタンドの設置、外部ワイヤレス・インストラクション・システムの設置、ステーションの2つの物質実験装置の回収である。さらに、地表を見下ろしてカリブ海のハリケーンの観察も行われた。
4回目の船外活動は18日22時17分に始まり、19日午前3時19分に終わった。STS-118の船外活動のトータル時間は23時間15分で、4回目の船外活動はステーション構築のための船外活動としては92回目となった。
画像: 4回目の船外活動中に撮影したカリブ海のハリケーン「ディーン」
Image Credit: NASA |
この決定は、17日に5時間にわたって行われたミッション・マネージャーの会議の結果で、NASAのエンジニア数百人の一致した意見だとしている。必要なデータは、コンピュータ・シュミレーションとアークジェット・テストで全てそろい、決定はこれらのデータを基に行われた。
NASAは地上に戻ったシャトルについても高額で長時間のリペア作業を避けようとしてきた。シャトル打ち上げの遅れは、すでにきついスケジュールになっている打ち上げ予定をさらに押すことになるのである。3回目の船外活動は宇宙服の手袋の破損のため短縮されたが、このことが示しているのは宇宙に出るたびに宇宙飛行士はリスクを背負っているということである。
NASAの1つのセクションであるJSCエンジニアグループは、エンデバーの傷がついた断熱タイルの修繕実施は賢明なことだと言っているが、一方では、シャトルは大気圏突入で安全だとも言っている。
注:この記事の最後の2パラグラフはNASAの発表ではありません。
画像: 4回目の船外活動をするカナダ宇宙機関のデイブ・ウィリアムズ。
Image Credit: NASA |
スペースシャトルが隕石に打たれたことは過去にもあり、ほとんどのケースではインパクトは非常に小さく、衝突物質もシャトルの外層スキンによって吸収されていた。このような状況に対してシャトルは、望めばこのフロントガラスのへこみを調査する方策が非常によく整っているといえる。エンデバーの断熱タイルに小さなへこみを作った衝突のときと同じように、この極小隕石の傷はシャトルのロボットアームに取り付けたレーザーとカメラを使って詳細な調査も可能なのである。これを実行すれば、これが宇宙飛行士にとってリスクになるものかどうかが本当に分かることだろう。
4回目の船外活動はこのために1日延期され、現在のところ18日深夜に予定されている。4回目の船外活動が決定されたのは、シャトルがステーションから電力を順調にもらっているからである。
画像: シャトルがドッキングするために接近している8月10日(米時間)に国際宇宙ステーションから800ミリの望遠レンズのデジタルカメラで撮影した、エンデバーのフロントガラスを含む部分。左に見える丸い部分はドッキング・システムである。撮影時のシャトルとステーションの距離は約180メートルだった。
Image Credit: NASA |
ミッション・マネージャー・チームの17日の決定によると、今回の船外活動ではスペースシャトル「エンデバー」の断熱シールドのリペアは行わない。これはSTS-118クルーが撮影した画像を数時間調査した結果で、STS-118クルーにもエンデバー船体にも危険はないという判断である。
船外活動の準備として行われるのは装備の準備と手順の確認である。船外活動は18日23時01分から、ミッションスペシャリストのデイブ・ウィリアムズとステーションのフライト・エンジニアのクレートン・アンダソンが行う。
カーゴの搬入は8月11日にエンデバーが到着した直後からずっと続けられており、帰りのシャトルにはステーションで必要なくなった物資と科学機器を入れて地上に持ち帰る。
共同記者会見は18日午前2時34分から行われ、クルーは地上の記者からの質問に答える。
画像: ステーションとシャトルがドッキング中の2007年8月14日(米時間)にSTS-118クルーが撮影した画像。手前は国際宇宙ステーションの一部、遠方の地球にはイタリアの下部とシチリア島の一部が写っている。
Image Credit: NASA TV |
こうして3回目の船外活動は、マストラシオが午前4時頃、アンダソンが午前5時05分に終了しが、主なタスクはすでに完了していた。アンダソンはマストラシオがクエスト・エアロックに戻った後、P6トラスのトランスポンダーの回収をした。
損傷が見つかったのはマストラシオのヘルメットカメラによる慣例の手袋スキャンのときで、手袋は2つとも損傷していた。船外活動を早く終わらせることになったのは、左手親指部分の5層のうちの外側2層の小さな貫通である。
2つのMISSE科学調査の回収は今後の船外活動に延期された。この調査機器は2006年8月にステーション外部に設置され、地上に持ち帰って分析することになっている。
今回の船外活動では、P6トラスと太陽電池板の移動準備のため、インテグレーテド・トラス・ストラクチャー・レール・システムの2つのクルー・イクイプメント・トランスレーション・エイド・カートの移動が行われた。これにより、STS-120によるP6トラス移動作業でステーションのアームが使えるようになった。P6はステーション上部の位置からP5トラス終端に移動される。
船外活動の初めには、P6トラスのアンテナがP1トラスへ移動され、Sバンド通信システムのアップグレードとして新しいトランスポンダーとシグナル・プロセサーも設置された。
4回目の船外活動は17日夜に予定されている。
エンデバーの断熱シールドに小さな損傷が見つかったが、これは安全に問題はないとの結論になった。しかし、エンデバーの次のフライトがスムーズにいくことを考慮してリペア作業をするかどうか検討されている。この損傷は8月9日のシャトル上昇中に起きた。
画像: ミッションスペシャリストのリック・マストラシオの宇宙服の手袋の損傷。
Image Credit: NASA TV |
この新しいジャイロは、今回の船外活動の前半で取り外した故障したジャイロと交換された。このジャイロは、ステーションの姿勢を制御するために使われている4つのジャイロのうちの1つである。
6時間28分にわたって行われた船外活動を終了する前に、2人は故障したジャイロを外部保管プラットフォーム2に移した。このジャイロは今後のシャトル・ミッションで地上に持ち帰ることになっている。
次の船外活動は16日に、マストラシオとアンダソンが行う。3回目の船外活動の内容はSTS-120で行われるステーションのP6トラスの移動の準備である。船外活動はもう1回追加されて4回になり、これに伴ってミッションも3日間延長された。
画像: 故障したコントロール・モーメント・ジャイロを持つリック・マストラシオ。このジャイロは直前にZ1トラスから取り外された。
Image Credit: NASA TV |
船外活動を行っているのはデイブ・ウィリアムズとリック・マストラシオで、2人はまず故障したジャイロをZ1トラスからはずし、それをステーション外部に一時的に格納する。次にエンデバーのペイロードベイに乗せて地球から持ってきた新しいジャイロを出して取り付ける。故障したジャイロはシャトルで持ち帰ることになっている。
今回の船外活動のコーディネーターはミッションスペシャリストのトレーシー・コールドウェル、ステーションのロボットアーム操作はSTS-118パイロットのチャールズ・ホバウとエクスペディション15フライト・エンジニアのクレートン・アンダソンである。船外活動の終了は午前7時02分の予定である。
エンデバーとステーションの間の物資移動も続けられ、エンデバーの断熱シールドの5つの領域を撮影した画像の分析も地上で行われている。
ミッション・マネージャーは13日に、STS-118ミッションを3日間延長することを決定した。これは、シャトルで必要な電力をステーションから得る、新しい「ステーションからシャトルへの電源供給システム」がうまく作動しているためである。この決定により船外活動が3回から4回になり、4回目の船外活動は8月17日深夜開始、エンデバーがステーションから離れるのは8月20日夜、着陸は8月23日午前1時52分になった。
画像: 2回目の船外活動でハッチから出るリック・マストラシオ(上)とデイブ・ウィリアムズ。
Image Credit: NASA TV |
エンデバーとステーションの間の荷物移動も続けられ、14日午前00時31分に開始される2回目の船外活動の準備も行われている。船外活動はミッションスペシャリストのデイブ・ウィリアムズとリック・マストラシオが行う。
今日はこの後、ミッションを14日間に延長することに関する決定が行われる。決定は「ステーションからシャトルへの電源供給システム」のパフォーマンスを考慮して行われる。
画像: 13日の検査の位置につくエンデバーのロボットアーム。
|
午前2時35分頃にパイロットのチャールズ・ホバウが操作するステーションのロボットアームでS5トラスを設置する作業が行われたが、船外活動ではまずその補助が行われた。この後の作業はS4トラス終端にS5トラスを固定するボルト作業、電源ケーブル接続、データケーブル接続、それに来年到着するS6トラスのためのS5トラスの準備だった。
最終の仕事は、P6トラスのラジエーターの収縮と、収縮後の固定だった。P6トラスは、今後のシャトル・ミッションでステーション上部からP5トラス終端に移動される。
今回の船外活動のコーディネーターはミッションスペシャリストのトレーシー・コールドウェル、エクスペディション15フライト・エンジニアのクレートン・アンダソンはステーションのカナダ製ロボットアームを操作しているチャールズ・ホバウの補佐をした。
「ステーションからシャトルへの電源供給システム」は船外活動中は念のため電源が切られ、今日再開される。ステーションのトランスファー・システムのために、STS-118クルーのステーション滞在は延長されて14日間になり、船外活動も1回増えるかもしれない。この決定は13日に行われる。
画像: STS-118ミッション第1回目の船外活動をするミッションスペシャリストのリック・マストラシオ。
スペースシャトル「エンデバー」は2007年8月11日午前3時02分に国際宇宙ステーションにドッキングし、クルーは午前5時04分にステーションに入った。そして午前6時17分には「ステーションからシャトルへの電源供給システム」(SSPTS: Station-to-Shuttle Power Transfer System)の作動が開始され、STS-118ミッションの活動の基盤ができた。
シャトルとステーションのクルーは12日午前1時31分に開始される最初の船外活動の準備を行っている。この船外活動では右舷第5トラス(S5トラス)の設置と作動の補助が行われる。11日の準備で行われたのは、船外活動関係装備の搬入と、船外活動手順の確認、それにシャトルのロボットアームを使ってS5をペイロードベイから持ち上げてステーションのロボットアームに手渡すという作業も行われた。
船外活動をするのは、ミッションスペシャリストのリック・マストラシオとデイブ・ウィリアムズで、2人はステーションのクエスト・エアロックに入って一晩過ごす。この手順は 空気塞栓症 くうきそくせんしょう:高度飛行や潜水夫が深海から浮上する場合、急激な気圧の低下が原因で起こる急性疾患。徐々に気圧を下げていくという処置は、船外活動の宇宙服内部の気圧が通常より低くなっているために行われ、「キャンプアウト」と呼ばれている。 空気塞栓症を防ぐためである。
2007.8.10.
Credit: NASA/JPL
2007年8月6日にスピリットの危険防止カメラで撮影した画像。スピリットはアームを動かして土壌と岩石の調査活動を再開した。
|
2つのローバーの悲惨な状況はここ数日で多少好転している。火星全体を包んでいる一連のチリ嵐は少しおさまり、空は晴れ始めており、このおかげでスピリットとオポチュニティの電力状況も改善されつつある。
スピリットが得たトータルの電力は、最悪のときにはスピリットが261ワット時、オポチュニティが128ワット時にまで落ち込んだが、チリ嵐が下火になったため、2007年8月6日には295ワット時と243ワット時にまで改善された。最悪の状況のときの電力レベルでは、敏感な電子機器を夜間暖めておくことすらできなくなるのではないかと懸念されていた。
空が晴れてきたために、スピリットは科学調査もいくらか始められるようになり、3週間ぶりにロボットアームを動かすコマンドが送られた。これは2つの土壌ターゲットと1つの岩石ターゲットの顕微画像撮影のためにアームを位置につくかせるコマンドである。一方、オポチュニティはまだそのままじっとしているが、大気の観測は行っている。
太陽光の増加で2つのローバーはバッテリー充電をフルに行うことができ、夜間の大気温度も上昇し、電子機器が凍りついてしまうというリスクは減った。しかし、NASAのマネージャーはまだ慎重で注意深い対応をしており、2つのローバーとの通信セッションは空がさらに晴れるまでこれまで通り限られたままである。
スペースシャトル「エンデバー」のクルーは発射台39Aのエレベーターでホワイトルームに入り、クローズアウト・クルーの助けで1人ずつエンデバーに乗り込んだ。カウントダウンは順調に進み、天候が原因で日本時間午前7時36分に打ち上げができなくなる確率は20パーセントである。
今回のフライトも7人のクルーが乗船するが、その中の1人のバーバラ・モーガンは、1986年に悲惨な事故を起こしたスペースシャトル「チャレンジャー」に搭乗して亡くなったクリスタ・マコーリフェのバックアップだった。バーバラ・モーガンはクリスタ・マコーリフェと同じ教師で、NASAは「先生を宇宙へ」プログラムを再開したということになる。
この時期のフロリダの天候は1年を通じてあまり良くないのだが、今回は熱波も海上に去り、打ち上げできる確率は80パーセントと絶好な打ち上げ日よりになりそうである。夜間は天候が悪く、エンデバーはロテーティング・サービス・ストラクチャーで守られていたが、それもはずされることになる。